映画スクエア
2025年に「カフネ」で第22回本屋大賞を受賞した作家・阿部暁子による、人気青春小説「どこよりも遠い場所にいる君へ」が、映画化されることが決まった。2026年10月9日に劇場公開される。
「どこよりも遠い場所にいる君へ」は、ある秘密を抱える男子高校生・月ヶ瀬和希と、浜辺で倒れていた謎の少女・七緒の出会いから始まる感動の物語。少年少女の揺れる想いと秘密が複雑に絡み合うストーリーで、原作はTikTokを中心に話題を呼んだ。
監督を務めるのは、繊細な心情描写を得意とする「HIGH CARD」シリーズの和田純一。脚本を、「ストロボ・エッジ」「ジョゼと虎と魚たち」など、みずみずしいラブストーリーを描いてきた桑村さや香が務めている。キャラクターデザイン・総作画監督は、イラストレーターとしてゲームやライトノベルなどの分野でも活躍し、「超かぐや姫!」も手掛けたへちま。さらに、シンガーソングライター・とたが、劇中歌「鳳仙花」を書き下ろした。アニメーション制作は、トムス・エンタテインメントが担当している。
原作者の阿部暁子、和田純一監督らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■原作者:阿部暁子
この物語を書いていたのは2017年の夏でした。「どこ君」と担当編集者に愛称をつけてもらった小説は、私にとっても少しだけ特別な作品です。あれから9年がたち、「どこ君」をアニメ映画にしていただく機会を得ました。とても光栄であると同時に、ずっと前に巣立っていった人たちが「やあ元気?」と里帰りしてきてくれたような嬉しさを感じています。原作小説と映画は、まったく同じではありません。ただ忠実にストーリーをなぞるものにはしないでもらえたことを、私は心から喜んでいます。9年前の私では書けなかったこと、アニメだからこそできることを、美しい画と音と声で表現してもらえたことに感謝しています。どうか、映画館で初めてこの作品に出逢う人にも、小説を愛して劇場まで足を運んでくださる人にも、映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』を楽しんでいただけますように。
■監督:和田純一
阿部先生の原作を読み終わった日、静かな寂しさと同時に、確かに存在する心地よいぬくもりを感じ、夜中ひとりベッドの上で涙しました。登場人物たちはそれぞれに、癒えぬ孤独や痛みを抱えています。けれど、そんな中で誰かを強く想い、また誰かに想われる……。距離を超え、時を超え、心が誰かに向かう瞬間に生まれる「切なさと温かさ」。それを安易にテーマという言葉で括って良いのかは分かりませんが、それこそが私がフィルムに落とし込みたいと強く願っている、この作品の魅力です。 夏の浜辺の強い光、稲が香る水田の匂い、荒ぶる嵐の音、その中で揺れ動くキャラクターの感情。原作が持つ輝きを、アニメーション表現を通して皆さんの心の一番深い場所へ届けられるよう、映画『どこきみ』鋭意制作中です!
■脚本:桑村さや香
魅力的なキャラクターたちが織りなす、ファンタジーながらも現実的でシビアな、そして希望に満ち溢れたこの物語がどうアニメ化されるのか、初めて原作を拝読したとき一読者としてとてもワクワクしました。また、脚本家として携われるならこれ以上の喜びはないと思いました。
今いる場所から逃げ出したい、人生はつらく苦しく悲しいことばかりだ、自分の気持ちを誰にも理解してもらえない、この世界はどうしてこんなにも自分に優しくないのだろう、なんで自分はこんなにも弱いのだろう――そんなふうに感じている人、また、感じたことがあるすべての人に観てほしいです。他人の優しさに救われたことがある人、大切な人のために一生懸命になったことがある人、きれいなものを見て涙を流したことがある人にも観てほしいです。そして、夕焼け空にかかる美しい虹のようなメッセージを受け取ってほしいです。
■キャラクターデザイン・総作画監督:へちま
『どこよりも遠い場所にいる君へ』のキャラクターデザイン・総作画監督を務めさせていただきます。お話があった時、すぐ原作を読ませていただいたのですが、刺さりすぎて前のめりでぜひ参加させてください!とお返事したのを覚えています。観て下さる方の心に残る作品になるように鋭意製作中です。ぜひ楽しみにお待ちください…!
【作品情報】
どこよりも遠い場所にいる君へ
2026年10月9日(金)公開
配給:松竹
©阿部暁子/集英社・『どこよりも遠い場所にいる君へ』製作委員会