実母による暴力や罵倒 軟禁生活35年 外に飛び出した男が大暴走 「悪い子バビー」予告

映画スクエア

 2023年10月20日より劇場公開される、第50回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した1993年の映画「悪い子バビー」の、本予告映像が公開された。

 映像は、母親の監視下に置かれるバビーの軟禁生活の一部から始まる。息子の世話を焼きながら、時に鼻と口をふさぎ、「地獄に堕としてやろうか!」と罵詈雑言をぶつける母。そんな暮らしも35年目に突入したある日、自らを”パパ”と名乗る見知らぬ男の出現を機に、地獄から刺激的な外の世界へ飛び出すことになる。そんなバビーの純粋無垢な心は大暴走。街中を吠え回る姿を見せ、ライブパフォーマンスでは多くの観客を魅了するカリスマ性を見せる一方で、厳しい社会の荒波にもまれ「自分は外に向いていない」と葛藤する姿も切り取られている。

 「悪い子バビー」は、過酷な環境で育ちながらも、多くの人々との出会い、音楽に導かれたバビーが、自分自身を発見する旅を描いた作品。「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」という母親の教えを信じ、35年間に渡り、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを管理する母親に従う日々を送っていた。ある日、”父親”を名乗る男が帰ってきたことをきっかけに、言葉、音楽、暴力、宗教、おいしいピザといった刺激にあふれた外の世界に触れた純粋無垢なバビーが大暴走。出会う誰もが、バビーの自由で荒々しいスタイルに巻き込まれていく。

 オランダ生まれでオーストラリア育ったロルフ・デ・ヒーア監督が、脚本完成までに10年以上の年月を要して作り上げた。バビーが生まれて初めて触れる世界を観客もそのまま体験できるように、撮影監督は合計32名が代わるがわる参加し、場面が変わるごとに異質な感覚を味わうことのできる作品となっている。また、「バイノーラルサウンド録音」で、耳を刺激する音をリアルに再現している。日本では「アブノーマル」のタイトルでVHSが発売されていたが、劇場では初公開となる。

【作品情報】
悪い子バビー
2023年10月20日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
配給:コピアポア・フィルム
© 1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]

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