映画スクエア
2024年7月19日より劇場公開される、「幸福なラザロ」のアリーチェ・ロルヴァケル監督最新作「墓泥棒と失われた女神」から、本編映像の一部が公開された。
映像に収められているのは、イタリア・トスカーナの「公現祭(エピファニア)」のシーン。刑務所から戻ってきたばかりのアーサー(ジョシュ・オコナー)が一人で歩いていると、後ろから奇声をあげる集団が追いかけてくる。彼らは墓泥棒の一味で、農業用トラックに乗り込み、なにやら全員奇妙な格好をしている。アーサーは無視を続けようとするが、絡みつくように何度も名前を呼びかけてくるのだった。
毎年1月2日は、カトリックの国イタリアでは盛大に祝う公現祭(エピファニア)の日で、騎士や貴族、お祝いを持った東方3博士などをモチーフに、派手な仮装して街中をパレードする習わしだ。練り歩きながら酒を飲み、ハグをして、「おめでとう!」と言い合う様子は、フェリーニ作品の大団円のような多幸感に満ちている。ちなみに、楽隊員のなかにはアリーチェ・ロルヴァケル監督の前作「幸福なラザロ」に主演したアドリアーノ・タルディオーロの姿も見られる。
「墓泥棒と失われた女神」は、1980年代のイタリア・トスカーナ地方の田舎町を舞台とした作品。忘れられない恋人の影を追う考古学愛好家のアーサーには、紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡をなぜか発見できる特殊能力があった。墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく。
監督は、カンヌ国際映画祭において、「夏をゆく人々」でグランプリ、「幸福なラザロ」で脚本賞を受賞したアリーチェ・ロルヴァケル。本作は、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、第95回ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画トップ5に選出された。
【作品情報】
墓泥棒と失われた女神
2024年7月19日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:ビターズ・エンド
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