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第78回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を受賞した、イランのジャファル・パナヒ監督最新作「シンプル・アクシデント/偶然」が、2026年5月8日より劇場公開されることが決まった。
「シンプル・アクシデント/偶然」は、不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿を、スリリングかつユーモアたっぷりに描いた復讐劇。かつて不当な理由で投獄されたワヒド(ワヒド・モバシェリ)は、ある偶然によって、自分にひどい拷問をした看守らしき男に出会う。とっさに強引な手段で男を拘束し、荒野に穴を掘って男を埋めようとするが、男のIDカードを見ると復讐相手と名前が違い、男も人違いだと言う。実は投獄中に目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。男が本当に復讐の相手なのかという確信が持てなくなったワヒドは、いったん復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにする。
パナヒ監督自身が、2度にわたって投獄された経験と同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て作られた。2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ監督は、映画制作や海外渡航が20年間禁止されていたが、2023年に海外渡航禁止が解かれ、最初に着手した本作品で2025年にカンヌ国際映画祭に正式参加。イラン映画としては28年ぶりに最高賞を受賞し、世界三大映画祭のすべてで最高賞を受賞した監督となった。
そんな中、2025年12月にアメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒ監督は、「反体制プロパガンダ活動を行った」として、イスラム革命裁判所での欠席裁判で、懲役1年、2年間の渡航禁止、さらに政治・社会団体および派閥への参加禁止という厳しい判決を受けた。
【作品情報】
シンプル・アクシデント/偶然
2026年5月8日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
配給:セテラ・インターナショナル
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