映画スクエア
2023年10月20日より劇場公開される、仏総合原子力企業アレバ(現オラノ)社のCFDT(フランス民主労働組合連盟)代表モーリーン・カーニーが、国家的スキャンダルに巻き込まれていく姿を描いた社会派サスペンス映画「私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?」から、レイプの被害者であるモーリーン・カーニーが、心が折れて自作自演だと自白してしまうシーンの、本編映像が公開された。
労働組合の代表として労働者を守るという強い信念のもと、国家レベルのスキャンダルにも立ち向かい、そんな中で何者かに襲われてレイプの被害者となったモーリーン。傷ついた彼女を待っていたのは、レイプを自作自演と疑われ、手荒い取り調べや自宅軟禁を強いられるなど、警察と世間による二次的な暴力だった。想像を絶する苦しみから少しでも早く解放されたいがために、モーリーンは思わず「これで終わりにしたい。すべて私が仕組んだ」と言ってしまう。6年にも及んだ壮絶な闘いで無罪を勝ち取ったモーリーンだが、その過程には心が折れてしまうほどのあまりにもひどい苦しみを経ていたことが描かれている。
「私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?」は、会社とその未来、そして従業員の雇用を守るため、中国とのハイリスクな技術移転契約の内部告発者となったモーリーンが、自宅で襲われるという肉体的暴力と、それを自作自演だと自白を強要する権力側からの精神的暴力に対し、屈することなく6年間闘い続け、無罪を勝ち取るまでを描いた実話の映画化作。社会や組織における女性、政治と経済の権力構造、労働組合、裁判、原子力発電、中国問題、夫婦の関係などの問題が、モーリーンを軸にサスペンスフルな展開で浮かび上がらせた作品となっている。
世界最大の仏原子力会社の労働組合代表だったモーリーン・カーニーを演じるのはイザベル・ユペール。監督は、イザベル・ユペール主演作品「ゴッドマザー」を手掛けたジャン=ポール・サロメ。脚本は「ローズメイカー 奇跡のバラ」のファデット・ドゥルアール、撮影は「1640日の家族」のジュリアン・ハーシュ、音楽は「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」のブリュノ・クーレが担当している。
【作品情報】
私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?
2023年10月20日(金)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次公開
配給:オンリーハーツ
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