映画スクエア
2024年6月21日より劇場公開される、作家・佐藤愛子の同名ベストセラーエッセイ集の映画化作「九十歳。何がめでたい」から、草笛光子演じる作家・佐藤愛子と、唐沢寿明演じる出版社の編集者・吉川が、エッセイの連載を巡って駆け引きを繰り広げるシーンの、本編映像が公開された。
時代の変化に適応できず、昭和気質な言動で仕事も家庭もうまくいかない吉川だったが、異動先の編集部で持ち上がった愛子の連載エッセイ企画の担当に立候補。愛子を説得して周囲を見返してやろうと意気込んでいた。しかし、断筆宣言をした愛子の意思は固く、愛子のことをよく調べもせずに調子の良いことばかりを話す吉川は、軽くあしらわれてしまう。それでも諦めない吉川は、愛子の経歴を入念に調べ、渾身の手土産を持って愛子の家を再訪問する。
「先生の歯切れのいい言葉を求めていると思うんです」と説く吉川に対して、「突然書けなくなるかもしれないから」と切り返す愛子。吉川は「書けなくなったら連載終了で構いません!」と歩み寄るも、手土産だけ受け取られて追い返されてしまう。
日をあらためて再訪問すると「腱鞘炎なの」と痛々しそうに包帯を巻いた手を見せる愛子に、「腱鞘炎の名医にお連れします」と病院へ連れ出そうとする吉川。お互いに一歩も引かない舌戦を繰り広げる二人だったが、吉川が手土産を持ち帰ろうとすると愛子は思わず痛めているはずの手で押さえつける。すかさず吉川に「痛くないんですか?」と突っ込まれると、愛子は「痛い!」と言い張るのだった。
息ピッタリに軽妙な掛け合いを見せている本シーン。撮影では唐沢が草笛にアドリブをしかける場面もあり、2人の確かな演技力と信頼関係があったからこそ成立したシーンとなっている。
「九十歳。何がめでたい」の主演を務めるのは、昨年90歳を迎えた草笛光子。近年では、映画「老後の資金がありません!」で主人公を悩ますチャーミングな浪費家の姑役、映画「次元大介」では、世界一の銃職人役と、幅広いキャラクターを演じている。今作では “世の中を痛快に一刀両断する90歳の作家”に挑む。
【作品情報】
九十歳。何がめでたい
2024年6月21日(金) 全国公開
配給:松竹
©2024『九十歳。何がめでたい』製作委員会 ©佐藤愛子/小学館