ギリシャ神話の悲劇のラブストーリーをモチーフに、独創的な世界が描かれる 「墓泥棒と失われた女神」予告

映画スクエア

 2024年7月19日より劇場公開される、「幸福なラザロ」のアリーチェ・ロルヴァケル監督最新作「墓泥棒と失われた女神」の、90秒予告が公開された。

 90秒予告はある女性の夢を見るアーサーの姿から始まる。忘れられない恋人の影を追っていると思われるアーサー。なぜか古代エトルリア人の遺跡を発見できる不思議な能力を持っているアーサーが、ダウジングでお宝を探し出す様子が、リズミカルに映し出される。そして、「大地の女神」と呼ばれる美しい像を発見する墓泥棒たちや、女神像の頭部をめぐって闇の美術商との騒動が描かれる。

 そんなアーサーは、忘れられない恋人・べニアミーナのことも探している。探し物をしている男性がアーサーに話しかけるも、失くしてしまったものは「あの世に持っていく埋葬品」だと言う。亡くなった妻を生き返らせるために冥界に赴いたギリシャ神話「オルフェウスとエウリュディケ」の悲劇のラブストーリーをモチーフとしている本作。生と死や現実と幻想が入り混じる「マジック・リアリズム」の手法で表現される、独創的な世界の一端が垣間見える予告編となっている。

 あわせて公開された本ビジュアルは、主人公のアーサーと個性豊かな墓泥棒の仲間たちが、何かを探している様子が大きく捉えられ、「誰もが幻想(キメラ)を探してる」のキャッチコピーが添えられている。そして、首のない女神像など劇中のさまざまなキーアイテムや、アーサーを取り巻く登場人物たちのユーモラスな姿が盛り込まれ、レトロで遊び心にあふれるデザインとなっている。

 「墓泥棒と失われた女神」は、1980年代のイタリア・トスカーナ地方の田舎町を舞台とした作品。忘れられない恋人の影を追う考古学愛好家のアーサーには、紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡をなぜか発見できる特殊能力があった。墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく。

 監督は、カンヌ国際映画祭において、「夏をゆく人々」でグランプリ、「幸福なラザロ」で脚本賞を受賞したアリーチェ・ロルヴァケル。本作は、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、第95回ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画トップ5に選出された。

【作品情報】
墓泥棒と失われた女神
2024年7月19日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:ビターズ・エンド
© 2023 tempesta srl, Ad Vitam Production, Amka Films Productions, Arte France Cinéma

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