映画スクエア
内山拓也監督がメガホンを取り、北村匠海が主演、宮沢りえ、永瀬正敏が共演する映画「しびれ」が、2026年に劇場公開されることが決まった。
「しびれ」は、故郷の凍てつく冬の新潟を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を描いた自伝的作品。少年の大地は、幼少期に暴君のようだった父の影響から言葉を発しない。今は母の亜樹と雑居ビル屋上のプレハブで暮らしているが、水商売で稼ぐ亜樹はほとんど家に帰らず、生活は苦しい。やがて亜樹とともに叔母の家に身を寄せるが、どこにも居場所はなく、ひとりで過ごしては内気になっていった。そんな中、大地は父の行方を求めて生家を訪ねることを決意。これを境に、彼の運命は大きく揺らいでいく。
心のよるべなき貧困、誰にも見つからぬように生きる孤独の中のささやかな救い、憎くて愛しい母への複雑な感情。流されるままに生きているようで、歩みを止めない大地。そんな彼が、かすかな光をたぐり寄せ、大きな愛を知るまでの20年間が、徹底した少年の視点で描かれている。
「佐々木、イン、マイマイン」「若き見知らぬ者たち」と、“現実に抗いながらも何かをつかもうとする若者の青春”を見つめてきた内山拓也監督によるオリジナル脚本は、「佐々木、イン、マイマイン」よりもずっと前から執筆を続け、構想十余年に渡ったという。青年期の大地を演じるのは、北村匠海。大地の母・亜樹役に宮沢りえ、大地の父・大原役に永瀬正敏が顔をそろえる。
第26回東京フィルメックス・コンペティションに選出され、11月22日にワールドプレミアされた。
【作品情報】
しびれ
2026年 劇場公開
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2025「しびれ」製作委員会