映画スクエア
2026年2月6日より劇場公開される、河瀨直美監督の最新作「たしかにあった幻」から、リアリティを追求した病院内の撮影の様子が見られるメイキング映像が公開された。
病院でのシーンは、実際の医療現場(甲南医療センター、国立循環器病研究センター)で撮影が行われた。毎日の撮影は、スタッフ全員が白衣もしくは医療着に着替えるところからスタートし、河瀨監督も、「Dr.ナオミ」というネームプレートを胸につけて臨んだ。役として闘病中の子どもたちを演じる出演者も、現場に来ると必ず点滴や補助人工心臓などの医療機器を、看護師のいでたちになったスタッフに装着してもらった。撮影時以外もその状態のまま病棟の中で自由に過ごし、院内学級での授業に参加。彼らの親を演じる俳優も、一緒に付き添い親子として多くの時間をともにした。
オーディションで選ばれた子どもたちは、撮影前に、現在進行形で移植手術のために待機している子どもと触れ合う機会を持っていた。「劇中でコリーが雪だるまの話をするみたいに、私が移植についての絵本を読み聞かせる時間を設けたんです。実はその中に一人だけ、“ゲスト”として、本当に心臓に疾患を抱えた子にも参加してもらっていて、読み終えた後にみんなに紹介しました。その子が久志くんのモデルなんです」と監督は語っている。
「たしかにあった幻」は、小児臓器移植実施施設を舞台に、命のともしびを照らす”愛”の物語。フランスからやってきたレシピエント移植コーディネーターのコリーが、脳死ドナーの家族や臓器提供を待つ少年少女とその家族と関わりながら、命の尊さと向き合う。同時に、突然失踪した恋人の行方を追うコリーの姿を通じて、愛と喪失、希望を描く。「あん」ではハンセン病を抱える女性、「光」では視力を失っていく男性、「朝が来る」では特別養子縁組の夫婦を取り上げ、社会的偏見や喪失の中で、他者との関係性を通して救われる”愛のかたち”を描いてきた河瀨監督が、本作でも命と愛の意味を問いかける。
【作品情報】
たしかにあった幻
2026年2月6日(金)テアトル新宿ほかロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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