映画スクエア
2024年7月5日より劇場公開される、ゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を初めて映画化した作品「Shirley シャーリイ」から、本編映像の一部が公開された。
映像に収められているのは、シャーリイと居候夫婦の妻・ローズの姿。ともに暮らすようになったものの、気難しいシャーリイとの距離感を測りかねていたローズ。ある日、彼女の書斎を訪問し、不器用ながらも自身の出産について気遣いを見せる彼女に戸惑いを感じつつも、少しずつ警戒心が解けていく。そんな中、実はシャーリイも、ローズと対峙することで、執筆のインスピレーションが刺激される感覚に襲われていた。まったく違う境遇の2人が出会い、対話することで徐々に影響を与え合う様子が描き出されている。
シャーリイ・ジャクスンの小説の中に入り込んだような、幻想的な映像美で見せる本シーン。ジョセフィン・デッカー監督は、「シャーリイ・ジャクスンの小説のように感じさせたかった」と、本作での挑戦を明かしている。「シャーリイの心の中の世界は外の世界と分かちがたいように作られているんです。つまり、いくつもの層が折り重なっている。ナプキンが落ちて、スプーンがフォークになったり、それが幽霊になったり」と語り、「全てを現実的にするのではなく、謎の部分は謎のまま残した」「映画が、シャーリイの心の中と同じくらいミステリアスなものになるよう、今まで得てきた映画の知識を超えた未体験の領域で映画を作ってきた」と、撮影を振り返っている。
「Shirley シャーリイ」は、スティーブン・キングも影響も受けたと言われるゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記に、現代的で斬新な解釈を加えて練り上げられた作品。1948年、短編がセンセーションを巻き起こし、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイだったが、なかなか筆が進まない。小説の題材は、ベニントン大学に通う18歳の少女・ポーラの失踪事件だった。ある夫妻が居候として同居することになり、次第に執筆のインスピレーションを得るシャーリイ。一方、居候夫妻のローズは、シャーリイの魔女的なカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていく。
シャーリイ・ジャクスンは、25年という比較的短い執筆期間で、6つの長編、100を超える短編、家族の日常を描いた2冊のエッセイ、4作の児童書を残した作家。1959年、超自然的なホラー小説「丘の上の屋敷」を出版。ロバート・ワイズ監督による「たたり」など、多くの長編は映画化された。1959年に出版された超自然的なホラー小説「丘の上の屋敷」は、スティーブン・キング「シャイニング」に影響を与えたと言われる。エリザベス・モスがシャーリイを演じ、マイケル・スタールバーグ、オデッサ・ヤング、ローガン・ラーマンらが出演。ジョセフィン・デッカーが監督を務めている。
【作品情報】
Shirley シャーリイ
2024年7月5日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給:サンリスフィルム
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