自宅で早産した母親は違法薬物使用&HIV陽性 赤子の運命は? 「アスファルト・シティ」本編映像

映画スクエア

 2025年6月27日より劇場公開される、第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された映画「アスファルト・シティ」から、主人公たちが“命を救うこと”に戸惑うシーンの、本編映像が公開された。

 隣室の妊婦の叫び声が聞こえたという住人の通報により出動したラット(ショーン・ペン)とクロス(タイ・シェリダン)の目の前に広がっていたのは、早産の現場だった。ドラッグの注射針を刺したままという壮絶な姿で気を失っていた女性は、陣痛に耐えられず痛み止めとして所有していたヘロインを使用。生まれた赤子は危険な状態となっていた。女性の解毒をしながら「HIV検査を受けたことは?」と尋ねるクロス。女性はHIV陽性だったが胎児への感染予防薬は服薬していないという。応援に駆けつけた同僚に現場を任せ、赤子の処置をしているラットの元へ駆けつけたクロスだが、すでに手を休めていたラットは、静かに「死産だ」と口にするのだった。

 昼夜問わずニューヨーク・ブルックリンの街を縦横無尽に駆け回り、人命救助に務める救急救命士のラットとクロスのバディ。毎回予想だにしない局面に立ち、決死の救助活動を行う彼らだが、出動によって患者が一命を取りとめることもあれば、つらい結果が待ち受けていることもある。さらには真摯に命と向き合う彼らの前で、命を軽んじる人々に出くわすこともある。そんな過酷な日々を過ごすラットとクロスが、最難関の救急現場に挑む姿が切り取られている。

 「アスファルト・シティ」は、ニューヨークのハーレムで働く救急救命隊を描いたスリラー。大学の医学部入学を目指すクロスは、勉学に励む一方で、新人救急救命隊員として働き始める。この界隈で最も腕が良いと評判のベテラン隊員ラットとバディを組み、実地で厳しい指導を受けるクロス。しかし、多種多様な犯罪、薬物中毒、移民やホームレスの終わりなき問題に直面し、自分の無力さに打ちのめされ苦悩する。そんな中、自宅で早産した女性の要請に応えるが、新生児への処置がクロスとラットの人生を大きく狂わせていく。

 腕利きのベテラン救急救命隊員のである主人公のラットを演じるのはショーン・ペン。オファーを受けた際は、監督やプロデューサーなど製作側に専念するため、もう役者はやらないと断ったペンだったが、最終的に本作が訴える現状への危機感に共鳴し出演を決意した。ラットの相棒となるもう一人の主人公・新人隊員のクロスをタイ・シェリダンが演じる。主演の二人は製作総指揮も兼任している。ほかに、キャサリン・ウォーターストーン、マイケル・ピット、マイク・タイソンらが出演している。

 監督は、カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」に出品された「ジョニー・マッド・ドッグ」や「暁に祈れ」など、バイオレンスをテーマに社会と人間のダークサイドに真正面から斬り込むジャン=ステファーヌ・ソヴェール。本作では、元救急救命隊員の作家が実話を基に執筆した小説を原作に選び、救いの物語を描き出した。

【作品情報】
アスファルト・シティ
2025年6月27日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
配給:キノフィルムズ
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