同性愛の”治療”として電気ショック受けるアリ研究者 不当にあらがう強い意志 「蟻の王」予告

映画スクエア

 2023年11月10日より劇場公開される、第79回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品された映画「蟻の王」の、予告編が公開された。

 予告編では、アルド(ルイジ・ロ・カーショ)とエットレ(レオナルド・マルテーゼ)が、互いに惹かれ愛し合いながらも、家族や法によって引き裂かれる様子が収められている。アルドが“教唆罪”に問われて法廷に立つ様子、エットレが“治療”と称した電気ショックを受ける姿など、愛を貫く2人が、不当にあらがう強い意志が描き出された映像となっている。

 「蟻の王」は、同性愛者の存在すら認められなかった時代に恋に落ちた、実在した詩人で劇作家のアルド・ブライバンティとその教え子を巡る史実「ブライバンティ事件」から着想を得て作られた作品。1960年代、イタリア・ポー川南部の街。詩人で劇作家、アリの生態研究者でもあるアルドは、教え子の若者エットレと恋に落ち、ローマでともに暮らし始める。しかしエットレの家族は二人を引き離し、アルドは“教唆罪”で逮捕、矯正施設に送られたエットレは同性愛の“治療”として電気ショックを受ける。裁判が始まり、取材を重ねる新聞記者エンニオは、不寛容な社会に声を上げる。

 アルドを演じたのはルイジ・ロ・カーショ。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞などの主演男優賞にノミネートされた。エットレ役は、本作が映画デビューとなる新星レオナルド・マルテーゼ。ヴェネチア国際映画祭では独立賞で新人賞2冠を受賞した。監督はジャンニ・アメリオ。

【作品情報】
蟻の王
2023年11月10日(金)公開 ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか
配給:ザジフィルムズ
©Kavac Srl / Ibc Movie/ Tender Stories/ (2022)

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