自閉症スペクトラムの息子と父の逃避行 旅の終わりに父が下す決断 「旅立つ息子へ」予告編公開

映画スクエア

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 自閉症スペクトラムの息子と、子育てに人生のすべてをささげた父の逃避行を描く映画「旅立つ息子へ」の、予告編が公開となった。

 公開された予告編は、逃避行の幕開けのシーンから始まる。愛する息子ウリを育てることに、人生のすべてをささげてきた父親のアハロン。ウリが成人になるのを機に、息子の将来を心配した別居中の妻は、全寮制の特別支援施設への入所を決めてしまう。ずっと父親と生きてきたウリは、突然告げられた別れを受け入れられない。悩んだ末にアハロンは、息子と2人きりの逃避行を決意する。後半では、すべてを言葉にしなくても、心で通じ合い、深い親子の絆で結びついてきた2人。後半では、息子の近くにいることが一番の愛情と思っていたアハロンが、旅の終わりにある決断をすることが描かれている。

 「旅立つ息子へ」の監督を務めるのは、イスラエルのニル・ベルグマン。母国イスラエルを舞台に、家族の姿を描き続けてきたベルグマンは、父親を失った家族の再生を描いた長編デビュー作「ブロークン・ウィング」と、大人になることを拒んだ少年を描いた2作目「僕の心の奥の文法」で、東京国際映画祭のグランプリを受賞。本作も、イスラエル・アカデミー賞で監督賞などを受賞する高い評価を得ている。 

 子ウリ役を演じた新人ノアム・インベルは、オーディションでこの役を勝ち取り、自然な姿で複雑なキャラクターを体現している。インベルの父親は自閉症スペクトラム施設の職員で、小さい頃から施設の友達と一緒に育った経験が、ウリ役への理解につながっているという。また、脚本を担当しているダナ・イディシスには自閉症スペクトラムの弟がおり、父親と弟の関係をモデルに物語が作り上げられている

旅立つ息子へ
2021年3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
配給:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

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