アイヌと和人の間で葛藤する青年の成長描く 主題歌は中島みゆきの「一期一会」 寛一郎主演「シサㇺ」予告

映画スクエア

 2024年9月13日より劇場公開される、寛一郎主演の映画「シサㇺ」の、予告編が公開された。また、主題歌が中島みゆきの「一期一会」となることが明らかになった。

 主人公の高坂孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助(三浦貴大)とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていた。師範の大川(緒形直人)の「松前藩士は蝦夷地に入って一人前だ」という言葉を胸に、交易の旅で初めて蝦夷地に向かう決心をした孝二郎は、兄、そして高坂家の使用人である善助(和田正人)を伴って北の大地に赴く。「兄上が一緒なら心配ない」と自信をのぞかせる孝二郎だったが、使用人・善助の不審な行動を見つけた栄之助が、善助によって殺害されてしまう。

 兄のかたき討ちを誓い、善助を追って森の奥深くへと向かった孝二郎だったが、追いかけた先ではアイヌの間で和人への反発の動きが高まっていた。そんな中、孝二郎は脇腹を刺され負傷してしまう。瀕死の孝二郎を救ってくれたのは、敵であるはずのアイヌの人々だった。孝二郎は、アイヌの人の優しさに触れ、和人とアイヌの間にある深い溝や真実を知ることとなる。孝二郎は、和人とアイヌの間で揺れ動く。

 主題歌に決まった「一期一会」は、2007年に発売された中島みゆきにとって40作目のシングル曲。初めて訪れるアイヌの土地で、そこに暮らす人々の異なる風習や文化に触れたことにより、己の人生を見つめ直してゆく主人公の心情が、楽曲の世界観に完全にマッチすることから、プロデューサーの熱い願いにより主題歌に決まったという。「一期一会」は予告編でも使用されている。

 「シサㇺ」は、アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。蝦夷(えぞ)地と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっている。町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えのもと、アイヌと和人が共生してきた認識を持つ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで町の全面支援・協力のもと製作されている。

 主演は「菊とギロチン」「せかいのおきく」「首」などの寛一郎。蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を演じている。脚本を手掛けたのは、阿部寛主演「結婚できない男」や連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などのドラマを手掛けてきた尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語のセリフを混在させながら、現代社会における”不寛容”が暴力へとつながってゆくプロセスを描き出している。監督は「タイムスクープハンター」やアニメ化された小説「ブルバスター」など、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之が務めている。

【作品情報】
シサㇺ
2024年9月13日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:NAKACHIKA PICTURES 
©映画「シサム」製作委員会

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