映画スクエア
新藤兼人賞を受賞した「JOINT」の小島央大監督と山本一賢が再タッグを組んだ、実際の報道から着想を得たオリジナル映画「火の華」が、2024年12月より劇場公開されることが決まった。
「火の華」は、元自衛官の壮絶な経験とその後の宿命を描いた作品。2016年、PKO(国連平和維持活動)のため南スーダンに派遣された自衛官の島田東介は、ある日、現地傭兵との銃撃戦に巻き込まれる。同期で親友の古川裕司は銃弾に倒れ、島田はやむなく少年兵を射殺する。退却の混乱の最中、隊長の伊藤忠典が行方不明となる。しかし、この前代未聞の“戦闘”は、政府によって隠蔽されてしまう。
それから2年後の新潟。悪夢に悩まされる島田は、闇の武器ビジネスに加わりながら、花火工場の仕事につく。親方の藤井与一や仲間の職人たち、与一の娘・昭子に支えられ、心に負った傷を少しずつ癒やしていく島田だったが、花火師の道に一筋の光を見いだした矢先、過去の闇が迫る。
日本伝統の花火をモチーフに、戦うということや平和の在り方、そして人間の本質までを問いかける作品となっている。
監督は、長編デビュー作「JOINT」で新藤兼人賞銀賞に輝いた小島央大。企画・脚本・編集・音楽までを手がける。主人公の島田を演じるのは、「JOINT」でも主演を務めた山本一賢。共同企画・脚本にも名を連ねる山本が、元自衛官の葛藤と再起を等身大で演じる。さらに、2人の盟友であるキム・チャンバが「JOINT」に続いてプロデューサー・出演者として参加している。島田を見守る昭子に柳ゆり菜、部隊で信頼を置かれていた伊藤隊長に松角洋平、島田に花火の哲学を手引きする親方・与一役に伊武雅刀、寡黙な花火職人にダンカンらが顔をそろえている。
登場する打ち上げ花火は、日本三大花火大会である長岡花火ほか、世界クラスで活躍する花火師の監修の元、すべて実写で撮影している。また、元自衛官やジャーナリストに数々の取材を行い、徹底したリサーチのもと、自衛隊や武器の世界も細部まで忠実に表現し、リアリティを追求したという。
小島央大監督と山本一賢のコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■小島央大(監督・編集・音楽/共同企画・脚本)
コロナが明けても、ヘイトと戦争が絶えず、世界に暗がりを感じるなかで、どうしてか、日本の花火というものに強く惹きつけられました。その理由にひたすら向き合っていたら、この映画が誕生しました。約2年間準備し、多くの方々とのご縁とスタッフ・キャストの絶えない努力で完成させた、人間のエネルギーが凝縮した完全オリジナルです。ぜひ劇場で体感してください。
■山本一賢(主演/共同企画・脚本)
2021年から準備してきた、我が子のような映画が完成、上映決定になりました。
戦争や平和、この国や人類について、馬鹿なりに真面目に考えて悩みました。
情熱的なスタッフ陣と共に作った宝物です。
是非、劇場にて熱い冬を感じて下さい。
【作品情報】
火の華
2024年12月 テアトル新宿、ユーロスペース、T・ジョイ長岡ほか全国公開
配給:アニモプロデュース
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