社会からこぼれ落ちた老夫婦のフィルムノワール 75歳監督が商業映画デビュー 「枯れ木に銃弾」公開決定

映画スクエア

 75歳にして初の長編映画監督デビューを果たす司慎一郎監督が、老人たちの視点でフィルムノワールを現代に更新する新ジャンル”シニア・ノワール”に挑んだ映画「枯れ木に銃弾」が、2026年2月20日より劇場公開されることが決まった。

 「枯れ木に銃弾」で描かれるのは、東京の下町で暮らす74歳の喜一郎と62歳の妻・あかねの物語。静かに貧しい老後を送っていた2人は、治療費で貯金を失い、社会からの冷遇と生活困窮の中で「価値のない人間」とまで言われて絶望する。最後の希望として、喜一郎とあかねは亡き父から受け継いだ猟銃を手に、富裕層の家を襲撃するが、計画は思わぬ惨劇へと変わる。逃亡の末にたどり着いたのは、かつていこいの場所だった銭湯だった。血まみれの体を洗い流し、もう一度「人間」として戻ろうとする2人だったが、運命は彼らに最後の選択を迫る。

 東京の下町で暮らす山西喜一郎を鷲田五郎が、妻・あかね役を田所ちさが演じる。司監督は本作を、単なる犯罪劇ではなく、“老人のためのノワール映画”として位置づけ、「シニア・ノワール」と名付けた。体力も衰え、社会からも遠ざけられた老人たちが、それでもなお人生と向き合い、“花を咲かせようともがく姿”を、フィルムノワールの文法で描き出す。

【作品情報】
枯れ木に銃弾
2026年2月20日(金)シモキタ ‒ エキマエ ‒ シネマ K2ほかロードショー
配給:スウィムインユニバース
©ビジョンワン

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