過酷な運命によって絆が引き裂かれていく偽りの姉弟 ダルデンヌ兄弟監督作「トリとロキタ」予告

映画スクエア

 2023年3月31日より劇場公開される、カンヌ映画祭のパルムドールを2度受賞しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作「トリとロキタ」の、ショート予告が公開された。

 ショート予告では、トリとロキタの2人がドラッグの運び屋として金を稼ぐ姿や、ロキタが目隠しをして連れていかれる姿などが映し出されている。「ビザがあれば働けるのに」と嘆くロキタと、「僕が守る」とロキタに寄り添うトリ。「2人に生き抜く道はあるのだろうか」のナレーションとともに、過酷な運命によって互いを思いやる絆が引き裂かれていく2人の姿が描き出されている。

 「トリとロキタ」は、アフリカからベルギーのリエージュへ流れ着いたトリとロキタの物語。トリはまだ子どもだがしっかり者。10代後半のロキタは、ビザがないために正規の職に就くことができない。祖国にいる家族のために、ロキタはドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。偽りの姉弟として生きるふたりは、どんなときも一緒。年上のロキタは社会からトリを守り、トリは時おり不安定になるロキタを支える。そしてロキタは、偽造ビザを手に入れるために、さらに危険な闇組織の仕事を始める。他に頼る者のいないふたりの温かな絆と、それを断ち切ろうとするかのような冷たい世界が描かれる。

 ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟は、パルムドール大賞と主演女優賞をダブル受賞した「ロゼッタ」以降、全作品がカンヌのコンペに出品されている映画監督。本作では、彼らの代名詞とも言える、BGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に、先の読めないサスペンスが加わり、第75回カンヌ国際映画祭では75周年記念大賞を受賞している。トリを演じたパブロ・シルズ、ロキタを演じたジョエリー・ムブンドゥは、ともに演技初経験ながらも、本年度のヨーロピアンシューティングスターに最年少で選出されるなど、高く評価されている。

【作品情報】
トリとロキタ
2023年3月31日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー
配給:ビターズ・エンド
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