「オッドタクシー」タッグによる男の愛の物語 死にかけのヤクザが起こす大逆転 「ホウセンカ」公開決定

映画スクエア

 オリジナルテレビアニメ「オッドタクシー」を手掛けたクリエイタータッグ・木下麦(監督・キャラクターデザイン)と此元和津也(原作・脚本)と、「映画大好きポンポさん」「夏へのトンネル、さよならの出口」などの制作スタジオ「CLAP」によるオリジナルアニメ映画「ホウセンカ」が、2025年秋に劇場公開されることが決まった。

 「ホウセンカ」で描かれるのは、ある男の愛の物語。独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人は、人の言葉を操るホウセンカから、「ろくでもない一生だったな」と声を掛けられる。“会話”の中で、老人は自身の過去を振り返り始める。そんな死にかけのヤクザが起こす大逆転が描かれる。

 主人公の男・阿久津実の過去と現在をそれぞれ演じるのは「深夜食堂」シリーズなどの小林薫と、「だが、情熱はある」「スオミの話をしよう」「虎に翼」など多くの話題作に出演し、本作が声優初挑戦となる戸塚純貴。阿久津のパートナー・永田那奈の声を満島ひかりと宮崎美子が担当する。言葉を話すホウセンカの声を務めるのはピエール瀧。音楽を、バンド「cero」が担当する。

 小林薫、戸塚純貴らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■小林薫
阿久津役は、ピエールくんと二人のみでの収録でした。終えて家に帰っても切替えられず、頭の中もボーとしてえらく疲れていた のを覚えています。 翌実の収録でピエールくんにその事を話すと、彼は収録地の赤坂から渋谷までなんと歩いて帰ったそうです。彼なりのクールダウンだったと思います 。そんな充実感と疲労、感動の入り混じった収録でありました。

■戸塚純貴
幸せだったと心から言える自分の人生であってほしいと思わせてくれる『ホウセンカ』。
人間臭い阿久津実がとても愛おしくて、アニメーションによって彩られる彼の世界には最後のシーンまで感動しきりでした。
深いことは考えず目の前にいる不器用でまっすぐで人情深い阿久津に身を委ねました。小林薫さんの声色や感情の機微から若かかりし阿久津を想像して、丁寧に言葉を伝えてくれる満島ひかりさんとは本当に⼼を通わせた気持ちになりながら収録させていただきました。
声優に不慣れな自分は完成を見るのが少し不安でしたが、それを忘れさせてくれる感動がありました。
皆様に早く届いてほしい、是非観ていただきたい映画です。

■満島ひかり
胸がきゅっとなる作品でした。
ちょっと渋くて、チャーミングなお話をみて
「愛した記憶があるから私は寂しくないの」と言ったある先輩のすてきな言葉を思い出しました。
物語の主人公・阿久津さんの静かで不器⽤なもの語りも派手では無いけど、とってもすてきでした。
同じく不器用で魅力的な、那奈を演じられて嬉しかった。

■宮崎美子
異世界に転生でもしないかぎり人は今ここで自分にできることに命をかけるしかないから、こんな風に愛されたら、精一杯生きていこうという気持ちになる。信じる、託す、前を向く。できることは少なくても、人は皆そうやって命をつないで来たのだから。

■ピエール瀧
そこにいるのか。
本当はいないのか。
喋るホウセンカという不思議なキャラクターの声を担当させていただきました。
小林薫さんと2人きりのアフレコという贅沢な時間を体験させていただいたことに感謝です。

■木下麦(監督・キャラクターデザイン)
空の青さの美しさとは、日を浴びた葉の色の美しさとは、人を想う意義とは。美と儚さと幸せの価値観とそれが人に与える影響を改めて見つめ直し、揺れ動く生活の中で生きる生き物の底力を、原点に立ち帰る気持ちで表現しました。沢山の人に観ていただきたいです。

■此元和津也(原作・脚本)
報われない人生にも、祈る自由はある。それが届くかどうかはわからないけれど、それでも信じてみたくなった。『ホウセンカ』は、帰る場所をなくした男と恋人の空白へ、その花が静かに割って入り、止まった言葉を芽吹かせる物語です。この花が咲くまでには、幾つもの沈黙と、たったひとつの祈りがありました。長い沈黙と祈りの先で灯る小さな確信が、あなたの胸にもそっと種を落とすことを願います。

【作品情報】
ホウセンカ
2025年秋公開
配給:ポニーキャニオン
©此元和津也/ホウセンカ製作委員会

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