ナチ派市民によるデモ行進 ナチス進駐直前のウィーン 「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」本編映像

映画スクエア

 2023年7月21日より劇場公開される、シュテファン・ツヴァイクの小説「チェスの話」の映画化作「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」から、エキストラ180人が参加した大規模な“ナチ派市民によるデモ行進”シーンの、本編映像が公開された。

 ナチスがオーストリアに進駐する直前のウィーン。公証人を務める主人公ヨーゼフと彼の妻アンナの乗る車が、ドイツ軍を支持する市民で埋め尽くされた街をゆっくりと進んでいる。不安そうに車窓を見つめるアンナは「今日は多いわね、正気を失ってるみたい」とつぶやく。だがヨーゼフは「日曜にも騒ぎは終わる」とあまり深刻に受け止めていない様子を見せる。しかし外を歩く市民たちの声は興奮を増していき、やがて“資産家を倒せ”“ユダヤ人を追い出せ”といった旗を掲げた群衆に取り囲まれて車は立ち往生してしまう。群衆にはナチス式の敬礼を見せる者さえおり、異様な空気に包まれる。

 このシーンは、およそ180人のエキストラが参加した本作のなかでも最も大規模なシーンで、実際のウィーン市庁舎の真裏で撮影された、本作のプロデューサーは「人前でナチスのシンボルを見せることは法律的な面でも複雑で、ウィーン市警察本部長の特別許可が必要だったんだ。180人が行進し、当時の歌を歌い、「ハイル・ヒトラー」と叫んだ時には、悪寒が背筋を走ったよ。もちろん、その一方で本作にとっては素晴らしいものだった。本物さながらだったからね」と撮影を振り返っている。

 「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」は、ヒトラーの命令で監禁された公証人が、1冊のチェス本を武器にナチスとの心理戦に挑むサスペンス映画。オーストリアの作家であるシュテファン・ツヴァイクの「チェスの話」を原作に、木村拓哉出演の海外ドラマ「THE SWARM」で共同監督を務めたフィリップ・シュテルツェルが監督。「帰ってきたヒトラー」でヒトラー役を演じたオリヴァー・マスッチがヨーゼフ役を務めている。

【作品情報】
ナチスに仕掛けたチェスゲーム
2023年7月21日(金)シネマート新宿他全国ロードショー
配給:キノフィルムズ
© 2021 WALKER+WORM FILM, DOR FILM, STUDIOCANAL FILM, ARD DEGETO, BAYERISCHER RUNDFUNK

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