ろう者と聴者のすれ違い それぞれが抱く異なる疎外感 繊細に描く 「幸せの、忘れもの。」公開決定

映画スクエア

 第55回ベルリン国際映画祭で観客賞とアート・シネマ賞を受賞した映画「幸せの、忘れもの。」が、2026年5月1日より劇場公開されることが決まった。

 「幸せの、忘れもの。」は、聴こえない世界に生きるアンヘラと、優しく寄り添う夫エクトルを描いた作品。2人は、手話というかけがえのない言葉で心を通わす。アンヘラは陶芸工房で働き、優しい土の匂いと仲間たちにも見守られ、静かで平穏な日々を過ごしていた。しかし、ある“幸せな出来事”を境に、何かが少しずつ揺らぎ始め、やがて再び“疎外の世界”に引き戻されるてしまう。

 監督を務めるのはエバ・リベルタ。劇作家、社会学者の顔も持ち、そのキャリアは本作にも多大な影響を及ぼしている。主演のミリアム・ガルロは、ろう者の俳優で、監督の実の妹。監督は「きっと私たちは、一生をかけてこの映画を準備してきた」と語り、本作には監督と妹自身の長年の実体験が色濃く反映され、研ぎ澄まされたリアリティが宿っているという。ろう者と聴者とのわずかなすれ違い、それぞれが抱く異なる疎外感が、繊細で絶妙な演出で描き出されている。

【作品情報】
幸せの、忘れもの。
2026年5月1日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国公開
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
© 2025. Distinto Films SLU, Nexus Creafilms SL, A Contracorriente Films SL, Diverso Films AIE

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