映画スクエア
2025年11月14日より劇場公開される、君嶋彼方による同名小説の映画化作「君の顔では泣けない」から、入れ替わった陸(芳根京子)とまなみ(髙橋海人)が経験する、人生の大きなターニングポイントとなる結婚・出産のシーンを切り取った場面写真が公開された。ウェディングドレスを着て幸せな笑顔を見せる陸、そして妊娠中に不安な表情で母親と病室で会話をするシーン、その妊娠を報告する電話の陸とまなみの姿が切り取られている。
まなみの体で生きることに少しずつ慣れてきた陸(芳根京子)は、蓮見涼(前原滉)と出会い、結婚するという大きな決断をする。誰にも言えない秘密を抱え、時にふさぎ込んでしまいそうになる時にも、常に献身的に支えようとする涼の優しさに、少しずつ惹かれていった陸。彼からの真っすぐなプロポーズを受け入れ、一生の愛を誓い合い生きていく中で、妊娠。そして出産を迎えることとなる。新たな家族を迎える喜びもある中、入れ替わったまなみの体ごと危険にさらす可能性もある出産に直面する陸。そんな現実に対して大きな不安に駆られた陸は、意を決してまなみに電話で思いを伝えることに。久しぶりの陸からの着信に、少しばかり気持ちをこわばらせながら携帯電話をとったまなみは、言い表すことのできない、複雑な感情を堪えながら気丈に振る舞おうと声を絞り出す。
感情的になる場面であふれ出す想いの強弱のバランスを繊細に表現した芳根。場面写真でも切り取られている、まなみに電話をかけるシーンは特に思いが強く、坂下監督から見れば1テイク目で完璧だったが、芳根から「もう1回やらせてください」と志願したほどだったという。さらに、髙橋演じるまなみが報告の電話を受け取るシーンは、本作の全体クランクアップのタイミングで、本編撮影の最後となった。髙橋は高い集中力を発揮し、心に積もった複雑な感情のグラデーションを繊細な表現で演じ切った。
「君の顔では泣けない」は、第12回「小説 野性時代 新人賞」を受賞した、君嶋彼方によるデビュー作。物語の始まりは、高校1年生の夏。坂平陸と水村まなみは、プールへ一緒に落ちたことがきっかけで、心と体が入れ替わってしまう。元に戻れることを信じ、その方法を模索し奔走する2人。しかし、誰にも言えない秘密を抱えた陸とまなみは、15年が経過しても元には戻らなかった。進学、初恋、就職、結婚、出産、親との別れと、人生の転機を入れ替わったまま経験していく2人。しかし30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。
芳根京子が、入れ替わったあとの坂平陸役で主演。髙橋海人が陸と入れ替わってしまう水村まなみ役を務める監督は、「決戦は日曜日」の坂下雄一郎が務める。
【作品情報】
君の顔では泣けない
2025年11月14日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会