映画スクエア
火山パニック・アクション超大作「ボルケーノ・パーク」のサイモン・ウェスト監督のインタビューが編集部に到着した。「コン・エアー」「トゥームレイダー」「エクスペンダブルズ2」などの大ヒットアクション映画を手がけてきたサイモン・ウェスト監督にとって初となるディザスター映画(災害映画)について、初めて中国の作品を手がけたことなどについて語った。
「ボルケーノ・パーク」は、活火山を間近で感じられる未体験のスリルが楽しめる世界初の火山テーマパーク「天火島リゾート」を舞台に、迫り来る火砕流や降り注ぐ火山弾によって、孤島のテーマパークが地獄と化すという内容。数々の受賞歴を持つ中国の演技派俳優ワン・シュエチーが主演を務め、「スカイスクレイパー」の女暗殺者役でドウェイン・ジョンソンと対決したハンナ・クィンリヴァンがヒロインを演じる。主題歌には、人気ミュージシャンのジェイ・チョウが起用されている。
--『ボルケーノ・パーク』は、あなたにとって最初の災害映画ですね。通常、あなたが作るアクション映画とどう違いますか?
災害映画の場合、災害を背景として良い人間関係を描き出さないといけないんだ。観客は、危険な状況に置かれている人々に対して関心があってこそ、そこで展開するアクションを見たいと思うものだ。だから、本作の中心にあるのは父親と娘の関係で、とても強い絆があって感情に訴えるんだ。炎が燃えさかるし、火山も爆発するし、車が溶岩に追いかけられたりするんだけど、中心にあるのは、人の心を揺さぶる家族の物語なんだ。だから、災害映画というと、炎が炸裂するスリル満点なものを創造するけど、その中に素晴らしい人間模様があってこそ楽しめるんだよ。
--外国語の映画を監督してみて、いかがでしたか?
外国語で仕事をするのはかなり苦労するだろうと思っていた。でも思ったほど大変ではなかった。なぜなら、感情というのは言語を超えるし、アクションも同様だから。ワクワクするような内容ならば、言語にかかわらずワクワクするし、感情に訴えかける内容ならば、言語に関係なく、感動する。中国語の映画の監督は、思ったより簡単だったよ。とても経験のある有能な俳優たちで、感情がうまく表現されていることがよくわかる。セリフも、僕には英訳文があったから、どんなセリフかわかる。でも細かい部分に関しては、すばらしいアシスタントたちや通訳の人たちの助けを借りて、感情や態度の微妙な違いを演出した。でも英語を話せる俳優たちとは、直接、話しができたから助かった。大体は、シーンに関して最初に僕が英語で説明して、それから彼らのそのシーンに対する理解と、どんな演技をするかを僕に英語で話して、その後で、彼らが中国語で演技した。中国語しか話さない俳優の場合は、通訳を通して同じ会話をした。時間はかかるけど、実際にはそんなに大変じゃないんだよ。
--中国語の映画作品に関わるようになったきっかけは?
とてもエキサイティングなきっかけだった。中国の映画産業は今、急速に発展していて、それ自体がとてもエキサイティングなんだ。こういう急成長を遂げている産業に関わるのはいつの時にも楽しい。欧米の業界はマンネリ化していて、少し低迷しているところがあるから、あまり期待されていないんだ。でも、ここ中国の映画産業に関しては期待が大いに高まっている。だからその産業や、偉大な映画を作ることに対してみんなが情熱を傾けている環境で仕事ができるのは、最高の気分なんだよ。
--中国の映画業界に関心を抱いている外国の映画製作者たちにアドバイスはありますか?
ハリウッドでの仕事と、とても似ているよ。でも違いは、さっきも言ったように、関わる人々から感じられる熱意とエネルギーだ。だから、欧米の映画監督には、ぜひここにきて仕事をするように勧めたい。自分の仕事ができることをとても喜んでいる人たちと一緒に仕事ができるわけだからね。彼らは、映画製作に携われることを恵まれていると考えているんだ。映画産業で働けることは特権で、中国の制作スタッフや俳優たちは、それを実感している。自分の仕事に対して感謝の気持ちがあるんだよ。そういう人たちの近くにいられることは素晴らしいことなんだ。欧米の監督にとって、そういうポジティブな環境で働くのはとても健全なことだと思う。
--中国で独自の原作コンテンツ(IP)を開発することは、アメリカより簡単ですか?
ああ、世界中にあらゆる原作コンテンツが存在していて、アメリカの原作コンテンツの多くはもうよく知られている。だから、ここに来て、新しい原作コンテンツに触れられてとても新鮮だ。中国の観客は、本やグラフィック・ノベル、あるいは前の映画作品とかで知っているかもしれないが、僕にとっては新しい。だから、全く新しい素材の宝庫なんだよ。
ボルケーノ・パーク
11月20日(金)より、全国ロードショー
アルバトロス・フィルム配給
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