芳根京子が「2度と言いたくない」というセリフとは? 「君の顔では泣けない」本編映像

映画スクエア

 君嶋彼方による同名小説の映画化作「君の顔では泣けない」(公開中)から、陸(芳根京子)とまなみ(髙橋海人)が感情をぶつけあうシーンの、本編映像が公開された。

 15歳から入れ替わった人生を過ごしてきたふたりは、誰にも言えない秘密を抱えながらもお互いを励まし合い、互いの体で様々なライフイベントを経験していく。苦しい時にも、つらさやいら立ちをぶつけることはせず明るく振る舞うまなみに、いつしか支えられていた陸だったが、陸の“本当の”父親が亡くなってしまうことで、これまでどこにも吐き出せなかった気持ちがあふれ出してしまう。自らの父親を本当の姿でみとることができず、一番つらい時に母親に寄り添うこともできない。本当の息子であるにも関わらず、他者として接する母親は、まなみと肩を寄せ合って悲しみを共有していた。そんな状況に耐えきれない陸は、「本当の坂平陸は俺だ」ということを家族に伝えたいとまなみに言い出す。

 公開された映像では、そんなやけくそにも思える陸の提案から、2人が初めてお互いの感情をぶつけ合う様子が収められている。冷静になってやめたほうがいいと伝えようとするまなみだが、「幸せそうに生きてるやつには分からない」と陸が攻撃的に畳みかけられたことで、まなみも「坂平くんは私の人生に関わろうとしすぎなんだよ」と言い返す。そしてついに、陸が「ショックだわ。“運命共同体”みたいなもんじゃないの、俺ら」「お前さ、元に戻る気ないだろう?」と踏み込んだ冷たい言葉を放つと、まなみは「戻りたくないわけないでしょ」と感情をあらわにする。そして、陸の「俺の顔で情けなく泣かないでくれる?」というセリフで映像は終わる。

 まなみが発する「戻りたくないわけないでしょう」のセリフは、感情がたかぶてて言葉に詰まったテイクがあえて本編に使用されている。坂下監督は「よりリアルに感じた」とこのシーンの髙橋を絶賛。また、印象的な「俺の顔で情けなく泣かないでくれる?」と冷たく突き放すような言葉について芳根は、「2度と言いたくない」と思ったと明かしている。

 「君の顔では泣けない」は、第12回「小説 野性時代 新人賞」を受賞した、君嶋彼方によるデビュー作。物語の始まりは、高校1年生の夏。坂平陸と水村まなみは、プールへ一緒に落ちたことがきっかけで、心と体が入れ替わってしまう。元に戻れることを信じ、その方法を模索し奔走する2人。しかし、誰にも言えない秘密を抱えた陸とまなみは、15年が経過しても元には戻らなかった。進学、初恋、就職、結婚、出産、親との別れと、人生の転機を入れ替わったまま経験していく2人。しかし30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる。

 芳根京子が、入れ替わったあとの坂平陸役で主演。髙橋海人が陸と入れ替わってしまう水村まなみ役を務める。監督は、「決戦は日曜日」の坂下雄一郎が務める。

芳根京子が「2度と言いたくない」というセリフとは? 「君の顔では泣けない」本編映像

【作品情報】
君の顔では泣けない
2025年11月14日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(c)2025「君の顔では泣けない」製作委員会

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