150作品のおすすめのオールタイム日本映画&外国映画を、映画スコア(※)順に150位からランキング形式で紹介します(2021年8月26日現在)。古今東西の作品が網羅された内容となっています。
自分の好きな作品がランクインしているかをチェックするもよし、まだ見ていない作品にチャレンジしてみるもよし。みなさまの映画ライフが少しでも豊かになる一助になればうれしいです!
※映画スコア・・・「映画スクエア」ユーザーの採点や、国内外の映画サイトの評価を元に、独自に算出した10点満点の指標。
映画スコア 8.13
シェールとクリスティーナ・アギレラが主演したミュージカル。ロサンゼルスの「バーレスク・ラウンジ」を舞台に、経営者のテスや、ウェイトレスとして働き始めたアリたちの姿を描く。
歌手になる夢を持ってアイオワからロサンゼルスに出てきたアリ。テスの経営する「バーレスク・ラウンジ」の華やかな舞台に感激したアリは、頼み込んでウェイトレスとして働かせてもらうことになる。やがてステージで歌声を披露してテスに認められたアリは、歌手としての才能を開花させていく。
テスをシェールが、アリをクリスティーナ・アギレラが演じている。ゴールデン・グローブ賞では「作品賞(コメディ/ミュージカル)」にノミネートされ、歌曲賞を受賞した。
映画スコア 8.13
ジェイムズ・エルロイの原作をカーティス・ハンソンが映画化した作品。ギャングによる激しい抗争が繰り広げられていた1950年代のロサンゼルスを舞台に、刑事殺しを追う刑事たちを描く。
刑事を含む6人が殺害される事件が起こる。被害者の刑事の相棒だったバド、悪徳警官のジャック、殉職した刑事を父に持つエドたちが、ぶつかり合いながらも事件を追う。警察内部の汚職も絡み、捜査は思わぬ展開を見せる。
バドを演じたラッセル・クロウとエドを演じたガイ・ピアースにとって、本作が出世作となった。アカデミー賞では作品賞を含む9部門にノミネート。娼婦を演じたキム・ベイシンガーが助演女優賞を受賞したほか、脚色賞も受賞した。
映画スコア 8.13
少女の連続殺人事件を描いたフリッツ・ラング監督作。ラングの妻であるテア・フォン・ハルボウが脚本を担当している。ハルボウは、これまでも「メトロポリス」(1927)などのラング監督作の脚本を担当してきた。当初のタイトルは「殺人者は私たちの中にいる」だったが、「M」に変更された。ナチスの迫害を恐れたとも言われているが、ラングによると「M」の方が興味深いタイトルと考えたためだという。だが、公開された映画は、ナチスによって1934年に上映禁止となった。
1929年に発生した、「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれたペーター・キュルテンによる殺人事件から発想を得たとも言われているが、ラングは否定している。
映画スコア 8.13
30代後半の4人の女性たちを主人公に、どこにでもいる普通の女性たちが抱える不安や悩みを描いた作品。濱口竜介監督が、演技経験のない4人の女性たちを起用し、5時間17分の大作として仕上げた。
30代後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人。なんでも話せる親友同士だと思っていた4人だったが、純は離婚調停中であることを隠していた。純の秘密を知った3人は動揺し、それぞれの人生を動かすきっかけとなっていく。4人は有馬温泉へと旅行に出かけて楽しい時間を過ごすが、純は胸に決意を秘めていた。
演技経験のなかった4人の女性たちは、ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画の3位に選ばれるなど、高い評価を獲得した。
映画スコア 8.13
1980年代に台湾ニューシネマの旗手として注目を集めたエドワード・ヤン監督が生前に完成させた最後の作品。台湾で暮らす少年とその家族の生活を中心に、普通の家庭で暮らす人々のなかにある悩み、悲しみ、喜びなどを瑞々しい映像で紡ぎ出していく。
両親、姉、祖母と台北で暮らす8歳の少年ヤンヤン。祖母が脳卒中で倒れ、母は宗教にハマってしまい、父は再会したかつての恋人に心惹かれていく。平凡だった日常が徐々に揺らぎ始めていくなか、ヤンヤンはある少女に恋をする。
カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したほか、全米批評家協会賞の作品賞を受賞するなど高い評価を得た。
映画は台湾と日本の合同で製作された。台湾のほか東京も物語の舞台として描かれており、日本人のゲームソフトデザイナー役でイッセー尾形が出演している。日本公開時の予告編の演出を岩井俊二が担当している。
映画スコア 8.14
実在のイギリス陸軍将校であるトマス・エドワード・ロレンスを描いた伝記映画。デヴィッド・リーンが壮大なスケールで映画化し、ピーター・オトゥールがロレンス役を演じた。ほかに、アレック・ギネス、アンソニー・クイン、オマー・シャリフらが出演している。
20世紀の初頭、エジプトに派遣されていたロレンスは、トルコの圧政下にあったアラビアで、トルコからの独立を目指すファイサルと会う。やがてロレンスは反乱軍を指揮してトルコ軍を破る活躍を見せるが、アラブ人同士の争いや国同士の政治的な駆け引きに巻き込まれていく。
アカデミー賞では10部門にノミネートされ、作品賞や監督賞など7部門を受賞。後年でも高い評価を得ており、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が1998年に選出した「アメリカ映画ベスト100」では5位に選出されている。
映画スコア 8.14
「新たなる希望」「帝国の逆襲」に続く「スター・ウォーズ」シリーズ3作目。ジョージ・ルーカスが製作した6部作の「エピソード6」にあたる。劇場公開時や、特別篇公開時までのタイトルは「ジェダイの復讐」だったが、DVD化の際に改題された。
ルークと父ダース・ベイダーとの関係や、反乱同盟軍と帝国との戦いに決着がつく。また、ハン・ソロとレイアは関係を深める。森の惑星エンドアの原住生物イウォークの活躍も描かれる。
「新たなる希望」「帝国の逆襲」に引き続き、大ヒットとなる。ジョージ・ルーカスは、アナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーとなるまでを描いた新3部作を1999年からスタートさせる。
映画スコア 8.14
ヴィクトル・ユゴーの小説を元にしたミュージカルの映画化作。ミュージカルは1985年にロンドンで初演され、以後世界中で上演された。ミュージカルを製作したキャメロン・マッキントッシュが、映画版の製作の1人として名を連ねている。
ミュージカルで使われた曲が映画でも使われている。また、映画のオリジナル曲として「サドンリー」が追加されている。ミュージカル版の初演でジャン・バルジャンを演じたコルム・ウィルキンソンが、司祭役で映画版にも出演している。
高く評価され、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で作品賞と主演男優賞(ヒュー・ジャックマン)を受賞し、アン・ハサウェイが助演女優賞を受賞した。アカデミー賞では、作品賞を含む7部門にノミネートされ、助演女優賞(アン・ハサウェイ)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、録音賞を受賞した。興行的にもヒットし、全世界で4億4千万ドル以上の興行収入を上げた。日本でも、58億円以上の興行収入を上げた。
映画スコア 8.14
偶然出会った男女が恋に落ちていく14時間の過程を描いたロマンチック・コメディ。監督はリチャード・リンクレイターで、ベルリン国際映画祭の銀熊賞(監督賞)を受賞した。2004年には二人のその後を描いた続編映画「ビフォア・サンセット」が、2013年には3作目となる「ビフォア・ミッドナイト」が公開された。
アメリカ人青年のジェシーは、ヨーロッパ旅行中の長距離列車の中で出会ったフランス人の大学生セリーヌと意気投合。自分が降りる予定のウィーンにセリーヌを誘い、アメリカ行きの飛行機が出発するまでの14時間を二人で共に過ごすことになる。
ジェシー役のイーサン・ホークはその後もたびたびリチャード・リンクレイター監督の作品に出演している。また、続編の「ビフォア・サンセット」公開に合わせて発売されたDVDでは、タイトルが「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」に変更されている。
映画スコア 8.14
ディズニーの大ヒットアニメーション映画。アフリカの大平原を舞台に、父を殺されたライオンの王子が成長し故郷の王国に平和を取り戻していく物語。エルトン・ジョンが手がけた主題歌「Can You Feel the Love Tonight(愛を感じて)」がアカデミー賞の歌曲賞を受賞し、映画のサントラも人気となった。
動物たちの王国を治める偉大なライオンの王ムファサは妻サラビとの間に王子シンバを授かる。ムファサの弟スカーは自分が王になるため、ハイエナたちと手を組んでムファサとシンバを亡き者にしようと企てる。スカーの罠にはまったシンバを助けようとしたムファサは崖から落ち、命を落としてしまう。
アメリカでの興行収入は3億1,200万ドルを超え、1994年公開作の映画では「フォレスト・ガンプ/一期一会」に次いで2位。日本でも配給収入が約20億円となる人気を博した。アカデミー賞では作曲賞、歌曲賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞では作品賞(コメディ・ミュージカル部門)、作曲賞、主題歌賞を受賞した。
シンバの父王ムファサの声を演じたジェームズ・アール・ジョーンズは、「スター・ウォーズ」でダース・ベイダーの声を演じていることでも有名。2019年にはフルCGでリメイクした超実写版の「ライオン・キング」が公開され注目を集めた。
映画スコア 8.14
アルフレッド・ヒッチコックが監督したサイコ・スリラー。
上映にあたり、ヒッチコックは「途中入場の禁止」「ストーリーの口外禁止」を訴えた。劇場ではヒッチコックが吹き込んだ録音テープが流され、ヒッチコックのダンボールで作られた立て看板が置かれた。こうした手法が話題を呼び、ヒットの要因の1つとなった。興行的には大ヒットとなり、約80万ドルの予算に対して、5,000万ドルの興行収入をあげた。
アカデミー賞の助演女優賞(ジャネット・リー)、監督賞、撮影賞(白黒)、美術監督・装置賞(白黒)にノミネートされたものの受賞は逃した。ショッキングな内容もあり、公開当時の評価は賛否あったが、時代を経るにつれて評価は高まり、現在ではヒッチコックの代表作の1つとされている。1992年には、アメリカ国立フィルム登録簿に新規登録された。
映画スコア 8.14
ニューヨークを訪れた時に強いインパクトを受けた監督のフリッツ・ラングが巨大都市についての映画を着想し、妻で脚本家のテア・フォン・ハルボウが脚本を書き上げた作品。多額の製作費がかけられ、未来都市はミニチュアを駆使して作り上げられた。SF映画の古典として高く評価されている。 。
富裕層と労働者の階級差が大きい社会が描かれる。富裕層の人々は地上で繁栄を謳歌する一方で、労働者は地下で重労働にあえいでいる。マリアは両者を取り持つ「媒介者」が現れると説き、メトロポリスの支配者であるフレーダーセンの息子フレーダーが媒介者の役割を果たすことになる。
フィルムは散逸してしまい、さまざまなバージョンが存在している。1984年には、「メトロポリス」の熱狂的ファンである作曲家のジョルジオ・モロダーが、世界中から集めた「メトロポリス」のフィルムに自作の曲をつけたバージョンが公開された。
映画スコア 8.14
1935年に発表された反戦小説、ハンフリーコップの「栄光への小径」を映画化した作品。商業的な成功が難しい内容だったが、当時すでにスター俳優であったカーク・ダグラスのプロダクションへキューブリックが脚本を持ちかけたことにより実現され、タッグを組んで製作された。撮影に何度もリテイクを重ねた、完璧主義のキューブリックらしいエピソードも残されている。
第一次世界大戦のなか、フランス軍はドイツ軍を撃退するために「アリ塚」と呼ばれる要所を攻略するよう、七〇一歩兵連隊に指令を下す。無謀な作戦ゆえに失敗した彼らに待ち受けていたのは、理不尽な軍法会議だった。
キューブリックが製作途中に脚本を変更しようとしたことで、カーク・ダグラスとの間に微妙な軋轢が生まれたとも言われている。また、ラストシーンで歌を歌うクリスティアーヌ・ハーランは、後にキューブリックと結婚した。
映画スコア 8.14
巨匠ビリー・ワイルダーが、I・A・L・ダイアモンドと共同執筆したシナリオを映画化したロマンティック・コメディ。ニューヨークで働く一人のサラリーマンの恋模様や悲哀をユーモラスに描いたワイルダー監督の代表作。
ニューヨークの保険会社で働くバクスターは、出世のために、上司たちが浮気をする場として自分のアパートの部屋を貸していた。ある日、人事部長のシェルドレイクにも部屋を貸すことになったが、彼の相手は、バドが想いを寄せていたエレベーター・ガールのフランだった。
アカデミー賞では5部門を獲得。ビリー・ワイルダーは作品賞、監督賞、脚本賞に輝き、1作品で3部門を受賞した初めての人物となった。
バクスター役にはワイルダー監督作品の常連ジャック・レモン、フラン役にはヒッチコックの「ハリーの災難」に出演したシャーリー・マクレーンが起用された。2人はアカデミー賞主演男優賞、アカデミー賞主演女優賞にそれぞれノミネートされ、マクレーンはヴェネツィア国際映画祭で女優賞を獲得した。
映画スコア 8.15
集団ヒステリーに陥った人々から理不尽な迫害を受ける男の運命を描く人間ドラマ。「光のほうへ」のトマス・ヴィンターベアが監督を務めた。
デンマークの小さな町で、息子と暮らす幼稚園教師のルーカス。ある日、友人の娘であるクララがほんの出来心でついた嘘によって、彼は「変質者」とされてしまう。やがて、職や友人を失い、息子にまで危害が及ぶ事態に。どん底に落ちるルーカスは、ひたすら耐え続けるのだが……。
カンヌ国際映画祭でマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞したほか、アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされた。
主人公のルーカスを演じたマッツ・ミケルセンは“北欧の至宝”と呼ばれる実力派俳優。「007 カジノ・ロワイヤル」ではジェームズ・ボンドの敵役を演じ、2020年公開のトマス・ヴィンターベア監督作「アナザーラウンド」では再び主役を務めた。
映画スコア 8.15
北の海に暮らすバイキングとドラゴンの間に生まれた、友情と成長の物語。「シュレック」で有名なドリームワークスによるアニメ作品で、「リロ・アンド・スティッチ」のディーン・デュボアとクリス・サンダースが監督を務める。原作はクレシッダ・コーウェルによる同名の児童文学。映画はシリーズ化し、5年後の世界を描いた「ヒックとドラゴン2」、さらに1年後の世界を描いた「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」がある。
バーク島に住むバイキングのヒックは、族長の息子でありながら非力で気弱な落ちこぼれ。村を守るためにドラゴンと戦う宿命があるものの、なかなか役に立てない。そんな中、ドラゴンの中でも手を出してはいけないと言われる、伝説のフューリー族のドラゴンを捕らえる。
アカデミー賞の長編アニメ映画と作曲賞にノミネート。アニメのアカデミー賞といわれるアニー賞では、長編作品賞をはじめ、ノミネートされた10部門すべてで受賞を果たした。
続編となった「ヒックとドラゴン2」はゴールデングローブ賞のアニメ映画賞を受賞するも、日本では公開されず、署名運動の末に記念公開された。また、映画以外にテレビアニメでのシリーズがある。
映画スコア 8.15
ブロードウェイの舞台劇「アマデウス」を映画化した作品。「カッコーの巣の上で」の名匠ミロス・フォアマンが監督を務め、高い評価を得た。天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの死にまつわるドラマを、絢爛豪華な18世紀の宮廷を舞台に壮大なスケールで描いている。
オーストリアの宮廷に使える音楽家サリエリは、信仰心が強く誠実な人柄。ある日、彼の前に若き天才作曲家モーツァルトが出現する。サリエリはモーツァルトの才能が神からもたらされたものだと確信しつつも、次第にモーツァルトへの嫉妬心に苛まれていく。
アカデミー賞では、作品賞、監督賞のほか、サリエリを演じたF・マーリー・エイブラハムが主演男優賞を受賞するなど8部問を受賞。ゴールデン・グローブ賞でも4部門を受賞するなど数々の映画賞に輝いた。アメリカでの興行収入は5,100万ドルを超え、1984年公開作の12位となり、興行的にも成功を収めた。
モーツァルトを演じたトム・ハルスは映画のためにピアノの演奏方法とモーツァルトの交響曲を集中的に学び、多くの場面で代役なしに演じたといわれている。
映画スコア 8.15
ドイツ海軍の潜水艦U-96の息詰まるような戦いを描いた戦争映画。第二次世界大戦中、実際にU・ボートに乗船して取材したドイツの小説家、ロータル=ギュンター・ブーフハイムの同名小説が原作。「ネバーエンディング・ストーリー」のウォルフガング・ペーターゼンが監督を務める。
第二次世界大戦中の1941年、ナチス・ドイツが占領するフランスの港から潜水艦U-96が大西洋へと出港。課せられた任務は連合国護送船団への攻撃だった。潜水艦にはベテランの艦長と若い水兵たちのほか、海軍報道班のヴェルナー少尉が取材のために乗船。海底に身を潜め、息を殺すような生活が続くうちに、乗組員は心身ともに疲弊していった。
受賞は逃したがアカデミー賞で8部問にノミネートされ、本国西ドイツのほかアメリカでも高い評価を得た。
艦長を演じたドイツの俳優ユルゲン・プロホノフはこの映画で知名度を上げ、その後ハリウッドに進出。「デューン/砂の惑星」など多数の作品に出演している。
映画スコア 8.15
ドラッグにより普通の生活を失い、破滅に陥っていく人々を描いた作品。「π」「レスラー」「ブラック・スワン」などのダーレン・アロノフスキーが監督。原作はヒューバート・セルビー・ジュニアの同名小説で、作家本人が脚本を担当している。
ニューヨークのブルックリンで孤独な生活を送る未亡人のサラは、あることからダイエット・ピルを飲み、薬の依存症になる。サラの一人息子ハリーは、恋人や友人と共にヘロインの密売で金を稼ぐようになるが、次第に自分たちもヘロインの中毒になってしまい……。
独立系資本で製作された作品を対象とした映画賞であるインディペンデント・スピリット賞の主演女優賞を、サラを演じたエレン・バースティンが受賞した。
「ファイト・クラブ」に出演した、俳優でミュージシャンのジャレッド・レトがハリーを演じている。ホラー映画「フェノミナ」で主役を演じ、日本でも人気を集めたジェニファー・コネリーがハリーの恋人役を演じている。
映画スコア 8.15
ニューヨークを舞台に、ファッション通販サイト「ABOUT THE FIT」のシニア・インターンとして採用されたベンと、「ABOUT THE FIT」の経営者であるジュールズの姿を描いた作品。70歳のインターンをロバート・デ・ニーロが、ジュールズをアン・ハサウェイが演じた。
ロバート・デ・ニーロが放送映画批評家協会賞のコメディ映画男優賞にノミネートされるなどの評価を受けた。また、監督のクエンティン・タランティーノが好きな映画に挙げた。興行的には、北米で約7,600万ドル、世界で1億9千万ドルの興行収入をあげた。日本では約17.5億円の興行収入となり、2015年の洋画の14位となった。
「ファイト・クラブ」に出演した、俳優でミュージシャンのジャレッド・レトがハリーを演じている。ホラー映画「フェノミナ」で主役を演じ、日本でも人気を集めたジェニファー・コネリーがハリーの恋人役を演じている。
映画スコア 8.15
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが製作した、アニメ作品。動物たちが暮らす別世界を舞台に、あこがれの警官となったウサギのジュディと、ジュディと知り合いになった詐欺師であるキツネのニックが、大都市ズートピアで動物の失踪事件を追う。
主題歌「トライ・エヴリシング」がコロンビアのミュージシャンであるシャキーラによって歌われ、日本語吹替版では、日本語バージョンをDream Amiが歌っている。
アカデミー長編アニメ賞を受賞するなどの評価を受けた。興行的にも大ヒットとなり、北米で3.4億ドルを超える興行収入となり、2016年の7位となった。日本でも76億円を超える興行収入となり、2016年の洋画の2位となった。
映画スコア 8.15
1985年に公開されて大ヒットとなった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編。「PART3」と同時に製作され、半年後に「PART3」が公開された。
前作では30年前の過去(1955年)にタイムスリップしたマーティだったが、「PART2」では30年後の未来(2015年)と過去(再び1955年)にタイムスリップする。また、過去の出来事によって未来が変わるという設定で、現在(1985年)もビフが牛耳る世界に変貌してしまう。後半では、前作で描かれた1955年のダンスパーティの出来事を、別の側面から描いている。
日本でも大ヒットとなり、1990年公開の洋画の配給収入では、「PART2」が1位、「PART3」が2位となった。
映画スコア 8.16
ベトナム戦争を舞台に、極限状態における人間の狂気を描いた戦争映画。「ゴッドファーザー」のフランシス・フォード・コッポラが製作・監督・脚本を手がける。
ベトナム戦争後期の1969年、アメリカ陸軍のウィラード大尉は特殊任務を遂行するためカンボジアのジャングルを目指していた。その任務とは、軍の規定を無視してジャングルの奥地で独裁を振るっているというカーツ大佐の暗殺だった。
カンヌ国際映画祭でのパルム・ドール獲得をはじめ、アカデミー賞では8部門にノミネートされ、撮影賞と音響賞の2部門を受賞。ゴールデン・グローブ賞でも監督賞、音楽賞、助演男優賞の3部門を受賞するなど数々の賞に輝いた。アメリカでの興行収入は7,800万ドルを超え、1979年公開作の6位となるなど興行的な成功も収めた。
マーティン・シーンがウィラード大尉、マーロン・ブランドがカーツ大佐を演じたほか、ハリソン・フォード、デニス・ホッパー、ローレンス・フィッシュバーンなど著名な俳優人が共演している。
映画スコア 8.16
これまでに映画・ドラマ・アニメで映像されてきた、ルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した小説「若草物語」を原作としている。結末は原作とは異なり、ハッピーエンドをジョーの書いた小説内の出来事として描きながら、ジョーの体験としては異なるものとなったことが示唆されている。
シアーシャ・ローナンが主役のジョーを演じ、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレンが姉妹を演じた。
アカデミー賞の6部門にノミネートされ、「衣装デザイン賞」を受賞した(ノミネートのみは「作品賞」「主演女優賞=シアーシャ・ローナン」「助演女優賞=フローレンス・ピュー」「脚色賞」「作曲賞」)。興行的にも北米で1億ドルを超えるヒットとなった。
映画スコア 8.16
スタジオ・ジブリが制作したアニメーション映画。柊あおいの漫画作品を原作に、近藤喜文が監督した。制作・製作総指揮・脚本を宮崎駿が担当している。本が大好きな中学三年生の月島雫と、バイオリン職人を目指す天沢聖司が、ひかれ合いながら成長していく姿を描く。ジョン・デンバーの曲「カントリー・ロード」を日本語訳した歌が使われている。
近藤喜文の初監督作であり、1998年に近藤は亡くなったため、唯一の監督作となった。また、日本映画で初めてドルビーデジタルが採用された作品でもある。配給収入は18億円を超え、1995年の日本映画の1位となった。劇場公開時には、CHAGE & ASKAの楽曲「On Your Mark」のプロモーション短編「On Your Mark」(宮崎駿が監督)が同時上映された。
映画スコア 8.16
「ラブ・アクチュアリー」(2003)を監督したリチャード・カーティスによる監督第3作。タイムトラベルができる青年ティムの、メアリーとの恋愛、両親・妹・子どもたちとの関係と成長を描いた作品。
ドーナル・グリーソンがティムを、レイチェル・マクアダムスがメアリーを演じ、「ラブ・アクチュアリー」に出演したビル・ナイがティムの父を演じている。また、「ラブ・アクチュアリー」と同様に、既存の音楽も多く使われている。
批評家の評価は、賛否の入り混じったものとなった。興行的には全世界で約8,700万ドル、日本では4億円の興行収入となった。また、韓国で大ヒットとなったという。
映画スコア 8.16
喜劇王として知られるチャップリンが手がけた初の長編映画。トレードマークである山高帽にチョビ髭姿のキャラクター「小さな放浪者」が、偶然拾った子ども(キッド)を育てることから始まるストーリー。貧困のなかで育ったチャップリンの幼少体験が投影されている。
恋人に捨てられ、ひとり失意の中で赤ん坊を抱いて退院した婦人は、路上の車に赤ん坊を置き去りにしてしまう。思い直した婦人が引き返したときには、すでに車は泥棒に盗まれ、赤ん坊は貧民街で放浪者に拾われていたのだった。
少年を演じたジャッキー・クーガンは、この作品で映画界の子役スターとなった。夢の中に登場する天使を演じたのは、チャップリンの2人目の妻となるリタ・グレイ。1971年にチャップリン本人が再編集&作曲をしたサウンド版も製作されている。
映画スコア 8.16
マーク・ミラーとデイヴ・ギボンズのコミックを原作とした作品。監督を務めたマシュー・ヴォーンは、ミラー原作の「キック・アス」(2010)の映画化でも監督を務めた。
国家から独立した秘密情報組織である「キングスマン」の新しいエージェントとなるエグジーやエグジーを推薦したハリー・ハートが、地球の人口を減らそうとくわだてるバレンタインと戦う姿を描く。
サターン賞の「コミック映画賞」「脚本賞」「男優賞(タロン・エガートン)」「編集賞」「衣装デザイン賞」にノミネートされるなどの評価を受けた。興行的にもヒットとなり、北米で1億2千万ドル、世界で4億1千万ドルの興行収入となった。日本では9億円を超える興行収入をあげた。
映画スコア 8.16
ボブ・ディランの名曲をタイトルにしたドイツ映画。死期の迫った二人の男が海を見るために旅に出るロードムービーで、監督はトーマス・ヤーン。
脳腫瘍を患うマーティンと骨髄腫に冒されたルディ。末期病棟で同室になった二人は、死ぬ前に海を見ようと意気投合する。病院の駐車場にあったベンツで海を目指すが、なんとそのベンツはギャングが所有している車で、大金が積んであった。
マーティンを演じたティル・シュヴァイガーがモスクワ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞。「ブレードランナー」などに出演した名優ルトガー・ハウアーも出演している。
映画スコア 8.16
クエンティン・タランティーノの初監督作にして出世作となった作品。タランティーノは脚本も担当し、ブラウン役で出演もしている。
色の名前をコードネームとした6人の男たちが宝石強盗を実行するが、内部に警官がまぎれ込んでいることが分かり、やがて仲間割れに発展する。
当初は3万ドルの予算で撮影される予定だったが、ホワイト役を演じたハーヴェイ・カイテルが脚本を読み、製作補も担当することになったことから150万ドルの予算を獲得できた。高い評価を得て、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭では南俊子賞を受賞した。サンダンス映画祭で上映されたあとに一般公開され、北米では280万ドルの興行収入をあげた。
映画スコア 8.16
警察とマフィアの双方が、それぞれスパイを潜入させたことで巻き起こるドラマを描いたサスペンスムービー。香港スターのトニー・レオンとアンディ・ラウが共演した作品で、香港アカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨で、4部門の最優秀賞を受賞。ハリウッドで2006年にリメイクされた。三部作であり、2003年には前日譚を描いた「インファナル・アフェア 無間序曲」、後日譚を描いた「インファナル・アフェアIII 終極無間」が公開された。
香港マフィアに入ったラウは優秀な才能を見込まれ、スパイとして警察学校へ入学する。警察学校で優秀な成績を収めたヤンも、捜査官として香港マフィアへと潜入を果たす。それぞれが組織の中で認められ、要職についていき10年。麻薬の取引が行われようとしていた。
マーティン・スコセッシ監督がリメイクした「ディパーテッド」は、アカデミー賞作品賞を受賞。海外作品のリメイクとしては、史上初の快挙となった。アカデミーでは監督賞、脚色賞、編集賞も受賞している。
映画スコア 8.16
「麗しのサブリナ」などの名匠ビリー・ワイルダーが監督を務めたコメディ作品。脚本は、ワイルダーが名相棒のI・A・L・ダイアモンドと共同で執筆した。2人の手がけた作品には、本作のほかにも「昼下りの情事」「アパートの鍵貸します」などがある。
禁酒時代のシカゴで、バンドマンのジョーとジェリーは、マフィアであるコロンボ一味の殺人を目撃してしまう。命を狙われた2人は、シカゴから逃れるため女装。マイアミへ音楽旅行に向かう女性オーケストラ楽団に潜り込む。ジョーは、楽団メンバーのシュガーにひと目惚れし告白しようと奮闘。ジェリーは、女装した姿に惚れた大富豪からプロポーズされる。そんななか、楽団の滞在するホテルにコロンボ一味が現れる。
アカデミー賞で6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞。ゴールデン・グローブでは作品賞(コメディ部門)を獲得したほか、ジャック・レモンが男優賞(コメディ/ミュージカル部門)、マリリン・モンローが女優賞(コメディ/ミュージカル部門)に輝いた。
ジョー役のトニー・カーティスとジェリー役のジャック・レモンのW主演。ジャック・レモンは、本作以降、ビリー・ワイルダー作品の常連となる。ワイルダー監督の「七年目の浮気」に出演したマリリン・モンローがシュガー役を演じている。
映画スコア 8.16
7歳の天才少女と、亡き姉の代わりに彼女を育てることになった独身男性の生活を描いた家族ドラマ。「(500)日のサマー」のマーク・ウェブが監督を務めた。
フロリダに住むフランクは、自殺した姉から託された7歳の姪メアリーと静かに暮らしていた。メアリーは、実は幼くして数学の天才的な才能の持ち主(ギフテッド)だった。普通の子どもとして育ってほしいと願うフランクだったが、フランクの母親イヴリンはメアリーに英才教育を受けさせるため2人を引き離そうとする。
メアリー役のマッケンナ・グレイスは、放送映画批評家協会賞の若手俳優賞にノミネート。その後も「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」「キャプテン・マーベル」などの話題作に出演している。
フランク役にはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。メアリーとフランクを優しく見守る隣人のロバータ役として「ドリーム」のオクタヴィア・スペンサーも出演している。
映画スコア 8.17
ピクサー・アニメーション・スタジオが製作した、劇場公開された長編作品として初のフルCGアニメーション作品。ピクサーの知名度が上がるきっかけとなった。
少年のアンディに大事にされていたカウボーイ人形のウッディと、ウッディからアンディのお気に入りの座を奪ったバズ・ライトイヤーを中心に、オモチャが生きている世界を描く。ミスター・ポテトヘッドやスリンキーといった、実際にアメリカで発売されているオモチャが登場する。
トム・ハンクスがウッディの、ティム・アレンがバズの声を担当した。日本語吹替版では、顔が似ている唐沢寿明がウッディを、所ジョージがバズの声を担当した。
アメリカで興行収入2億ドルに迫る大ヒットとなった。高い評価を得て、アカデミー賞の脚本賞、主題歌賞、作曲賞(コメディ部門)にノミネートされた。
映画スコア 8.17
レバノン出身でカナダ在住の劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲を映画化したヒューマン・ミステリー。民族や宗教の抗争に翻弄されたひとりの女性の姿を描く。監督は「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴが務める。
カナダ・ケベックに住む双子の姉弟ジャンヌとシモンは、亡き母ナワルの遺言で、一度も会ったことのない父と兄を探すことに。母の故郷に訪れたふたりは、母から語られることのなかった壮絶で悲しい人生を知ることになるのだが……。
アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたほか、トロント国際映画祭では最優秀カナダ映画賞を受賞。ほかにも数多くの映画賞に輝き、高い評価を得ている。
母親のナワル・マルワン役を演じるのは「愛より強い旅」のルブナ・アザバル。共演は「みなさん、さようなら」のレミ・ジラール。シモン・マルワン役のマクシム・ゴーデットはヴィルヌーヴ監督の「静かなる叫び」にも出演している。
映画スコア 8.17
アメリカ南部で黒人青年の弁護をすることになった父親の姿を、娘の視点から描く人間ドラマ。ピューリッツァー賞に輝いたハーパー・リーの小説「アラバマ物語」(原題は「物まね鳥を殺すこと」)を、製作アラン・J・パクラ、監督ケリー・マリガンで映画化。このコンビは本作以降も「サンセット物語」や「レッド・ムーン」など社会派ドラマを手がけている。
不況の嵐が吹き荒れる1932年。アメリカ南部・アラバマ州の小さな町で、早くに母親を亡くしたジェムとスカウトの兄妹は、弁護士である父親アティカスと幸せに暮らしていた。そんなある日、黒人のトムが白人女性へのレイプ容疑で訴えられ、アティカスが彼の弁護を担当することになる。しかし、アメリカ南部は人種差別が根強く、一家は街の人々から激しい中傷を受けることになる。
アカデミー賞では8部門にノミネートされ、主演男優賞、脚色賞、美術賞(白黒部門)の3部門を獲得。カンヌ映画祭ではゲーリー・クーパー賞に輝いた。
正義感あふれるアティカス弁護士を演じたグレゴリー・ペックは、念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞。娘のスカウトを演じたメアリー・バダムは、映画監督ジョン・バダムの妹で、演技経験がほとんどないながらもアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。奇妙な隣人役を演じたロバート・デュヴァルは、本作が映画デビューとなった。
映画スコア 8.17
愛人のギャングが命じる殺人を目撃したことから、修道院に匿われることになったシンガーであるデロリスが、修道院の聖歌隊を立て直して人気を集めるようになる姿を描いた作品。
デロリスをウーピー・ゴールドバーグが演じ、人気を決定的なものにした。修道院長をマギー・スミス、デロリスの愛人のギャングをハーヴェイ・カイテルが演じている。
ゴールデン・グローブ賞の作品賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされ、デロリスを演じたウーピー・ゴールドバーグは女優賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされた。興行的にも、北米で1億3千万ドルを超える興行収入をあげるヒットとなり、1992年の6位となった。
映画スコア 8.17
ジョゼ・ジョバンニの実録小説をもとに製作された脱獄映画の名作。監督を務めたのは、ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちに影響を与えた巨匠ジャック・ベッケル。彼は公開前に病死し、本作が遺作となった。
パリにあるサンテ刑務所で、同じ牢獄に収監中のロラン、ジェオ、マニュ、ボスランの4人は脱獄の計画を練っていた。そこに殺人未遂の罪で新人のガスパルが入所。ロランらは悩みながらもガスパルを仲間に加えることに。決行の日、5人は脱獄用の穴を掘り始めるのだが……。
英国アカデミー賞では作品賞(総合)、男優賞(国外)の2部門にノミネートされた。
出演者にはジャン・ケロディやフィリップ・ルロワなど映画初出演の新人が起用された。ジャン・ケロディは実際の脱獄事件を実行した人物でもある。
映画スコア 8.18
カリフォルニア州サンペドロ港で発生した爆発・炎上事件を、生き残った男ヴァーバル・キントによる回想を軸に描いた作品。ニューヨークやサンペドロを舞台に、謎の人物カイザー・ソゼの存在や、一癖も二癖もある犯罪者たちや捜査官たちにより、何が本当で何がウソかが分かりにくい巧みな物語が展開される。
監督のブライアン・シンガーと、ヴァーバル・キントを演じたケヴィン・スペイシーにとっては出世作となった。
高く評価され、アカデミー賞では脚本賞と助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)を受賞した。また、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が2008年に発表した「ミステリー映画ベスト10」では10位にランクインしている。
映画スコア 8.18
「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督が、少年時代の実体験をベースに描く半自伝的な青春映画。劇中ではデュラン・デュランなど80年代のヒットナンバーが流れる。音楽監修をU2のボノ、主題歌をカーニー監督の「はじまりのうた」にも出演したマルーン5のアダム・レヴィーンが担当した。
1985年、大不況にあえぐアイルランドの首都ダブリン。14歳のコナーは、父親の失業で私立から公立の学校へ転校を余儀なくされ、初日から同級生のいじめにあう。両親の喧嘩も絶えず、ポップ・ミュージックを心の拠り所にしていたコナーは、ある日大人びた女性ラフィーナに一目惚れ。彼女の気を引こうと、組んでもいないバンドのPVに出演してほしいとうっかり口走ってしまう。
ゴールデン・グローブ賞の作品賞(ミュージカル・コメディ部門)の候補に選ばれたほか、放送映画批評家協会賞では劇中歌“Drive It Like You Stole It”が歌曲賞にノミネートされた。
コナー役のフェルディア・ウォルシュ=ピーロをはじめ、同級生役の俳優たちはほとんどが無名。「メイズ・ランナー」シリーズのエイダン・ギレン、「ボヘミアン・ラプソディ」のルーシー・ボイントン、「ミッドサマー」のジャック・レイナーが共演している。
映画スコア 8.18
転生を繰り返し、最愛の飼い主イーサンとの再会を果たそうとする犬ベイリーの奮闘を描いたファミリー映画「僕のワンダフル・ライフ」の続編。前作の監督ラッセ・ハルストレムは製作総指揮にまわり、「フレンズ」など数多くのTVドラマを手掛けてきたゲイル・マンキューソが監督を務めた。
イーサン&ハンナ夫婦は、孫娘のクラリティとその母親グロリア、そして愛犬のベイリーと農場で平穏に暮らしていた。しかし、夫婦と反りが合わないグロリアはクラリティを連れて出て行ってしまう。悲しみに暮れるイーサンは、ベイリーに今度生まれ変わったらクラリティを近くで見守ってほしいと思いを託す。
前作に引き続き、ディズニー・アニメーション「アナと雪の女王」シリーズのオラフの声を務めた俳優のジョシュ・ギャッドが犬ベイリーの声を担当。「デイ・アフター・トゥモロー」のデニス・クエイドも飼い主のイーサン役で続投した。
映画スコア 8.18
1992年公開のアニメーション映画「アラジン」の実写リメイク作。オリジナルで使われた曲に加えて、「心の声(Speechless)」が新たに使われている。前作でロビン・ウィリアムスが声を担当した魔人ジーニーは、ウィル・スミスが演じている。ジャスミンが王子としか結婚できない点に加え、慣習によって女性はサルタンになれないという設定が新たに加わっている。
サターン賞の「衣装賞」を受賞したほか、「ファンタジー映画賞」「助演男優賞=ウィル・スミス」「助演女優賞=ナオミ・スコット」「監督賞」「プロダクション・デザイン賞」「編集賞」「音楽賞」「特殊効果賞」にノミネートされた。興行的にも大ヒットとなった。北米で3.5億ドルを超える興行収入となり、2019年公開作の8位となった。日本でも121億円を超える興行収入を上げ、2019年の洋画の2位となった。
映画スコア 8.18
第二次大戦中にドイツ軍の捕虜となったポール・ブリックヒルが体験した脱走計画の詳細をまとめた本「The Great Escape」を映画化した作品。冒頭では、実話を元にしており、脱走の手順を詳細に描いていることが字幕で表示される。また映画の終わりでは、処刑された50名の捕虜にささげる献辞が表示される。
監督を務めたジョン・スタージェスが原作の出版後すぐに映画化権を買い取り、自らが製作も担当している。キャストには、スタージェスの監督作「荒野の七人」(1960)に出演したスティーヴ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンが再集結している。
アカデミー賞の編集賞にノミネートされる評価を受けた。また、2001年にAFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が発表した「スリルを感じる映画ベスト100」で19位に選ばれるなど、後年まで高い評価を得ている。興行的にもヒットとなり、日本では1963年の洋画の配給収入の3位となった。
映画スコア 8.18
第二次大戦中のフランス領モロッコの都市カサブランカを舞台に繰り広げられるラブロマンス。当時のフランスはドイツに占領されており、カサブランカも間接的にドイツに支配されていた。戦時中に製作されたこともあり、ラブロマンスでありながら、反ナチス色が非常に強い点が特徴の1つ。
ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが主演。日本語訳「君の瞳に乾杯」といった名ゼリフもあり、非常に高い人気を得ている。評価も非常に高く、1942年度のアカデミー賞作品賞を受賞した。アメリカ映画協会が1998年に選出した「アメリカ映画ベスト100」では2位に選ばれるなど、時代が経過しても評価は変わらず高い。
映画スコア 8.18
クリストファー・ノーランが監督し、クリスチャン・ベイルがバットマンを演じた「ダークナイト・トリロジー」の3作目にして最終章の作品。犯罪率の低下によってバットマンの登場しなくなったゴッサム・シティに、新たな敵ベインが現れる。
ベインをトム・ハーディが演じたほか、キャット・ウーマンとしてアン・ハサウェイが出演している。また、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィットがメイン・キャストとして新たに出演している。一方で、これまでのシリーズに出演してきたマイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマンも引き続き出演している。
興行的にヒットとなり、北米で4億4千万ドル以上の興行収入を上げて2012年の2位となった。世界興行収入は10億ドルを超えた。日本では19億円を超える興行収入を上げ、2012年の洋画で8位となった。
映画スコア 8.19
角野栄子の児童文学を原作に、宮崎駿が監督した作品。魔法使いの少女キキが、魔法使いのしきたりにしたがい、見知らぬ町で宅配業をするなどして自立する姿を描く。
宮崎駿とっては、長編映画初の他者原作の映画作品である。主題歌には荒井由実の、「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたらな」が使われ、リバイバルヒットとなった。
「宅急便」の商標を登録しているヤマト運輸がスポンサーとなり、全国の営業所や取扱店でチラシなどを使った宣伝を行った。興行的には、興行収入43億円の大ヒットとなり、1989年の日本映画の1位を記録した。
映画スコア 8.19
犯罪組織で潜入捜査を行う警察官の男が、警察と組織の間で葛藤する姿を描いた韓国ノワールの名作。「悪魔を見た」「The Witch/魔女」のパク・フンジョンが監督を務め、イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミンなど韓国を代表する名優たちが共演した。
警察官のジャソンは、上司のカン課長の命令により韓国最大の犯罪組織ゴールドムーンで潜入捜査をしていた。組織のナンバー2チョン・チョンの絶対的な信頼を得て彼の右腕として働いていたジャソンだったが、カン課長の捜査手法に疑問を抱き始めていた。そんななか、組織の会長の死により後継者争いが巻き起こる。カン課長はこの機を利用して組織壊滅を目論むのだが……。
韓国では19歳未満は鑑賞不可の作品だったが、観客動員数はおよそ468万人を記録。多くの映画賞にノミネートされ、青龍映画賞ではファン・ジョンミンが主演男優賞、大鐘賞ではチョ・ヨンウクが音楽賞を受賞した。
ジャソン役を「神と共に」シリーズのイ・ジョンジェ、チョン・チョン役を「ベテラン」のファン・ジョンミン、カン課長役を「オールドボーイ」のチェ・ミンシクが演じた。
映画スコア 8.19
1979年に公開されヒットしたSFホラー映画「エイリアン」の続編。監督は前作のリドリー・スコットに代わり、「ターミネーター」の成功で人気監督となったジェームズ・キャメロンが務める。前作に引き続き、主人公の女性航海士リプリーをシガニー・ウィーバーが演じている。
惑星LV-426でエイリアンに遭遇し、宇宙船ノストロモ号で唯一の生存者となった航海士リプリー。冷凍催眠カプセルで宇宙をさまよい、57年後にようやく発見されたリプリーは、エイリアンの危険性を訴えるが周囲に信じてもらえない。すでに植民惑星として人類が入植していたLV-426から連絡が途絶えたことを知ったリプリーは、宇宙海兵隊と共に再び惑星LV-426へ向かう決意をする。
アメリカでの興行収入は8,500万ドルを超え、1986年公開作の5位となった。日本でも配給収入が約12億円となるヒットを記録。アカデミー賞では視覚効果賞と音響効果編集賞を受賞し、主演女優賞にシガニー・ウィーバーがノミネートされた。
映画スコア 8.19
1932年製作の映画「暗黒街の顔役」をリメイクしたギャングムービー。ブライアン・デ・パルマ監督、オリヴァー・ストーン脚本。キューバからアメリカに逃れてきた青年が裏社会で成功し、やがて破滅していくまでの物語。アル・パチーノが裏社会の権力闘争のなかで成り上がっていく主人公のトニーを演じ、ミシェル・ファイファーが共演している。
1980年、反カストロ主義者としてキューバから追放されたトニー・モンタナは、アメリカのマイアミへと渡る。殺人の報酬としてアメリカでの永住権を手に入れたトニーは、コカイン密売を組織するフランクの部下となる。やがてトニーはボスのフランクと対立し、フランクを殺害。事業を乗っ取りマイアミの麻薬組織のボスとして君臨する。
アメリカでの興行収入は4,400万ドルを超え、1983年公開作の16位となった。
映画スコア 8.19
ウィリアム・アイリッシュの原作小説を、アルフレッド・ヒッチコックが監督したサスペンス作品。ニューヨークのアパートを舞台に、足を骨折して車イス生活を送っている男ジェフが、裏窓から隣人の生活をのぞくうちに、殺人事件に遭遇する。
ほぼジェフの部屋の中からの視点で描かれ、ジェフの部屋から見える近隣のアパートを表現するために、スタジオ内に巨大なセットが組まれた。アパートの隙間から見える通りや、通りの向こうにあるレストランまでセットで表現されており、緻密な演出がなされている。
評価は高く、アカデミー賞の監督賞、脚本賞、撮影賞、録音賞にノミネートされた。1998年にアメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)選出の「アメリカ映画ベスト100」では42位に、2007年選出の「アメリカ映画ベスト100」では48位にランクしている。
映画スコア 8.19
英語ができないというコンプレックスを抱える主婦が、英会話学校に通うことで少しずつ成長し自信を取り戻していくコメディ。監督は本作が初長編映画となるガウリ・シンデー。
育児や家事に人生を捧げてきた主婦のシャシは、家族の中で自分だけ英語ができず悩んでいた。結婚式の手伝いのためニューヨークにやってきたが、やはり街中でまともに英語が話せず落ち込む彼女。そんなとき、“4週間で英語が話せる”という英会話学校の案内を見つけ、家族には内緒で通うことにする。
トロント国際映画祭では観客賞にノミネートされた。日本では当初、劇場公開の予定はなかったが、外国で本作を観た一般男性が作品に惚れ込み買い付けを決意。2014年に劇場公開に至った。
シャシ役を演じたシュリデヴィは、1970年より300本以上の映画に出演し、インド映画界では伝説の女優として知られている。一時は結婚のため休業していたが、本作で15年ぶりの復帰を果たした。
映画スコア 8.19
神様を探す宇宙人と、それを密着するテレビジャーナリストが巻き起こす騒動を、社会への風刺を織り交ぜながら描くSFコメディ。大ヒット映画「きっと、うまくいく」のラージクマール・ヒラーニ監督とインド映画界の大スターであるアーミル・カーンが再びタッグを組んだ。アーミル・カーンが主人公の宇宙人を演じ、「命ある限り」に出演した女優のアヌシュカ・シャルマが共演している。
結婚目前で彼氏から逃げられた経験をもつジャグーは、インドでテレビ記者として働いていた。ある日、彼女は街角で「神さまが行方不明」と書かれたビラを配る不思議な男と出会う。“PK(酔っ払い)”と名乗り地球のリサーチにやってきた宇宙人だと語る男に興味を抱いたジャグーは、PKを密着取材する。
インドでは2014年に公開され「きっと、うまくいく」を抜いて、インド歴代の興行収入1位を記録。その後、北米などでも続々公開され、全世界興行収入は約1億ドル(100億円以上)を突破した。
映画スコア 8.20
ハリソン・フォード主演「インディ・ジョーンズ」シリーズの第一作。時は1936年、モーゼの十戒の書かれた石版を収めた聖櫃を巡って、考古学者インディ・ジョーンズとナチス・ドイツが、ネパール、エジプト、東南アジアと世界を股にかけた攻防を繰り広げる。
監督はスティーヴン・スピルバーグ、製作はジョージ・ルーカスという、当時のハリウッドが誇る2大ヒットメーカーによって作られた。ハリソン・フォードにとっても、「スター・ウォーズ」シリーズのハン・ソロと並ぶ当たり役となった。
興行的には大ヒットを記録。制作費1,800万ドルに対して、3億8000万ドルを超える世界興行収入を記録した。作品としての評価も高く、アカデミー賞には8部門でノミネート。視覚効果賞、編集賞、美術賞、音響賞を受賞した。受賞を逃したが、作品賞、監督賞、撮影賞、作曲賞にもノミネートされた。ジョン・ウィリアムズが作曲したテーマ曲も有名。
公開時は「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」だったが、現在では「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》」と、続編に合わせたタイトルに変更されている。続編として、魔術によってインディが操られる『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)、インディの父をショーン・コネリーが演じた『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)、19年ぶりに製作された『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年)がある。他にも、インディの少年時代を描いたテレビ・シリーズ「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(テレビ朝日系列で放映)が、ジョージ・ルーカスの製作総指揮で作られた。
映画スコア 8.20
「千夜一夜物語」と「アラジンと魔法のランプ」を下敷きにした作品。アカデミー賞の4部門(歌曲賞には2曲がノミネート)され、「作曲賞」「歌曲賞(ホール・ニュー・ワールド)」の2部門を受賞した(ノミネートのみは「音響賞」「音響効果編集賞」「歌曲賞(フレンド・ライク・ミー)」)。サターン賞では「ファンタジー映画賞」「助演男優賞=ロビン・ウィリアムズ」「若手俳優賞=スコット・ウェインガー」を受賞し、「音楽賞」にノミネートされた。
興行的にも大ヒットとなり、北米で2.1億ドルを超える興行収入となり、1992年公開作の1位となった。日本でも配給収入25億円を上げ、1993年の外国映画の3位となった。
映画スコア 8.20
第二次世界大戦下のドイツを舞台とした、あるピアニストの物語。原作の「ある都市の死」は、主人公となるユダヤ系ポーランド人のウワディスワフ・シュピルマンによる、ノンフィクションの体験記である。監督を務めたロマン・ポランスキーも、作品に登場する強制居住地区(ゲットー)から脱出して生き延びた経験を持つユダヤ系ポーランド人であり、歴史を目の当たりにしてきた当事者が本作に説得力を与えている。
1939年のポーランド。ピアニストのウワディスワフ・シュピルマンは、ラジオ局での収録中に、突然の爆撃を受ける。それは侵攻してきたナチス・ドイツによる、第二次世界大戦の始まりだった。ワルシャワの街は占拠され、ユダヤ人への迫害が過激さを増していくなか、ウワディスワフはゲットーと呼ばれる地区への移住を強いられたのだった。
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞。アカデミー賞では監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門を受賞した。
エイドリアン・ブロディの29歳でのアカデミー賞主演男優賞は、史上最年少記録。劇中ではショパンが多く演奏されている。
映画スコア 8.20
13世紀、スコットランド独立のために戦った実在の人物ウィリアム・ウォレス。歴史的事実に脚色を加え、その壮絶な人生をドラマチックな物語として描いた歴史超大作。メル・ギブソンが製作・監督・主演を務めている。主人公のウィリアム・ウォレスをメル・ギブソン、イングランド王子の妃でありながらウォレスと恋に落ちるイザベルをソフィー・マルソーが演じている。臨場感に満ちた壮大な戦闘シーンには数千人のエキストラが参加している。
イングランド軍のスコットランド侵略により家族を殺害され、一人生き残ったウィリアム・ウォレス。成長して故郷へ戻ったウォレスは、スコットランドの人々を率い、イングランドに対して反乱を起こしていく。
アカデミー賞では作品賞、監督賞など5部門を受賞。ゴールデン・グローブ賞でも監督賞を受賞するなど、数多くの映画賞を受賞した。
映画スコア 8.21
多くのヒット作を生み出してきたリチャード・ロジャース作曲=オスカー・ハマースタイン二世作詞のコンビによるミュージカルを映画化した作品。ミュージカルは、マリア・フォン・トラップの自叙伝と、自叙伝を元にしたドイツ映画「菩提樹」(1956)を下敷きにしている。
アカデミー賞の10部門にノミネートされ、作品賞を含む5部門(作品賞、監督賞、編集賞、音楽賞、録音賞)を受賞するなど高い評価を得た。また、2001年には、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。興行的にも1965年の最大のヒットとなり、これまで興行収入の最高記録だった「風と共に去りぬ」(1939)を塗り替えた。
映画スコア 8.21
老夫婦が成長した子どもたちを訪ねて上京するストーリーを通じて、時と共に変化していく家族関係や生活の厳しさを描いた、日本映画を代表する不朽の名作。監督は世界的に評価の高い、巨匠・小津安二郎。構図にこだわる独特な作風は「小津調」と呼ばれ、なかでもカメラを低い位置にしてアングルを上げない撮影方法「ローポジション」は、日本の室内空間を巧みに表現する小津の代名詞として知られている。
周吉と妻のとみは、尾道で一緒に暮らす次女の京子に家を頼み上京。東京で長男の幸一家族と長女の志げ、戦死した次男の妻である紀子たちと合流し、みんなで夜を過ごす。次の日、東京見物に出かけるはずが、開業医である幸一には急患が入り、志げも忙しく、紀子が仕事を休んで老夫婦の観光へ付き添うことになる。
キネマ旬報ベスト・テンで2位を記録。多くの映画監督に影響を与え、ヴィム・ヴェンダースや山田洋次などがこの作品にオマージュを捧げている。小津の映画では同じ俳優が同じ名前で他の作品に出演することが多く、原節子が演じる「紀子」が登場するこの作品は、「晩春」「麦秋」と共に「紀子三部作」とも呼ばれている。
映画スコア 8.21
ディズニー/ピクサーにより製作された、SFファンタジーのCGアニメ作品。人類がいなくなった29世紀の地球で、ゴミ処理を続けるロボットWALL・E(ウォーリー)の物語。ロボットの仕草による感情表現が豊かで、会話劇にはない静かな魅力にあふれている。監督は「ファインディング・ニモ」のアンドリュー・スタントン。サウンド・デザインは、「スター・ウォーズ」でR2-D2の声などを作成したベン・バートが務めている。
汚染され、ゴミの山と化した2805年の地球。量産型ロボットによるゴミの圧縮処理も開始から700年がたち、残るはWALL・E(ウォーリー)の1台だけ。いつしかシステムエラーで感情を持ったWALL・Eは、ゴミの中からお気に入りを見つけて収集することを楽しみとしていた。そんなある日、巨大な宇宙船が飛来し、空からロボットのEVE(イヴ)が降りてくる。
アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞。SF・ファンタジー・ホラーなどに送られるサターン賞でもアニメ映画賞を受賞した。アメリカでの興行収入は2億2,300万を超え、2008年公開作の5位となった。
映画スコア 8.21
巨匠・黒澤明監督が手がけたサスペンス映画。アメリカの推理小説家エド・マクベインの「キングの身代金」が原作。誘拐犯と刑事たちとの息詰まるような対決を描いている。三船敏郎が権藤、仲代達矢が戸倉警部を演じている。当時まだ新人だった山崎努が、誘拐犯の竹内を熱演して注目を浴びた。
権藤金吾は靴の製造会社ナショナル・シューズの常務取締役。ある日、権藤宛てに誘拐犯から身代金要求の電話がかかってくる。しかし、誘拐されたのは権藤の息子ではなく、運転手を務める青木の息子だった。それでも権藤は要求通り3,000万円の身代金を用意し、子供は無事に解放された。身代金を手に入れて逃走した犯人を、捜査班の戸倉警部が執拗に追い詰めていく。
毎日映画コンクールで日本映画大賞と脚本賞を受賞した。
映画スコア 8.21
ヨーロッパをはじめとして、遠く日本までめぐる世界旅行をした後に製作されたチャップリンの映画。世界情勢に興味を持ち、1930年代を襲った世界恐慌をヒントとして、機械化が人々の仕事を奪う社会を描いた。すでにトーキー映画が主流だったが、効果音や伴奏をメインとして、セリフの少ない作品に仕上げている。資本主義への痛烈な風刺から政治的な映画と捉えられ、のちにチャップリンがアメリカから追放されるきっかけともなった。
製鉄工場のベルトコンベアーで運ばれてくるネジをしめ続ける男。その姿はモニターで監視されている。延々に続く単純作業に耐えられなくなった男は、ついに精神的なバランスを崩して病院へと運ばれる。
この作品で初めてチャップリンの声が映画で公開された。ラストシーンで流れる楽曲「スマイル」は、チャップリンが製作した代表的な曲で、多くのアーティストにカバーされている。ヒロインのポーレット・ゴダードは、チャップリンの3人目の妻となる。
映画スコア 8.21
「殺人の追憶」(2003)などのポン・ジュノが監督した作品。半地下のアパートで暮らしているキム一家が、金持ちのパク一家に家庭教師、美術教師、運転手、家政婦として入り込むことから引き起こされる出来事を描く。
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したほか、アメリカのアカデミー賞で「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「国際長編映画賞」の4部門を受賞し、「美術賞」「編集賞」にノミネートされる高い評価を受けた。
興行的にもヒットとなり、日本では週間興行収入の1位を記録。それまでの日本における韓国映画の最大のヒットとなった「私の頭の中の消しゴム」(2004)の30億円を大きく超える興行収入となった。
映画スコア 8.22
1970年代のニューヨーク・ブルックリンであった実話をもとに製作された人間ドラマ。育児放棄されたダウン症の少年との交流を通して成長していくゲイ・カップルを描く。監督は俳優の経験もあるトラヴィス・ファイン。ルディ役を演じるのは、トニー賞の受賞経験があり、テレビドラマ「グッドワイフ」シリーズでも人気のアラン・カミング。本作で彼はシアトル国際映画祭の男優賞をはじめ多くの賞に輝いた。共演には「それでも夜は明ける」のギャレット・ディラハント、オーディションで選ばれたアイザック・レイヴァ。
1979年のカリフォルニア。ショー・ダンサーとして働くゲイのルディは、同じアパートに住むダウン症の男の子マルコが母親にろくに世話をされていないことを知る。恋人で検察官のポールと一緒にマルコの面倒をみることを決意するが、世間の同性愛者に対する偏見はひどく、やがて2人はマルコと引き離されてしまう。
シアトル国際映画祭の観客賞をはじめ数多くの賞を受賞。日本では当初1館のみでの上映であったが、テレビで紹介されたことをきっかけに上映する映画館が一気に増加した。
映画スコア 8.22
ル・マン24時間レースでフォード・モーターとフェラリーがしのぎをけずる実話をベースにした作品。キャロル・シェルビー、ケン・マイルズ、リー・アイアコッカ、ヘンリー・フォード2世などの実在の人物が登場する。1965年のル・マンでマイルズがドライバーから外される描写があるが、実際はドライバーとして参戦(リタイア)しているなど、脚色されている部分もある。
アカデミー賞の「作品賞」「音響賞/編集」「音響賞/調整」「編集賞」にノミネートされ、「音響賞/編集」と「編集賞」の2部門を受賞した。モータースポーツを描いた作品として、初めてアカデミー賞の作品賞にノミネートされた作品となった。興行的には、北米で1.1億ドルを超える興行収入のヒットとなった。
映画スコア 8.22
女性向け生理用品の開発に奮闘する男性の姿を描いたヒューマン・ドラマ。映画プロデューサーでもあるトゥインクル・カンナーが、実在の人物アルナーチャラム・ムルガナンダムをモデルにして書き上げた原作を映画化。主演はスター俳優で、原作者トゥインクル・カンナーの夫でもあるアクシャイ・クマール。ほかにも、妻のガヤトリ役には実力派女優のラーディカー・アープテー、パリー役には「ミルカ」のソーナム・カプールなどをそろえた。
妻が生理の際、不衛生な布を使っていると知った夫のラクシュミカント。彼は低コストの生理用ナプキンの開発に乗り出すが、周囲からは理解を得られず、ついには村を出ていくことになってしまう。しかし、情熱を失わず開発を続けるラクシュミカントの前に、彼に賛同する女性パリーが現れる。
インド映画界で最大規模の映画賞であるナショナル・フィルム・アワードで、その他の社会問題に関する最優秀映画賞を受賞。一方で、女性の生理というテーマを扱っているため、宗教的な理由からパキスタンでは上映禁止となった。
映画スコア 8.22
インドの大都市ムンバイで2008年に実際に起こった同時多発テロ。その標的の一つとなったタージマハル・ホテルで繰り広げられた、ホテルマンたちとテロリストとの攻防を描く。監督は本作が長編デビューとなったアンソニー・マラス。
2008年、ムンバイの各地で謎の集団によるテロが起こる。5つ星ホテルのタージマハル・ホテルもターゲットとなり、500人以上の宿泊客と従業員が残されたまま占拠されてしまう。理不尽な殺戮が繰り返されるなか、特殊部隊の到着が数日後になると知った従業員たちは、宿泊客たちをなんとか脱出させようと試みる。
主人公の従業員アルジュンを演じるのは、「スラムドッグ$ミリオネア」でスクリーン・デビューを飾ったあと、映画出演が続くデーヴ・パテール。共演は「ソーシャル・ネットワーク」のアーミー・ハマー、「ハリー・ポッター」シリーズのルシウス・マルフォイ役で知られるジェイソン・アイザックスが顔をそろえている。
映画スコア 8.22
宮崎駿がアニメージュに連載していた同名漫画を、宮崎駿自身がアニメ映画化した作品。映画製作当時は単行本3巻(全7巻)の始めまでが連載されており、そのうちの2巻目の途中までが映画化されている。映画公開後に連載が再開された漫画版とは内容が異なっている。
最終戦争後の、人体に有害な瘴気を発する腐海と呼ばれる森に覆われた世界を舞台に、海から吹く風によって瘴気から守られている風の谷の族長の娘であるナウシカの姿を描く。
宮崎駿、高畑勲(製作)、久石譲(音楽)といったスタジオジブリを支えるメンバーが顔をそろえているが、スタジオジブリ発足前の作品であり、制作はトップクラフト(のちにスタジオジブリに改組される形で解散)である。
映画スコア 8.23
低予算で製作された、ガイ・リッチーの長編映画初監督作品。脚本も手がけている。犯罪を主題としたスリルのあるアクション映画で、緩急のある映像演出と巧妙につながる群像劇が、作品全体にスマートな爽快感を与えている。
ロンドンの下町に住む、一攫千金を狙う4人の若者たちは、運命をかけたカードゲームに負けて多額の借金を背負うことに。返済に困っていると、ギャングの強盗計画を偶然知ることになり、横取りして挽回することを企む。
制作されたイギリスでは、1999年の年間興業成績1位を記録した。
「トランスポーター」などで知られる俳優ジェイソン・ステイサムのデビュー作品。2000年にはテレビドラマとしてもリメイクされている。作品名は「ロック、ストック&ワン・ビッグ・ブロック」「ロック、ストック&スパゲッティ・ソース」「ロック、ストック&フォー・ストールン・フーヴズ」。ガイ・リッチーは製作総指揮・脚本を担当している。
映画スコア 8.23
山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を原作にした黒澤明の監督作品。赤ひげと呼ばれる老医師や病院を訪れる貧しい人々との交流を通して、見習いの青年医師が成長していくヒューマンドラマが展開される。通称赤ひげの新出を三船敏郎、若い見習い医師の保本を加山雄三が演じている。
長崎でオランダ医学を学んだ青年医師の保本登は、幕府の御番医として出世することを夢見ていた。しかし、江戸に戻った保本は、貧しい庶民を診療する小石川養生所での見習いを幕府から命じられる。養生所の所長である新出去定は無精髭を生やした老医師で、周囲から赤ひげと呼ばれていた。初めは自分の境遇に不満を抱え、反抗的な態度を取っていた保本であったが、出世や名誉のためではなく貧困と病に苦しむ人々のために医療を施す赤ひげの姿に次第に心を動かされていく。
映画はヒットし、キネマ旬報ベスト・テンで1位を獲得。毎日映画コンクールの大賞を受賞し、ブルーリボン賞では作品賞のほか、三船敏郎が主演男優賞を受賞した。また、ヴェネチア国際映画祭で三船敏郎が男優賞を受賞するなど、海外でも高く評価された。
映画スコア 8.23
スタジオ・ジブリが制作した長編アニメーション映画。中世の日本を舞台に、死に至る呪いのかけられた少年アシタカが、山犬に育てられた少女サンやタタラ場を治めているエボシ御前といった人間やシシ神などの神様と出会い、戦いに巻き込まれる。
制作には3年かけられ、21億円というアニメ映画としては非常に高額の製作費がかけられた。兵士の首や腕が飛んだり、多くの人々が死んだりと、それまでのジブリ作品にはない描写もある。米良美一が高音で歌った主題歌もヒットした。
大ヒットとなり、興行収入は193億円と当時の日本の興行成績を塗り替えた。さらに、日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝くなど、高い評価を得た。
映画スコア 8.23
「荒野の用心棒」などのイタリア製西部劇をヒットさせたセルジオ・レオーネ監督の遺作。1920~60年代のニューヨークを舞台に、ギャングとして生きた男たちの成功と破滅、仲間との絆や裏切りを、3時間半を超える長尺で描いた大作。初老となった主人公ヌードルスが、少年時代、壮年時代を回想するかたちで物語が展開し、繁栄の時代にあったアメリカ裏社会の現実をノスタルジックに描きだす。英国アカデミー賞の作曲賞と衣装デザイン賞を受賞したほか、日本アカデミー賞の外国作品賞を受賞した。
ニューヨークの貧しいユダヤ人街に暮らす不良少年ヌードルス。新しく仲間に加わったマックスと共に禁酒法の裏をかいた酒の密売で荒稼ぎをする。ある事件で仲間を殺され、怒りで相手を刺したヌードルスは刑務所に収容される。刑期を終えて出所したヌードルスを出迎えたマックスはギャングとして成り上がり、大きな富を築いていた。ヌードルスとマックスたちは久々の再会を喜ぶが、危険な仕事に手を染めていくマックスと、それをよく思わないヌードルスは次第に対立するようになる。
出所してからのヌードルスをロバート・デ・ニーロ、マックスをジェームズ・ウッズが演じている。ヌードルスが思いを寄せる女性デボラ役で「普通の人々」のエリザベス・マクガヴァンが共演。少女時代のデボラを演じたジェニファー・コネリーの美しさも印象的。
映画スコア 8.24
輸血によりHIVに感染した少年デクスターと、彼を助けようとする少年エリックとの友情を描いた感動作。1990年代の作品に「マイ」から始まる邦題が多くあるが関連性はなく、この作品の原題も「The Cure」である。
ある日、エリックの家の隣に、エイズに感染した少年デクスターが引っ越してくる。エリックは12歳でデクスターは11歳。二人は次第に打ち解けて友情を深めていく。ニューオリンズでエイズを治す薬が発見されたという記事を見たエリックは、薬を求めてデクスターと一緒にニューオリンズを目指す。
「依頼人」で映画デビューしたブラッド・レンフロがエリックを、「ジュラシック・パーク」に出演したジョゼフ・マゼロがデクスターを演じている。
映画スコア 8.24
クエンティン・タランティーノが監督した西部劇。タイトルで主人公の名前である「ジャンゴ」が「続・荒野の用心棒」(1966)の原題であることからもわかるように、タランティーノが愛するマカロニ・ウェスタンの影響を強く受けている。
南北戦争前のアメリカを舞台に、黒人奴隷が一般的だった時代に、愛する妻の救出を目的とするジャンゴとジャンゴを助けるドイツ人シュルツの姿を描く。ジャンゴをジェイミー・フォックスが、シュルツをクリストフ・ヴァルツが演じている。
アカデミー賞の作品賞、助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)、脚本賞、撮影賞、音響編集賞の5部門にノミネートされ、助演男優賞と脚本賞を受賞するなど高い評価を得た。一方で、黒人への差別用語である「ニガー」の多用や暴力描写への批判もあった。また、スパイク・リーは、本作を「見ない」と発言し、物議を醸した。興行的には、クエンティン・タランティーノ監督作で最大のヒットとなった。アメリカで1億6千万ドルを超える興行収入となり、世界でも4億6千万ドルを超えた。
映画スコア 8.24
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場映画シリーズ10作目。5作目からこの作品まで原恵一が監督を務めた。戦国時代にタイムスリップした主人公を巻き込んだ、春日城を舞台としたラブストーリーで、評価の高い9作目と同様に、子どもだけでなく大人も感動する2大名作として知られている。正確な時代考証を基にした合戦シーンや、ストーリー終盤での主要キャラクターの扱いなど、作品に厚みを与える原監督のこだわりにも注目。2009年には山崎貴監督により、本作を原案とした実写映画「BALLAD 名もなき恋のうた」が製作された。
庭で愛犬のシロが掘り起こした箱には、埋めたはずのない自分からの手紙が。夢で見た姫を思い出しながら目を閉じたしんのすけは、戦国時代の合戦場へとタイムスリップしてしまう。撮影と勘違いしながら、偶然にも近くにいた又兵衛の命を救い、春日城へと案内されると、そこには夢で見た廉姫がいたのだった。
2002年に文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞、第57回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞した。興行収入は13億円で、2002年の邦画ランキングで13位となった。
映画スコア 8.24
1960年代のNASAで、人種や性別による差別を受けながらも、宇宙開発計画を陰で支えた黒人女性たちの活躍を描く人間ドラマ。マーゴット・リー・シェッタリーの小説「Hidden Figures」を、「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ監督が映画化した。
東西冷戦時代、NASAで計算手として働く仲の良いキャサリン、ドロシー、メアリー。キャサリンは黒人女性初の宇宙特別研究本部にスタッフとして配属されるも、不当な人種差別を受け、なかなか仕事に専念できずにいた。管理職への昇進をめざすドロシーや、学校でエンジニアの勉強を希望するメアリーの前にも、人種差別の壁が立ちはだかっていた。三人は持ち前の知性で、この苦境を乗り越えていく。
アメリカでは興行収入が1億6,000万ドルを超え、2016年公開作で14位となる。アカデミー賞では作品賞など3部門に、ゴールデン・グローブ賞では2部門にノミネートされたほか、SF・ファンタジー・ホラーなどに送られるサターン賞ではアクション/アドベンチャー映画賞を受賞した。
キャサリン役に「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソン、ドロシー役に「シェイプ・オブ・ウォーター」のオクタヴィア・スペンサー、メアリー役に「ムーンライト」のジャネール・モネイがキャスティングされた。スペンサーはアカデミー助演女優賞にノミネートされた。
映画スコア 8.25
サイレントからトーキーへの移行期のハリウッドを舞台に、映画スターのドン・ロックウッドとスターを目指しているキャシー・セルデンのロマンスを描いた作品。移行期ならではのハリウッド映画界の混乱も多く盛り込まれている。ジーン・ケリーの演じるドンが、雨の中を傘もささずに、「雨に唄えば」を歌い踊るシーンが有名。
後世にわたり評価の高い作品で、アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)は、アメリカ映画におけるミュージカル映画の1位、主題歌の3位、ベスト100の10位、情熱的な映画の16位に選出している。また、舞台化作品も多く上演されている。
「雨に唄えば」の楽曲も後世に渡り親しまれ、映画でもスタンリー・キューブリックが「時計じかけのオレンジ」で印象的に使用している。
映画スコア 8.25
ブルース・ウィリスが主役のジョン・マクレーンを演じたアクション映画。高層ビルを舞台に、妻を含む人々を人質にとったハンスをリーダーとするグループに、ニューヨーク市警の刑事マクレーンが1人で立ち向かう。「ダイ・ハード(die hard)」とは「なかなか死なない」といった意味を持つ。
高い評価を受け、以後の作品に「○○のダイ・ハード」のように、閉鎖された空間を1人で戦う設定の代名詞に使われるほどになった。興行的には、アメリカで8千万ドル、全世界で1億4千万ドルを超える興行収入を記録するヒットとなった。マクレーンを演じたブルース・ウィリスがスターの仲間入りをしたほか、これまでイギリスの舞台・テレビドラマのみの出演だったアラン・リックマンもハンス役で知名度を上げた。
映画スコア 8.25
メディアで取り上げられていた生まれや容貌の類似点をヒントに、チャップリンがヒトラーの独裁政治を風刺した作品。第二次世界大戦の始まりは1939年9月。公開された1940年10月は日独伊三国軍事同盟が成立して間もない頃で、アメリカはまだ正式に参戦していない立場だった。チャップリンによる初の完全トーキー映画で、ラストにある約6分間の演説シーンは特に有名。
第一次世界大戦の末期、トメニア(仮想国)で理髪店を営むユダヤ人チャーリーは、一兵卒として参加していた戦場で、将校のシュルツの命を救うが、飛行機の墜落で記憶を失ってしまう。戦争に敗れて数年後、病院から抜け出したチャーリーは自分の理髪店に戻る。トメニアでは政変が起こり、ヒンケルという独裁者が現れたが、その姿はチャーリーと瓜二つなのであった。
アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、作曲賞にノミネート。チャップリンの映画の中では、興行的に最もヒットした作品となった。
ドイツの占領下にあった国、あるいは同盟国では上映が禁止され、日本では戦後の1960年に公開された。ヒロインはチャップリンの3人目の妻であるポーレット・ゴダード。タイトルは「チャップリンの独裁者」と表記されることもある。
映画スコア 8.25
閉鎖された宇宙船の中で、攻撃的な異星人によって乗組員が襲撃される姿を描いた作品。主人公のリプリーを演じたシガニー・ウィーバーや、監督のリドリー・スコットにとっての出世作となった。スイスの著名な画家であるH・R・ギーガーが担当した、エイリアンの造形も話題となった。
サターン賞のSF映画作品賞、監督賞、助演女優賞(ヴェロニカ・カートライト)を受賞し、主演女優賞(シガーニー・ウィーバー)、脚本賞、特殊効果賞、メイクアップ賞にノミネートされた。アカデミー賞では、美術監督・装置賞と視覚効果賞にノミネートされ、視覚効果賞を受賞した。また、2002年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている。
映画スコア 8.27
宮崎駿監督による長編アニメーション映画。異世界に迷い込んだ少女の千尋が、湯婆婆の支配する湯屋で働きながら、ブタになってしまった両親を戻し、元の世界に戻るまでを描く。
大ヒットとなり、300億円を超える興行収入を上げ、歴代1位を記録。宮崎の友人でもあるピクサーのジョン・ラセターの尽力でアメリカでも公開されている。評価も高く、ベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞している。
映画スコア 8.27
ジョージ・ルーカスが監督したSF映画。それまでは一般的ファンの少なかったSF映画を、多くの人が楽しめるエンターテインメントに仕上げている。
世界的な大ヒットと高い評価を得てシリーズ化された。映画のみならず、アニメ、テレビ、アトラクションなど、幅広い分野に広がりを見せた。
青年ルーク・スカイウォーカー、宇宙船ミレニアム・ファルコン号の操縦士ハン・ソロ、反乱同盟軍のレイア姫といった主要登場人物のほかに、全身黒尽くめでカブトをかぶったダース・ベイダー、コメディ・リリーフ的存在のC-3POとR2-D2といった個性的なキャラクターが多く登場。キャラクター商品も多く発売されている。
映画スコア 8.27
19世紀の実在のショーマンであるP・T・バーナムを主人公とした作品。貧しい身分から成功を収めたこと、フリークショーなどで人気を集めたこと、ジェニー・リンドのアメリカ公演を行ったことなど、バーナムの人生の大枠をなぞっているものの、詳細部分についてはフィクションが多い。主要な登場人物であるフィリップ・カーライルは架空の人物である。
サターン賞の「アクション/アドベンチャー映画賞」を受賞したほか、「音楽賞」「衣装賞」にノミネートされた。ゴールデングローブ賞の「作品賞(コメディ/ミュージカル)」と「男優賞(コメディ/ミュージカル)=ヒュー・ジャックマン」にもノミネートされた。また、劇中歌「This Is Me」は、ゴールデングローブ賞の「主題歌賞」を受賞し、アカデミー賞の歌曲賞にもノミネートされた。
興行的にもヒットとなり、北米で1.7億ドルを超える興行収入となり、2017年公開作の18位となった。日本でも52億円を超える興行収入となり、2017年の洋画の4位となった。
映画スコア 8.27
日中戦争から文化大革命を経験する中国を舞台に、時の権力者に運命を左右される、幼い頃から人生をともにしてきた、京劇の2人の役者を愛憎を描いた作品。タイトルの「覇王別姫」とは、劇中劇として演じられる、項羽と虞美人を描いた有名な京劇のタイトルである。チェン・カイコーが監督し、レスリー・チャン、チャン・フォンイー、コン・リーらが出演している。
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞の撮影賞と外国語映画賞にノミネートされるなど国際的に高く評価され、監督を務めたチェン・カイコーの名を世界に知らしめた。また日本では、東山紀之、木村佳乃、遠藤憲一らが出演した舞台も上演された。
映画スコア 8.27
七つの大罪をモチーフにした連続殺人事件を追う若手のデイヴィッド・ミルズ刑事とベテランのウィリアム・サマセット刑事が、犯人であるジョン・ドゥ(日本語にすると「名無しの権兵衛」といった意味)に翻弄される姿を描いた作品。グロテスクな殺害方法や衝撃的なラストが注目を集めた。
監督には「エイリアン3」の撮影トラブルや、完成した作品の低い評価により監督業から離れていたデイヴィッド・フィンチャーが担当。陰鬱な雰囲気を映画にもたらしている。
高い評価に加えて、アメリカで4週連続興行収入1位を記録する大ヒットとなった。ミルズを演じたブラッド・ピットは、「セブン」のヒットによりスターの座を決定的なものにした。
映画スコア 8.27
黒澤明監督=三船敏郎主演のコンビによる時代劇。2つの一家が対立する宿場町を舞台に、フラリとやって来た浪人の活躍を描く。
キネマ旬報ベストテンで日本映画の2位に選ばれる評価を受けた。桑畑三十郎を演じた三船敏郎は、ヴェネチア国際映画祭の男優賞やブルーリボン賞の主演男優賞を受賞。アメリカのアカデミー賞では、衣装デザイン賞(白黒)にノミネートされた。興行的には、日本国内で3億5千万を超える配給収入となり、1961年の邦画の4位となった。
クリント・イーストウッド主演の西部劇「荒野の用心棒」(1964)としてリメイクされた。リメイクは無断で行われ、のちに東宝が裁判で勝訴している。一方で、はダシール・ハメットの小説「血の収穫(赤い収穫)」を下敷きにしていることを、黒澤明が認めている。
映画スコア 8.27
2011年から中国の動画サイトで公開され、3億回を超える再生回数を記録した2Dアニメーションの劇場版。監督・脚本は漫画家でアニメ監督のMTJJ。日本ではわずかな劇場のみでの公開であったものの話題を呼び、翌年にアニプレックスとチームジョイの配給で人気声優による日本語吹替版が全国公開された。
人間の森林開発により住処を追われた黒猫の妖精・小黒(シャオヘイ)は、ある日、人間から襲われる。そんな窮地を救ったのは、同じ妖精の風息(フーシー)。小黒は、風息の仲間たちとともに人里はなれた小さな島で暮らすことになるが、そこに最強の執行人と呼ばれる無限(ムゲン)が現れる。
中国では興行収入が3億1,500万人民元(約48億円)を記録するヒット作となった。
オリジナル版では若手の声優を起用。日本語吹替版では、小黒役を花澤香菜、無限を宮野真守、風息を桜井孝宏が担当した。本作のもととなるWeb版Flashアニメは各動画配信サイトで公開されている。
映画スコア 8.28
実話をもとに、インドの元アマチュアレスリング選手マハヴィル・シン・フォーガットとその娘たちの半生を描いた家族ドラマ。監督・脚本は2019年公開の「きっと、またあえる」などで高い評価を受けるニテーシュ・ティワーリー。
家庭の事情でレスリングのチャンピオンになる夢をあきらめたマハヴィルは、未来の息子に夢を託そうと考えていた。しかし、生まれてくるのは全員女の子。がっかりするマハヴィルだったが、長女ギータと次女バビータが男の子をボコボコにしたことを知り、2人を特訓することを決意する。
インド国内だけでなくアメリカや中国など各国で上映され、全世界興行収入がインド映画史上最高額を記録。評価も高く、オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー(AACTA)賞のアジア映画賞など、多くの映画賞を受賞した。
マハヴィル役は「きっと、うまくいく」「PK ピーケー」にも出演したインドの国民的スター、アーミル・カーン。オーディションで選ばれた娘役のファーティマー・サナー・シャイクとサニヤー・マルホートラは、試合シーンを自分たちで実際に演じた。
映画スコア 8.28
昭和30年代前半の農村を舞台に、一軒家に引っ越してきたサツキとメイの姉妹と謎の生物トトロとの交流を描いた作品。スタジオジブリが制作し、宮崎駿が監督した。
劇場公開時には興行的に成功とはいえなかったものの、テレビ放送やビデオ発売で高い人気を得る。ぬいぐるみなどのトトロのグッズが多く発売され、人気を集めている。また、オープニングテーマの「さんぽ」やエンディングテーマの「となりのトトロ」の曲も広く親しまれている。
1988年度のキネマ旬報ベストテンの日本映画1位に選出されるなど、評価も高い。黒澤明も高く評価し、映画のベスト100を選んだ際に、アニメ映画として唯一選出している。
映画スコア 8.28
ミシガン州デトロイトを舞台に、妻を失った昔気質の老人ウォルト・コワルスキーと、隣に住むモン族のタオとの交流を描いた作品。クリント・イーストウッドが監督・出演している。監督業への専念を考えていたイーストウッドだったが、ウォルト役と出会い、自ら主演することになった。
主題歌の「グラン・トリノ」は、イーストウッドや息子のカイルが参加して作られた。映画の終わりでは、イーストウッドの歌声を聞くことができる。
アメリカでは興行収入1億ドルを超えるヒットとなった。高く評価されたものの、アカデミー賞では歌曲賞のみのノミネートだった。日本ではキネマ旬報外国映画ベスト・テンの1位に選ばれている。
映画スコア 8.29
大ヒットCGアニメシリーズの第3弾。「1」「2」から時が流れ、子どもだったアンディは17歳となり、大学進学のために家を出ることになる。ウッディをはじめとするオモチャたちは、すでにアンディに遊ばれなくなっており、捨てられることを心配している・・・というストーリー。いなくなってしまったオモチャたちがいるなど、時の流れを感じさせる内容となっている。
アカデミー長編アニメーション作品賞や、主題歌賞(ランディ・ニューマン「僕らはひとつ(We Belong Together)」)を受賞したほか、作品賞、脚色賞、音響賞(編集)にもノミネートされた。興行的にも大ヒットとなり、北米で4億ドル以上興行収入を上げ、世界興行収入は10億ドルを超えた。世界興行収入が10億ドルを超えた初のアニメーション作品である。日本でも100億円を超える興行収入となった。
映画スコア 8.30
イタリア人作家、ジョヴァンニ・アルピーノの小説を脚色して映画化された、視力を失い人生を悲観した孤独な退役軍人と、貧しいながらもアルバイトをして名門高校で学ぶ青年との心の交流を描いた人間ドラマ。監督は「ビバリーヒルズ・コップ」のマーティン・ブレスト、脚本を「カッコーの巣の上で」のボー・ゴールドマンが担当した。
奨学生として全寮制の名門ハイスクールに通うチャーリー。盲目の退役軍人フランクの世話をするアルバイトを頼まれ、フランクのニューヨークへの旅に同行することになる。気難しく人を寄せ付けないフランクにチャーリーは戸惑うが、次第にフランクの心の孤独を知るようになり……。
瞳を動かさずに盲目の男性を演じ切ったアル・パチーノがアカデミー賞主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞。アル・パチーノ演じるフランクとガブリエル・アンウォー演じる女性ドナとの美しいタンゴのダンスは映画の名シーンとして話題になった。
映画スコア 8.30
天才的頭脳を持っているものの、孤児として育った時の肉体的虐待がトラウマになっているウィル・ハンティングが、精神科医のショーン・マグワイアやチャッキーを始めとした友人たち、恋人のスカイラーとの交流を通じて変化していく姿を描いた作品。
ウィルを演じたマット・デイモンと、チャッキーを演じたベン・アフレックが脚本を担当した。脚本は高く評価され、アカデミー脚本賞を受賞。2人にとっての出世作となった。ほかにもアカデミー賞では、作品賞を含む10部門にノミネートされ、脚本賞のほかにショーン・マグワイアを演じたロビン・ウィリアムズが助演男優賞を受賞した。エリオット・スミスの楽曲が多く使われ、主題歌「MISS MISERY」はアカデミー賞主題歌賞にノミネートされた。
映画スコア 8.31
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場映画シリーズ9作目。高度経済成長期への懐古をテーマとしたディストピアへ立ち向かう子どもたちの姿を描いた作品で、21世紀を迎えた2001年に公開された。主人公のおバカなギャグはそのままに、家族の大切さや大人の役割を伝えるストーリーに感動する大人が続出。子ども向けのアニメ映画の枠を超えた評価を受けることとなった。監督は5作目から連続して監督を務める原恵一。1999年にテレビシリーズで放送された、「母ちゃんと父ちゃんの過去だゾ 1」が原型となっている。
春日部に誕生したテーマパーク「20世紀博」で、アトラクションに夢中になる大人たち。流行は全国に波及し、街には1960〜1970年頃のファッションやスタイルがあふれていく。ある日、テレビで放映されたメッセージを受け取ると、大人たちは子どものような振る舞いを始め、無秩序な世界を残してどこかへと消え去ってしまうのだった。
興行収入は14.5億円で2001年公開作の10位。2001年の映画秘宝のベスト10では、洋画邦画を含めたすべての映画のなかで1位を獲得した。
映画スコア 8.31
癌におかされ余命わずかなことを悟った初老の男性が、生きることの意味を問い直していくヒューマンドラマ。人間にとって「生きる」とはなんなのかという普遍的なテーマに迫った、黒澤明監督の代表作のひとつ。
市役所の市民課に務める渡辺勘治は、30年間欠勤なしの勤勉な男。毎日、山のような書類にハンコを押す役所仕事をこなしてきた。そんなある日、体調不良で医者に行った渡辺は、自分が癌であることを知る。死が目の前にあることを悟った渡辺は、それまで形式的に仕事をこなし生きてきた自身の人生を振り返り、残された時間のなかで懸命に生きた証を残そうとする。
国内では、公開された1952年のキネマ旬報ベスト・テンで1位を獲得し、毎日映画コンクールの日本映画大賞を受賞した。海外でもベルリン国際映画祭でベルリン市政府特別賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
黒澤作品に多数出演している志村喬が、主人公の渡辺勘治を演じている。役作りのため減量に取り組み、病に冒されながらも懸命に生きようとした主人公を鬼気迫る演技で表現し称賛された。
映画スコア 8.31
監督・脚本を担当したタイカ・ワイティティが母親に勧められて読んだ本だったという、クリスティン・ルーネンズの小説「Caging Skies」を映画化した作品。原作には、想像上の友人としてのヒトラーは登場せず、映画版よりもダークな作品になっている。
ナチスやヒトラーを盲信する少年ジョジョの視点から戦争が描かれている。ジョジョをローマン・グリフィン・デイヴィス、ジョジョの母親であるロージーをスカーレット・ヨハンソン、ジョジョの家に匿われているユダヤ人の少女をトーマシン・マッケンジーが演じている。
完成した作品は高く評価され、アカデミー賞の「作品賞」「助演女優賞=スカーレット・ヨハンソン」「脚色賞」「美術賞」「衣装デザイン賞」「編集賞」の6部門にノミネートされ、「脚色賞」を受賞した。
映画スコア 8.31
知的障害を持つ男性が、無実の罪をはらすため刑務所の仲間とともに奮闘する感動のストーリー。監督は「偽りの隣人 ある諜報員の告白」のイ・ファンギョンが務めた。主人公ヨング役に「エクストリーム・ジョブ」のリュ・スンリョン、成人したイェスン役にテレビドラマ「美男ですね」のパク・シネが顔をそろえている。また、数多くの作品で脇役ながら印象に残る演技をみせるオ・ダルスも出演している。
娘のイェスンと一緒に暮らしていた、知的年齢が6歳の中年男イ・ヨングが、ある日殺人罪で逮捕されてしまう。刑務所の7番房に収容されたヨングだったが、房長の窮地を救い、その礼として娘に会わせてもらえることになるのだが……。
韓国では1,200万人以上を動員しヒット作となった。韓国のアカデミー賞ともいわれる大鐘賞で主演男優賞をはじめ4部門を受賞。韓国最大の映画の祭典・青龍映画賞でも最多観客賞に輝いた。
映画スコア 8.31
スティーヴン・キングの同名小説をフランク・ダラボンが監督し、トム・ハンクスが主演した作品。1930年代の大恐慌時代を背景に、ポール・エッジコムが主任看守を務める刑務所に、癒やしの力を持つ死刑囚ジョン・コーフィが入所してきたことから起こる奇跡の物語を描く。
原作の設定は1932年だが、映画では1935年に置き換えられ、1935年公開のフレッド・アステア主演の映画「トップ・ハット」が印象的に使用されている。
高い評価を得て、ジョン・コーフィを演じたマイケル・クラーク・ダンカンは、アカデミー助演男優賞にノミネートされた。興行的にもヒットし、それまでに作られたスティーヴン・キング原作の映画化作品の中で最大の興行収入を上げた。
映画スコア 8.31
イタリアのシチリア島にある小さな映画館を中心に、映画に魅入られたトトの少年から青年への成長や、映写技師アルフレードとの絆を描いた作品。数々の映画が劇中に登場し、映画への愛が込められている。
エンニオ・モリコーネが担当したテーマ曲も有名で、その後のテレビ番組やCMなどでたびたび使用されている。少年時代のトトを演じたサルヴァトーレ・カシオは、一躍有名になった。
高く評価され、アカデミー賞外国語映画賞など多くの賞を受賞。日本ではシネスイッチ銀座で40週に渡って上映され、単館上映作品としての記録を作るほどのヒットとなった。
公開当時の「劇場公開版」「インターナショナル版」(123分)のほか、イタリアで公開された時の「オリジナル版」(155分)、「ディレクターズ・カット版」「完全オリジナル版」(173分)と、いくつかのバージョンがある。
映画スコア 8.31
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は暁佳奈の人気ライトノベルを原作としたアニメで、元軍人の少女が手紙の代筆屋“自動手記人形”として働く姿を描いたファンタジー群像劇。2018年に京都アニメーションの制作でTVアニメ化され、本作はその外伝にあたる。監督はTVアニメで演出を担当した藤田春香。ヴァイオレット・エヴァーガーデン役には「進撃の巨人」の石川由依、イザベラ・ヨーク役を「響け! ユーフォニアム」の寿美菜子、テイラー・バートレット役を「魔法少女まどか☆マギカ」の悠木碧が務めている。
貴族であるヨーク家の娘イザベラは、親と結んだある契約のために人生に絶望していた。そんなある日、ヴァイオレット・エヴァーガーデンが教育係として派遣されてくる。彼女との交流を通して、イザベラは徐々に自分の未来へ希望を見出していく。
2019年9月に3週間限定で公開され、それ以降も一部の劇場で上映された。本作公開後、完全新作となる「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も上映された。
映画スコア 8.32
飛行石を持っているために軍隊と海賊から追われる少女シータと、偶然シータと知り合ったパズーが繰り広げる冒険物語。海賊の女リーダーのドーラと息子たち、軍の秘密機関のリーダーのムスカ、ラピュタを守るロボット兵といった個性的なキャラクターが登場する。
スタジオジブリの第1回制作作品で、宮崎駿が監督をしている。劇場公開ではヒットとはならなかったものの、ビデオやテレビなどで広く親しまれた。久石譲作曲、宮崎駿作詞の主題歌「君をのせて」も歌い継がれている。
パズーとシータが唱える滅びの魔法「バルス」は、テレビ放映の際に視聴者が一斉にツイッターでつぶやき、サーバーが落ちるという伝説を生んだ。
映画スコア 8.32
頚椎損傷で首から下が麻痺した大富豪フィリップと、そんなフィリップに同情することなく接するドリスとの交流を描いた作品。身体障害や貧困を描きながらも、コミカルな作品となっている。
実話がベースとなっている。フィリップのモデルとなった人物は、介護人アブデルとの関係についての本を出版。テレビ番組でも取り上げられ、ドキュメンタリー番組も作られていた。ドリスのモデルはアブデルだが、監督がオマール・シーの出演を望んだため、人種などが変更になっている。
フランスのセザール賞の作品賞にノミネートされたほか、東京国際映画祭のグランプリを受賞、日本アカデミー賞最優秀外国作品賞を受賞するなど高く評価された。興行的にもヒットとなり、フランスでは2011年の観客動員数1位を記録したほか、ヨーロッパ各地でヒットした。日本でも、「アメリ」(2001)を超えて、フランス映画の興行収入1位の作品となった。
映画スコア 8.33
イタリアの巨匠セルジオ・レオーネ監督の西部劇。英題は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」で、1971年「夕陽のギャングたち」、1984年「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」と合わせて、監督が後期に手がけた3作品として、「ワンス・アポン・ア・タイム三部作」と呼ばれる。
アメリカ西部に鉄道が敷かれ始めた時代。用地を奪おうとする鉄道会社の陰謀で夫を殺され未亡人となったジルは復讐を決意。ハーモニカを持った素性の知れない凄腕ガンマンの助けを借りながら、鉄道会社に雇われた悪党一味と対決する。
ハーモニカを持った謎のガンマンをチャールズ・ブロンソン、残忍な悪党の役をヘンリー・フォンダが演じ、アメリカの2大スターが共演した。
映画スコア 8.33
ロケット作りに挑戦するアメリカの高校生を描いた青春ドラマ。実際にNASAのエンジニアとなったホーマー・ヒッカムの自伝が基になっている。監督は「ジュマンジ」のジョー・ジョンストン。
1957年10月、ソ連が人工衛星スプートニクの打ち上げに成功。アメリカのウエスト・ヴァージニア州コールウッドに住む高校生のホーマーは、自分でロケットを作り打ち上げる夢を抱く。ホーマーはロイ、オデル、クエンティンの3人の仲間と共にロケット・ボーイズを結成。ロケット作りの夢を実現させていく。
「ゾディアック」などに出演し、演技派として定評のある若き日のジェイク・ギレンホールが、主人公のホーマーを演じている。
映画スコア 8.33
自由のない生活に嫌気が差したアン王女のローマでの自由なひとときと、新聞記者のジョーとの恋愛を描いた作品。アン王女を演じたオードリー・ヘップバーンがスターダムにのし上がった作品としても知られる。
全編がイタリアで撮影された初めてのアメリカ映画であり、トレビの泉、真実の口、コロッセオといった有名な場所が登場する。
高く評価され、アカデミー賞では作品賞を含む9部門にノミネートされ、アンを演じたオードリー・ヘップバーンの主演女優賞を含む3部門を受賞した(原案賞は1993年に受賞)。1999年には、アメリカ国立フィルム登録簿の新規登録作品に選出されている。また、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が2002年に選出した「情熱的な映画ベスト100」の4位に、2008年に選出した「ロマンティック・コメディ映画」の4位に選出された。
映画スコア 8.34
メキシコのサンタ・セシリアの音楽禁止を家訓とする一家に育つものの音楽が大好きなミゲルが、死者の日に死者の世界に入り込んでしまう物語。ミゲルは、死者の世界で出会ったヘクターと一緒に、国民的なミュージシャンであるエルネスト・デラクルスを探すうちに、今まで知らなかった真実を知ることになる。
アカデミー賞の「歌曲賞(リメンバー・ミー)」「長編アニメーション賞」を受賞したほか、サターン賞では「音楽賞」「アニメーション映画賞」を受賞した。興行的にもヒットとなり、北米で2億ドルを超える興行収入を上げ、2017年公開作の13位となった。日本でも50億円の興行収入となり、2018年の洋画の5位となった。
映画スコア 8.34
第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を舞台に、4人兄弟のうち3人が死んだライアン家の末っ子ジェームズ・フランシス・ライアンを、ミラー大尉率いる部隊が救出に向かう様子を描いた作品。
リアルな戦闘描写が評判となった。特に、オマハ・ビーチでの20分に及ぶ冒頭の戦闘シーンは、映画史に残ると称賛された。映画自体も高く評価され、アカデミー賞では、作品賞を含む11部門にノミネートされ、監督賞、撮影賞、音響賞、音響効果編集賞、編集賞を受賞した。
興行的にも大ヒットとなり、北米で2億1千万ドル、世界で4億8千万ドルを超える興行収入を上げた。北米では1998年の1位となった。日本でも配給収入24億円を記録し、1998年の洋画で5位となった。
映画スコア 8.34
帝政ローマ時代を舞台に、皇帝から後継として指名されたものの、皇太子が皇帝を暗殺したことから奴隷に身を落とし、やがてグラディエーター(剣闘士)となる、将軍マキシマスを描いた作品。リドリー・スコットが監督を務め、ラッセル・クロウがマキシマスを演じた。また、皇帝役をリチャード・ハリス、皇太子(のちに皇帝)役をホアキン・フェニックスが演じている。
北米では1.8億ドルを超える興行収入となり、2000年公開作の4位となった。また、アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(ラッセル・クロウ)、衣裳デザイン賞、録音賞、視覚効果賞を受賞するなど、高く評価された。本作の成功をきっかけに歴史映画がブームとなり、「トロイ」「アレクサンダー」「キングアーサー」などの歴史大作が作られた。
映画スコア 8.35
子どもたちが向き合うさまざまな問題を描き出した2018年のレバノン映画。わずか12歳のゼインは、両親を「自分を生んだ罪」で裁判を起こす。両親が出生届を出さなかったため、社会的に存在していないゼインは劣悪な労働を強いられるなど、苦しい生活を送ってきた。そんなゼインの姿が回想形式で描かれる。
実際にシリア難民だった子役のゼイン・アル・ラフィーアがゼインを演じ、他の登場人物にも映画内の境遇と似た人々が起用するなど、リアリティを追求した作品になっている。監督は、レバノンで生まれ育ったナディーン・ラバキーが務めている。
第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、審査員賞を受賞。米アカデミー賞では、外国語映画賞にノミネートされた。
映画スコア 8.36
仮想世界マトリックスや現実世界を舞台に、人類とAI(人工知能)の戦いを描いた作品。救世主として期待される人物であるネオを、キアヌ・リーヴスが演じた。
ワイヤーアクションやバレットタイムと呼ばれる斬新な撮影方法を駆使して表現されたアクションは「映像革命」と評判を呼び、以後のアクション映画に大きな影響を与えた。また、カンフーの要素も多く取り入れられ、劇中ではネオやモーフィアスがブルース・リーが過去に見せたのと同じしぐさを披露する。
優れたSF映画として非常に高い評価を得た。優れたSF・ファンタジー・ホラー映画に贈られるサターン賞では最優秀SF映画賞を受賞。アカデミー賞では、視覚効果賞、音響賞、音響効果編集賞、編集賞を受賞した。また、2012年にはアメリカ国立フィルム登録簿の新規登録作品に選ばれた。興行的にもヒットし、北米で1億7千万ドル、世界で4億6千万ドルを超える興行収入を上げた。日本でも85億円の興行収入を上げ、1999年の年間2位となった。
映画スコア 8.36
アガサ・クリスティの小説・戯曲「検察側の証人」を原作とした、1957年の法廷ミステリー映画。金持ちの未亡人を殺害した罪に問われた男、男を弁護する高齢の弁護士、そして夫に不利な証言をする妻らの法廷劇が、功名な話術で展開される。監督を務めたのはビリー・ワイルダー。男をタイロン・パワーが、弁護士をチャールズ・ロートンが、妻をマレーネ・ディートリヒが演じている。また、弁護士の付き添い看護師をエルザ・ランチェスターが演じている。
アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(チャールズ・ロートン)、助演女優賞(エルザ・ランチェスター)、監督賞、録音賞、編集賞にノミネートされたが、受賞は逃した。2008年にアメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)が選出した、アメリカ映画の法廷ドラマベスト10では6位に選ばれるなど、後年まで高い評価を維持している。
映画スコア 8.37
トマス・ハリスの原作を映画化した作品。連続猟奇殺人事件の捜査を軸に、FBIアカデミーの生徒であるクラリスと、クラリスにアドバイスをする精神病院に入れられている連続殺人犯レクターとの交流を描く。
高く評価され、アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、主演女優賞(ジョディ・フォスター)の主要5部門を受賞した。主要5部門を受賞したのは、「或る夜の出来事」(1934)、「カッコーの巣の上で」(1975)に続いて3作目となった。
アンソニー・ホプキンスが演じたレクターは、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が2003年に選出した、「アメリカ映画100年の悪役」の1位に選ばれている。また、ジョディ・フォスターが演じたクラリスは、AFIが2003年に選出した「アメリカ映画100年のヒーロー」の6位に選ばれている。
映画スコア 8.38
1984年の東ベルリンを舞台に、反体制派の疑いを持たれた劇作家を監視・盗聴する国家保安省(シュタージ)の大尉が、自由思想を持つ作家たちの世界に魅了されていく姿から、監視社会の実態を描いたドイツ映画。監督・脚本を担当したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが、歴史学者や関係者への取材を重ねて完成させた。邦題の「ソナタ」は、大尉が心を揺さぶられる、劇作家の演奏するピアノソナタから取られている。
ドイツ国内でドイツ映画賞を受賞したほか、アカデミー賞の外国語映画賞、ヨーロッパ映画賞を受賞するなど高い評価を得た。大尉を演じたウルリッヒ・ミューエも、ドイツ映画賞やヨーロッパ映画賞などで多くの主演男優賞を獲得した。
映画スコア 8.38
マーベル・コミックの「スパイダーマン」の初アニメ映画作品。これまでの「スパイダーマン」映画とは異なり、ピーター・パーカーではなくマイルス・モラレスを主人公としており、複数のスパイダーマンが登場する世界を舞台に描いている。グウェン・ステイシー、メイ・パーカー、メリー・ジェーン・ワトソンのほか、ドクター・オクトパス、グリーンゴブリンなど、実写作品でおなじみのキャラクターも登場する。スタン・リーもカメオ出演している。
高い評価を得ており、アカデミー賞長編アニメ映画賞、ゴールデングローブ賞アニメ映画賞などを受賞。7年ぶりに、ディズニー以外の作品がアカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞した。
映画スコア 8.38
モンキー・パンチ原作のアニメ「ルパン三世」の劇場版第2作。宮崎駿の映画初監督作としても知られる。偽札のゴート札の秘密を探りにカリオストロ公国を訪れたルパンと次元は、何者かに追われる王女クラリスを助ける。そしてルパンは、クラリスに命を助けられた過去を思い出す。石川五エ門、峰不二子、銭形警部といったおなじみのメンバーが登場し、ルパン役の山田康雄などのおなじみの声優が声を担当した。
興行的には前作「ルパンVS複製人間」(1978)に及ばなかったものの、高く評価された。スティーヴン・スピルバーグが、冒頭のカーチェイスを「映画史上最も完璧なカーチェイス」と述べたというウワサがある。
映画スコア 8.38
オリバー・サックス医師の実体験を元にしたノンフィクションを原作とした作品。原作では、映画と同様にパーキンソン病の新薬「Lドーパ」が投与された20人の患者の症例が記述されている。映画では主に、レナードに焦点が当てられて描かれている。
ペニー・マーシャルが監督を務め、ロバート・デ・ニーロがレナード役を務めた。ロビン・ウィリアムズが演じたマルコム・セイヤー医師のモデルは、オリバー・サックス医師である。サックス医師は、技術顧問としても映画製作に携わっている。
アカデミー賞の3部門(作品賞、主演男優賞=ロバート・デ・ニーロ、脚色賞)にノミネートされる評価を受けた。日本アカデミー賞では、優秀外国作品賞に選ばれた。
映画スコア 8.38
詐欺師のゴンドーフとフッカーが、裏社会の大物であるロネガンを大規模な詐欺で陥れる姿を描いた作品。監督ジョージ・ロイ・ヒル、出演ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォードという、「明日に向って撃て!」(1969)のトリオが再集結した。
「ラグタイム王」の異名を持つスコット・ジョプリンの曲が使われ、ラグタイムの再評価につながった。特にテーマ曲「ジ・エンターテイナー」は広く親しまれている。
アカデミー賞の10部門にノミネートされ、作品賞を含む7部門を受賞(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、ミュージカル音楽賞)するなど、非常に高い評価を得た。2005年には、アメリカ国立フィルム登録簿に登録されている。興行的にも大ヒットとなり、550万ドルの製作費に対して、1億5千万ドルを超える興行収入を上げた。
映画スコア 8.39
井伊家の屋敷を訪れ、庭先を借りての切腹を申し出た津雲半四郎を主人公に、武士道社会の残酷性や虚飾を描いた作品。監督を小林正樹、脚本を橋本忍が担当し、仲代達也が主演した。
キネマ旬報ベストテンの第3位、毎日映画コンクール日本映画大賞など日本で多くの賞を受賞したほか、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞するなど、「HARAKIRI」のタイトルで公開された海外での評価も高い。一方で、日本人が称賛した武士道へのアンチテーゼを意図した内容が、外国では残酷性が悲劇美として評価されたという。
終盤の津雲半四郎役の仲代達矢と沢潟彦九郎役の丹波哲郎の決闘では、通常の殺陣に使われる竹光ではなく真剣が使われたと言われている。
映画スコア 8.39
同じ世界観で物語が展開されるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の19作目となる作品。「アベンジャーズ」シリーズとしては3作目となる。これまで交わることのなかったアベンジャーズとガーディアンズのメンバーが合体し、これまでの作品にも登場してきたサノスの野望に立ち向かう。また、シリーズでおなじみのマーベル名誉会長であるスタン・リーのカメオ出演もある。
サターン賞では、「助演男優賞=ジョシュ・ブローリン」を受賞したほか、「コミック映画賞」にノミネートされる評価を受けた。アカデミー賞では、「視覚効果賞」にノミネートされた。興行的にも大ヒットとなり、北米で6.7億ドルを超える興行収入を上げ、2018年公開作の2位となった。日本でも37億円を超える興行収入となり、2018年の洋画の8位となった。
映画スコア 8.40
実在の男性を題材にしたニコラス・ピレッジのノンフィクションを映画化した1990年のアメリカ映画。1955年から1980年にかけてのニューヨーク・マフィア界の実話を元に、マフィアたちの友情や裏切りが描かれる。監督を務めたのはマーティン・スコセッシ。レイ・リオッタが実在の人物であるヘンリー・ヒルを演じ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシが共演している。
アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(ジョー・ペシ)、助演女優賞(ロレイン・ブラッコ)、監督賞、脚色賞、編集賞にノミネートされ、助演男優賞を受賞した。また、ヴェネツィア映画祭では銀獅子賞(監督賞)を受賞するなど、国際的に高い評価を受けた。
映画スコア 8.40
2002年に製作されたブラジル映画。リオ・デ・ジャネイロのスラム街「シティ・オブ・ゴッド」を舞台に、暴力や貧困とともに生きるストリートチルドレンの姿を、実話を元に描く。フェルナンド・メイレレスとカティア・ルンドが共同で監督。登場人物には実際にスラム街に生きる人々が起用され、演技の訓練を受けて出演している。
1960年代から80年代にかけてのスラム街を舞台に、少年ギャングたちをヴァイオレンス満載で描いた本作は、2002年のカンヌ国際映画祭で特別招待作品に選ばれ、2004年のアカデミー賞で監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞にノミネートされるなど、高く評価された。後年には同名のテレビドラマも放送された。
映画スコア 8.40
「新たなる希望」に続くシリーズ2作目。ジョージ・ルーカスが製作した6部作の「エピソード5」にあたる。前作でデス・スターを破壊してヒーローとなったルークがヨーダの下でフォースを学ぶ姿と、ハン・ソロやレイアが帝国軍から逃げる姿が描かれる。
クライマックスでは、ルークの父親についての衝撃の事実が明らかにされる。また、ダース・ベイダーが登場するシーンで使われた「インペリアル・マーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」は、この後テレビなどで使われ広く親しまれる曲となった。
「新たなる希望」に続き大ヒットを記録し、3年後の1983年にはシリーズ3作目「ジェダイの帰還」が製作される。
映画スコア 8.42
チャック・パラニュークの小説を、デヴィッド・フィンチャーが監督した作品。エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム=カーターが出演している。主人公の語り手(ナレーター)が、タイラー・ダーデンという謎の男と出会い、殴り合いを通して生きている実感を味わっていくという物語。
公開時の評価は決して高いとは言えず、興行的にも失敗。製作した20世紀FOXの重役が何人も解雇される事態となった。だが、その後カルト的な人気を集め、2008年にイギリスの雑誌「エンパイア」が実施したアンケートによって選出された「歴代最高の映画ランキング500」では10位に選出されるなど、高い評価を得ている。
映画スコア 8.42
夢の中に入り込む装置を使ってスパイ活動を行うドム・コブが、子どもたちと再会するために、仲間と協力して対象の相手にインセプション(考えの植えつけ)を実行する姿を描いた作品。その過程で、コブと亡き妻モルとの過去などが明らかになる。
クリストファー・ノーランが監督し、ノーランの第一候補だったレオナルド・ディカプリオが主演している。また、ノーラン監督作「バットマン・ビギンズ」(2005)に出演した日本人俳優の渡辺謙が、サイトー役で出演している。
アメリカでは3億ドルに迫る興行収入をあげるなど、大ヒットとなった。評価も高く、アカデミー賞の作品賞、脚本賞、撮影賞、視覚効果賞、美術賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞の8部門にノミネートされた。
映画スコア 8.42
盲目の花売り娘に恋をした放浪者が、花売り娘のために奮闘する姿を描いた作品。
公開当時はトーキー映画が主流を占めていたが、トーキーに対して批判的だったがチャップリンはサウンド版として制作した。音楽はチャップリン自身が作曲している。
アメリカ国立フィルム登録簿に登録され、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が選出した「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」で11位に選ばれるなど、後世でも高い評価を得ている。日本でも、1934年度のキネマ旬報ベストテンでは外国映画の10位に選ばれ、2009年にキネマ旬報が発表した「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊90周年記念)」では19位に選ばれている。
映画スコア 8.43
人種差別を描いた作品。白人至上主義グループのリーダーとして周囲から崇拝され、2人の黒人を殺害して刑務所に入れられたデレクが、刑務所での体験によって考えを変えるようになる姿が描かれている。また、兄のデレクに憧れの念を抱いているダニーが、以前と変わったデレクを理解し、自らも変わっていく。
エドワード・ノートンがアカデミー賞の主演男優賞やサターン賞の男優賞にノミネートされるなどの評価を受けた。興行的には、2,000万ドルの制作費に対し、北米で700万ドル弱の興行収入にとどまった。一方で、国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」のアメリカ支部が、人権意識を高めるためにイベントなどで上映した。また、イギリスの映画雑誌である「エンパイア」は、1999年にこれまでの映画作品のベスト500を選出した際に、本作を311位に選んだ。
映画スコア 8.44
1962年に出版されたケン・ケージーのベストセラーを原作とした作品。カーク・ダグラスがブロードウェイの舞台でマクマーフィーを演じ、映画化も検討したが実現しなかった。カークの息子であるマイケル・ダグラスに映画化権が譲られ、マイケルが映画化を実現した。
アカデミー賞の9部門でノミネートされ、主要5部門(作品賞、監督賞、主演男優賞=ジャック・ニコルソン、主演女優賞=ルイーズ・フレッチャー、脚色賞)を受賞した。主要5部門を受賞した作品は、「或る夜の出来事」(1934)以来だった。また、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。興行的にもヒットとなり、300万ドルの製作費に対して、北米だけで1億ドルを超える興行収入をあげた。
映画スコア 8.45
食糧不足による人類存続の危機にされた地球を舞台に、人類を救うために宇宙に旅立ったジョセフ・クーパーや、地球で父の帰りを待ちながら地球を救うために行動する娘マーフの姿を描いた作品。
相対性理論といった科学的な側面にも力が入れられており、天体物理学者であるキップ・ソーンが製作総指揮に名を連ね、ワームホールなどの科学的考証にアドバイスを提供している。
サターン賞の「SF映画賞」「脚本賞」「音楽賞」を受賞するなどの評価を受けた。アカデミー賞では、「作曲賞」「音響編集賞」「録音賞」「美術賞」「視覚効果賞」の5部門にノミネートされ、「視覚効果賞」を受賞した。興行的にもヒットとなり、北米で1億8千万ドル、世界で6億7千万ドルを超える興行収入を上げた。日本でも12億円を超える興行収入となった。
映画スコア 8.46
愛する妻ドーラや息子ジョズエとともにナチスの強制収容所に入れられた、ユダヤ系イタリア人のグイドの姿を描いた作品。
ロベルト・ベニーニが監督・脚本(共同)・主演を務め、実生活でも妻であるニコレッタ・ブラスキが妻のドーラを演じた。暗殺の恐怖を感じながらも、庭を見て「人生は美しい」と書き残していたというトロツキーのエピソードからタイトルが取られている。
カンヌ国際映画祭ではグランプリを獲得。イタリア語作品にもかかわらず、アカデミー賞では作品賞のほか7部門にノミネートされ、3部門(主演男優賞、外国語映画賞、音楽賞)を受賞した。外国語映画賞の発表では、イタリア人俳優のソフィア・ローレンがプレゼンターを務めた。ローレンは、本来ならば作品名を読み上げるところだが、「ロベールト!」とベニーニの名前を叫んだ。
映画スコア 8.47
黒人ピアニストであるドン・シャーリーが、トニー・リップを運転手として、深南部へのコンサート・ツアーを実行した実際の出来事を元に作られた作品。トニーの息子であるニック・ヴァレロンガが脚本と製作に名を連ねている。
アカデミー賞の5部門でノミネートされ、「作品賞」「助演男優賞=マハーシャラ・アリ」「脚本賞」を受賞した(ノミネートのみは「主演男優賞=ヴィゴ・モーテンセン」「編集賞」)。一方で、「黒人を白人が差別から救う救済者の物語」とする批判や、ドン・シャーリーの遺族から「雇用主と運転手以上の関係はなかった」との抗議もあった。キネマ旬報ベストテンでは、外国映画の5位に選出された。
興行的には、北米で8,500万ドルを超える興行収入となり、2018年公開作の36位となった。日本では21億円を超える興行収入を上げ、2019年の洋画の15位となった。
映画スコア 8.50
知能指数の低いフォレスト・ガンプが、ベトナム戦争などを経験しながらエビ漁で大成功を収める一方、幼なじみの女性ジェニーを思い続ける姿を描いた作品。ニュース映像との合成で、ケネディ大統領やジョン・レノンといった実在の人物とガンプが共演するシーンもある。
アメリカでは3億ドルを超える大ヒットとなり、日本でもヒットした。評価も高く、アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、編集賞、視覚効果賞を受賞した。主人公のフォレスト・ガンプを演じたトム・ハンクスは前年の「フィラデルフィア」に続いて2年連続での受賞となった。
物語の時代に合わせて当時の流行歌が多くBGMとして使われ、サウンドトラックもヒットした。
映画スコア 8.52
1945年のクリスマスイブに自殺をしようとするジョージ・ベイリーと、ジョージを助ける使命を与えられた天使を描いた作品。フランク・キャプラが監督し、ジェームズ・スチュアートがジョージを演じている。アメリカではクリスマス映画の定番として、繰り返しテレビ放映され、多くの人々に親しまれてきた。
アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞(ジェームズ・スチュアート)、編集賞、録音賞を受賞。アメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「感動の映画ベスト100」(2006年選出)では1位に、同協会の「アメリカ映画ベスト100」(1999年選出)では11位にランクインするなど、現在でも高く評価されている。
映画スコア 8.52
クエンティン・タランティーノの監督第二作。殺し屋のヴィンセントとジュールス、ボクサーのブッチ、ギャングのボスのマーセルスと妻ミア、強盗のパンプキンとハニー・バニーといった登場人物の姿を、時間軸を前後させながら交錯させて描く。
カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞。アカデミー賞でも作品賞を含む7部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集章、脚本賞)にノミネートされ、クエンティン・タランティーノとロジャー・エイヴァリーが脚本賞を受賞した。
タランティーノが愛好する映画の趣味が、セリフやシーンに多く反映されている。音楽は既存のサーフミュージックやオールディーズの曲が多く使われている。
映画スコア 8.52
J・R・R・トールキンによる原作をピーター・ジャクソンが監督したシリーズ第2作。
前作で指輪を捨てる旅に出た仲間たちが、3つに分かれてそれぞれの旅を続ける姿を描く。人間の国であるローハンの軍勢がオークを中心にしたサルマンの兵士と戦う、ヘルム峡谷の砦での戦いがクライマックスとなる。
アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネート(視覚効果賞、音響賞/編集を受賞)されるなど、前作に引き続き非常に高い評価を受けた。興行的にも大ヒットとなり、北米で3億3千万ドルを超える興行収入を上げ、2002年の2位となった。世界では9億2千万ドルを超える大ヒットとなった。日本でも79億円の興行収入となり、2003年の洋画の4位となった。
映画スコア 8.53
同じ世界観で物語が展開されるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の22作目となる作品で、アベンジャーズとしては4作目にして完結編となる作品である。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018)で全宇宙の生命の半分が消滅されてしまったあとの世界で、消滅した生命を取り戻すための戦いが繰り広げられる。
MCUではおなじみの、マーベルの名誉会長であるスタン・リーのカメオ出演もある。リーは2018年に死去しており、最後のカメオ出演となった。
サターン賞の「コミック映画賞」「男優賞=ロバート・ダウニー・Jr」「プロダクション・デザイン賞」「メイクアップ賞」「編集賞」「特殊効果賞」を受賞し、「男優賞=クリス・エヴァンス」「助演男優賞=ジェレミー・レナー」「助演女優賞=カレン・ギラン、スカーレット・ヨハンソン」「監督賞」「音楽賞」「脚本賞」「衣装デザイン賞」にノミネートされる評価を受けた。アカデミー賞では視覚効果賞にノミネートされた。
興行的には空前のヒットとなった。世界興行収入が27億ドルを超え、これまで1位だった「アバター」(2009)を抜いて、歴代1位となった。北米では8.5億ドルを超える興行収入となり、歴代2位となった。日本では61億円を超える興行収入となり、2019年の洋画の6位となった。
映画スコア 8.53
イギリスの作家で軍人でもあるJ・R・R・トールキンの同名小説を原作とし、ピーター・ジャクソンが監督した作品。三部作の第一部にあたる。ピーター・ジャクソン監督の故郷であるニュージーランドで大自然を生かして撮影が行われ、アメリカとニュージーランドの合作となっている。三部作は同時に撮影が行われたため、メインのキャストは1年以上にわたりニュージーランドに滞在して撮影を行った。
高い評価を得て、作品賞、監督賞、助演男優賞(イアン・マッケラン)などアカデミー賞の13部門にノミネートされ、4部門(撮影賞、作曲賞、メイクアップ賞、視覚効果賞)を受賞した。興行的にも大ヒットとなり、北米で約3億1千万ドル、世界で約8億ドルの興行収入を上げた。日本でも興行収入90億円を超える大ヒットとなった。
映画スコア 8.55
「ターミネーター」の続編。前作に引き続き、ジェームズ・キャメロンが監督を担当した。前作でサラ・コナーを抹殺するために未来から送り込まれたターミネーターが今作では味方となり、ジョン・コナー抹殺のために未来から送り込まれたT-1000と戦いを繰り広げる。
前作でターミネーターを演じたアーノルド・シュワルツェネッガー、サラを演じたリンダ・ハミルトンが引き続き出演している。ジョン・コナーには、演技経験のないエドワード・ファーロングが起用された。前作の10倍となる1億ドルの製作費が費やされた。
評価は高く、興行的にも世界的大ヒットとなった。世界興収は5億ドルを超え、日本でも配給収入57億円を記録した。
映画スコア 8.55
工科大学を舞台に、独創的な人物であるランチョーが、寮のルームメイトのファルハーン、ラージューなど、多くの人々に影響を与える姿を描いたインド映画。ランチョーのモットーである「Aal Izz Well」が、日本語のタイトルとなっている。
明るいミュージカル・シーンが盛り込まれている一方、貧富の差や若者の自殺といった社会問題にも触れられている。主役のランチョーを演じたアーミル・カーンは、当時40歳を超えていたものの、体を絞って大学生役を演じた。
インド映画の記録を塗り替える大ヒットとなった。スティーヴン・スピルバーグが絶賛するなど、国外でも高い評価を得ている。日本では2013年に公開され、日本アカデミー賞の優秀外国作品賞に選出された。
映画スコア 8.55
ニューヨークの殺し屋レオンと、家族を殺された12歳の少女マチルダによる、孤独な2人の交流を描いた作品。
大ヒットと高評価を得て、監督のリュック・ベッソン、レオンを演じたジャン・レノ、マチルダを演じたナタリー・ポートマン(長編映画初出演)は、本作を機に注目を集めた。また、悪徳麻薬捜査官のスタンスフィールドを演じたゲイリー・オールドマンのエキセントリックな演技も話題を呼んだ。
孤独な2人の交流に加えて、レオンと特殊部隊による銃撃戦などの派手なアクションも魅力である。
劇場公開版と完全版がある。完全版には、マチルダが暗殺の訓練のために実際の現場に訪れるシーンなどがあり、試写で「過激すぎる」といった声が上がったため、削除されて公開された。
映画スコア 8.56
1985年にアメリカで公開され、大ヒットした作品。マイケル・J・フォックスがスターの仲間入りを果たした。30年前にタイムスリップした主人公マーティ・マクフライが、高校生の自分の母親に好きになられ、母親と父親が付き合わうようにないと自分も消滅してしまうというストーリー。
さわやかなマーティに、変わり者の科学者ドク、典型的ないじめっ子のビフといった濃いキャラクターが印象的。映画公開後も様々な場所で使われているテーマ曲、改造されてタイムマシンとなったデロリアンも有名。
映画スコア 8.57
遺伝子の疾患によって人とは異なる顔で生まれてきた10歳の少年・オーガスト・プルマン(愛称オギー)を描いた作品。宇宙飛行士のヘルメットでいつも顔を隠して、学校に行かずに自宅で勉強を続けていたオギーは、5年生から初めて学校に通い始める。いじめなどの困難に遭いながらも、家族の支えを受けて困難に立ち向かっていく。
「ルーム」で注目を集めたジェイコブ・トレンブレイがオギーを演じるほか、ジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソンがオギーを愛で支える両親を演じている。監督は「ウォールフラワー」などのスティーヴン・チョボスキー。
アメリカでは1億ドルを超えるヒットとなり、アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。
映画スコア 8.57
フレディ・マーキュリーを中心に、イギリスのロックバンド「クイーン」を描いた作品。バンドの結成からスターダムにのし上がるまで、「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィー・ウィル・ロック・ユー」といったヒット曲誕生の裏側、フレディのソロ活動によるバンドの亀裂、再結成とライブエイドでの伝説のステージなどが描かれる。
アカデミー賞の5部門にノミネートされ、「主演男優賞=ラミ・マレック」「音響賞(編集)」「音響賞(調整)」「編集賞」の4部門を受賞した(ノミネートのみは「作品賞」)。キネマ旬報ベスト・テンでは外国映画の5位に選ばれた。
興行的にも大ヒットとなった。アメリカでは2.1億ドルを超える興行収入となり、2018年公開作の10位となった。日本でも131億円の興行収入となり、2018年の洋画の1位となった。
映画スコア 8.62
セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演による、南北戦争時代を舞台にした西部劇。盗まれた20万ドルをめぐる、3人の流れ者の男たちの姿を描く。
当時多く作られたマカロニ・ウェスタン(イタリア製西部劇)の1本で、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」と合わせて、「ドル箱三部作」「名無し三部作」と呼ばれているが、内容的なつながりはない。
原題は、「善玉、悪玉、卑劣漢」を意味しており、イーストウッドが善玉、リー・ヴァン・クリーフが悪玉、イーライ・ウォラックが卑劣漢を演じている。音楽を担当したのは他の「ドル箱三部作」と同様にエンニオ・モリコーネで、テーマ曲は広く知られている。
映画スコア 8.65
J・R・R・トールキンの原作を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの3作目にして最終作。フロドが指輪を滅びの山の火口に捨てに行く旅が大づめを迎える。
非常に高い評価を受け、アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響賞、編集賞の11部門でノミネートされ、全部門での受賞を果たした。11部門の受賞は、「タイタニック」(1997)、「ベン・ハー」(1959)と並ぶ最多タイ記録となった。
興行的にも大ヒットとなり、北米で3億7千万ドルを超える興行収入を上げ、2003年の1位となった。世界での興行収入は11億ドルを超えた。日本では100億円を超える興行収入となり、2004年の洋画の4位となった。
映画スコア 8.67
第二次大戦時に1,000人を超えるユダヤ人をホロコーストから救った実在の人物であるオスカー・シンドラーを描いた作品。1982年にブッカー賞を受賞したトマス・キニーリーのノンフィクションが元になっている。
監督のスティーヴン・スピルバーグは、原作が出版されてすぐに映画化権を獲得していた。だが、自分がホロコーストの題材を扱えるほど成熟していないと考え、他の人物に監督することも検討した。最終的には自分が監督することになった。
アカデミー賞の12部門にノミネートされ、7部門(作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞)を受賞するなど非常に高い評価を受けた。北米で9千万ドルを超える興行収入を上げて1993年の9位となり、世界でも3億ドルを超える興行収入となった。日本でも20億円を超える配給収入を上げ、1994年の洋画の3位となった。
映画スコア 8.68
黒澤明が監督し、志村喬、三船敏郎らが出演した作品。戦国時代の山あいの農村を舞台に、野武士の襲来から村を守るために雇われた侍たちと農民の姿を描く。
上演時間3時間27分の超大作で、当時の通常作品の7倍もの製作費がかけられ、撮影には1年が費やされた。クライマックスの豪雨の中での決戦のシーンや、炎上する砦のシーンなど、スペクタクルにあふれる映像が見どころとなっている。
日本では700万人の観客動員を記録する大ヒットとなった。さらには、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞するなど、日本国内のみならず国際的に高い評価を得た。2010年に、イギリスの「エンパイア」誌が発表した「史上最高の外国語映画100本」で1位に選ばれるなど、その後のさまざまなランキングでも高い順位を獲得している。
映画スコア 8.69
父親殺しの罪に問われた少年に対し、12人の陪審員が評決に達するまでを描いた法廷劇。もともとはテレビドラマとして放映された作品を見たヘンリー・フォンダが感銘を受け、自らプロデュース・主演を手掛けた。監督を務めたのはシドニー・ルメット。超低予算で製作され、2週間の短期間で撮影された
法廷に提出された証拠がことごとく少年の有罪を指し示す中、陪審員8番だけが少年の無罪を主張。最初は8番の主張を迷惑がっていた陪審員たちだったが、議論を重ねるうちに少年の有罪に疑問を抱き始めていく。
アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞にノミネートされたが、いずれも受賞は逃した。2007年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、2007年にアメリカ映画協会が選んだ「アメリカ映画ベスト100」では第87位に選ばれるなど、現在でも高く評価されている。
映画スコア 8.74
DCコミックスのアメリカン・コミック「バットマン」を実写映画化した作品。リブートされた「ダークナイト・トリロジー」の2作目。前作「バットマン ビギンズ」に引き続き、クリストファー・ノーランが監督し、クリスチャン・ベールがバットマンを演じた。
ゴッサム・シティを舞台に、バットマンとジョーカーの戦いを中心に、正義感の強い検事ハービー・ケントや、バットマンの正体であるブルース・ウェインの幼なじみであるレイチェル、バットマンとともに戦う警官のゴードンといった人々の姿が描かれる。
ヒース・レジャーが演じた悪役のジョーカーが注目を集めたが、レジャーは公開前に死去した。レジャーはアカデミー賞助演男優賞を受賞。「ネットワーク」(1976)で主演男優賞を受賞したピーター・フィンチ以来2人目の、死後に演技部門を受賞した俳優となった。
映画スコア 8.77
大ヒットを記録してアカデミー作品賞にも輝いた「ゴッドファーザー」の続編。前作でドンとなったマイケル・コルレオーネのその後の姿と、ニューヨークでのし上がっていくマイケルの父であるヴィトー・コルレオーネの過去の姿を並行して描く。ヴィトーのパートはマリオ・プーゾの小説を元にしているが、マイケルのパートはオリジナルのストーリーである。
アカデミー賞では9部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・助演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)・脚色賞・作曲賞・美術賞の6部門を受賞。前作に続いてアカデミー作品賞を受賞する快挙を成し遂げた。また、1993年にはアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が1998年と2007年に選出した「アメリカ映画ベスト100」では、ともに32位に選ばれている。
前作には及ばなかったものの、興行的にも1,300万ドルの製作費に対し、アメリカ国内だけで4,500万ドル以上の興行収入を上げるヒットとなった。
映画スコア 8.88
マリオ・プーゾの原作を、フランシス・フォード・コッポラが監督した作品。ニューヨークのマフィアであるコルレオーネ・ファミリーのドンであるヴィトーと、三男でドンの座を継ぐマイケルの姿を中心に描く。
大ヒットとなり、アメリカでは歴代の興行成績を塗り替えて1位となった(記録は1975年公開の「ジョーズ」に塗り替えられる)。
作品の評価も高く、アカデミー賞作品賞を受賞。ヴィトー・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドは主演男優賞を受賞した。また、マイケルを演じたアル・パチーノは、スターの仲間入りを果たす。その後に選出されたさまざまなランキングでも上位に選出されている(AFIが2007年に選出したアメリカ映画ベスト100では2位など)。
映画スコア 8.97
スティーヴン・キングの原作「刑務所のリタ・ヘイワース」を、フランク・ダラボンが脚色・監督した作品。ダラボンの初監督作品でもある。
無実の罪でショーシャンク刑務所に収監されたアンディ・デュフレーンが、希望を捨てずに生きた姿を、黒人の囚人レッドとの交流などを交えて描く。
公開時はヒットしなかったものの、レンタルビデオによって広く人気を集め、非常に高い評価を得ている。アカデミー賞では受賞は逃したものの、作品賞、主演男優賞(モーガン・フリーマン)、脚色賞(フランク・ダラボン)など7部門にノミネートされた。キネマ旬報ベスト・テンの1位に輝くなど、日本でも高い評価と人気を得た。