90歳を迎える映画作家と娘が監督 戦後史に埋もれる声なき者たちの物語を記録 「よみがえる声」公開決定

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90歳を迎える映画作家と娘が監督 戦後史に埋もれる声なき者たちの物語を記録 「よみがえる声」公開決定

 在日朝鮮人2世で90歳を迎える映画作家・朴壽南(パク・スナム)と娘の朴麻衣が共同監督し、戦後史に埋もれる声なき者たちの物語を記録したドキュメンタリー映画「よみがえる声」が、2025年8月2日より劇場公開されることが決まった。

 「よみがえる声」は、約40年前から朴壽南が撮り続けていた16mmフィルムを基に制作されたドキュメンタリー。広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦の朝鮮人元軍属、そして日本軍の”慰安婦”にされた女性たちの声なき物語を描き出している。

 釡山国際映画祭でワールドプレミアされ、ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞。審査委員の原一男監督は「この作品を見た瞬間、ある存在を破壊する力を感じた」と称賛の言葉を送った。さらに、ベルリン国際映画祭では「豊かで脱植民地的なアーカイブ」としてフォーラム部門に正式招待され、ジャン・ルーシュ国際映画祭では「生きている遺産賞」を受賞。2025年2月の高円寺ドキュメンタリー映画祭でもコンペティション部門でグランプリを受賞した。

【作品情報】
よみがえる声
2025年8月2日(土)~ポレポレ東中野ほか全国順次公開
配給:『よみがえる声』上映委員会

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