存在のない子供たち
「存在のない子供たち」は、子どもたちが向き合うさまざまな問題を描き出した2018年のレバノン映画。わずか12歳のゼインは、両親を「自分を生んだ罪」で裁判を起こす。両親が出生届を出さなかったため、社会的に存在していないゼインは劣悪な労働を強いられるなど、苦しい生活を送ってきた。そんなゼインの姿が回想形式で描かれる。
実際にシリア難民だった子役のゼイン・アル・ラフィーアがゼインを演じ、他の登場人物にも映画内の境遇と似た人々が起用するなど、リアリティを追求した作品になっている。監督は、レバノンで生まれ育ったナディーン・ラバキーが務めている。
第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、審査員賞を受賞。米アカデミー賞では、外国語映画賞にノミネートされた。