仲野太賀 「生きちゃった」は”全部出しちゃった”作品と誇り

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仲野太賀 「生きちゃった」は”全部出しちゃった”作品と誇り

 

 映画「生きちゃった」の初日舞台挨拶・トークセッションが、10月3日に都内で行われ、出演者の仲野太賀さん、大島優子さん、若葉竜也さん、石井裕也監督が登壇。主役の厚久役を演じた仲野さんは、脚本を読んだ感想を聞かれ、「しびれました」「これを僕が演じることの意味、絶対に言い訳できない状況になる」と振り返り、「本当に自信を持って堂々とここにいられる。もう全部出しちゃってるので」と、作品への誇りを語った。
 
 思ったことを口に出せない厚久という役柄については、「共感性があると思っている」「本音を言えないだとか、本音を言ってしまったら何かが壊れてしまう、だから言えないとか、そういう漠然とした空気があるような気がしていて、厚久っていう役を通して象徴的に今の社会を描いている」と分析し、「これは演じる上でとても責任があることだし、自分自身の本音を込めて実感を込めて演じないと演じきれない役だなという風に思いました」と演じた上での覚悟を語った。

 10代の頃からの付き合いという石井監督作の主演については、「石井監督とタッグを組むというのは自分の俳優人生にとっても目標でもあった」と感慨を述べた。また、学生時代に家が近かったためによく遊んでいたという若葉さんとの共演についても、「いつか映画でガッツリ共演したいねっていうのはずっと言ってた」ことを明かし、共演の喜びをにじませた。
 
 最後のあいさつでは、コロナ禍において自らも力強く生きていきたいと語り、「この映画もいろんなことが起こりますけど、力強く生きる強さを伝えていると思いますので、映画を見ていろんなものを持ち帰ってもらえたらと思っております」とアピールした。

 「生きちゃった」は、幼なじみである厚久、武田、奈津美の3人を軸に展開される物語。結婚して5歳の子どもがいる厚久と奈津美だったが、奈津美が別の男性と体を重ねていることが明らかになる。別れることになった厚久と奈津美を、武田が見守る。そんな歯車が狂った3人の姿が描かれていく。石井裕也監督が脚本も手がけ、プロデューサーも兼ねている。ユーロスペースにて公開中。


■作品情報
「生きちゃった」
監督・脚本:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也

10月3日(土)より、ユーロスペースにて公開
配給:フィルムランド
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