沖縄における私宅監置制度を追ったドキュメンタリー映画「夜明け前のうた ～消された沖縄の障害者～」（3月20日劇場公開）の予告編が公開された。
「夜明け前のうた ～消された沖縄の障害者～」は、沖縄を拠点に私宅監置の問題を追いかけ続けてきたフリーのテレビディレクターである原義和が、監督・撮影・編集を務めた作品。私宅監置は精神障害者を小屋などに隔離した制度で、本土では1950年に禁止となった。だが沖縄では本土復帰の1972年まで続いた。隔離された犠牲者についての、公的な調査や検証は行われていない状況にある。
公開された予告編では、沖縄の美しい海とのどかな波音から始まる。そして、現存するかつて私宅監置に使用された小屋の寒々しい外観、足場とくぼみだけの仕切りもないトイレなどの屋内、さらに数々の監置犠牲者の写真が映し出される。また、残された写真を頼りに消息をたどっていく中で、犠牲者の家族の心情にも迫り、「戻りたくても戻れない」と涙ながらに語る女性の姿も捉えられている。
予告編の最後は、10数年にわたって私宅監置されていたある女性が、監置小屋の中でよく歌を歌っていたというエピソードから、「打ち砕かれた犠牲者が決して手放さなかったもの、それは歌でした」という言葉で締められている。
夜明け前のうた
2021年3月20日より東京 K’s cinema、4月3日より沖縄 桜坂劇場ほか全国順次公開
配給：新日本映画社
©️2020 原 義和
