⽶インディーズ界の雄アレクサンダー・ロックウェル「スウィート・シング」 25年ぶり日本劇場公開作

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⽶インディーズ界の雄アレクサンダー・ロックウェル「スウィート・シング」 25年ぶり日本劇場公開作

 ジム・ジャームッシュらとともに⽶インディーズ界の雄として⼀世を⾵靡したアレクサンダー・ロックウェル監督作「スウィート・シング」が、10月29日より劇場公開されることが決まった。ロックウェル監督にとって、25年ぶりの日本劇場公開作となる。

 スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル主演の「イン・ザ・スープ」や、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスらと共同監督した「フォー・ルームス」などで知られるアレクサンダー・ロックウェル。1995年の「フォー・ルームス」以後も、スティーヴ・ブシェミ、ジェニファー・ビールス共演の「13 rooms」や、⽇本では配信のみの「ピート・スモールズは死んだ!」などの監督作があったものの、劇場公開されてこなかった。ロックウェル⾃⾝がニューヨーク⼤学で教鞭をとっているため寡作なこともあり、ファンにとっては待望の劇場公開作となる。

 インディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督が「スウィート・シング」で描くのは、親に頼ることができず、⾃分たちで成⻑していかなくてはならない15歳の少⼥と11歳の少年の物語。⼦育てのできない親たちという現代社会の問題を描きながらも、16ミリフィルムで撮影されたモノクロとパートカラーの映像は詩的で美しく、「スタンド・バイ・ミー」を思わせる⼦どもたちの幸福な冒険物語となっているという。

 主役の少女と少年を演じるのは、監督の実の⼦どもたち。15歳の姉ビリー役を娘のラナ・ロックウェルが、11歳の弟ビリー役を息⼦のニコ・ロックウェルが演じる。また、ロックウェル監督の実際のパートナーであるカリン・パーソンズが⺟親イヴを、「イン・ザ・スープ」からの盟友であるウィル・パットンが⽗親アダムを演じる。全編を彩る⾳楽にはロックウェルの⾳楽センスが発揮されており、タイトルにもなっているヴァン・モリソン「Sweet Thing」やビリー・ホリディの楽曲のほか、テレンス・マリック監督作「地獄の逃避⾏」のサウンドトラックも引用されている。

 2020年開催のベルリン国際映画祭のジェネレーション部⾨でワールドプレミア上映され、最優秀作品賞を受賞。昨年の東京国際映画祭でも、「愛しい存在」のタイトルで上映された。

【作品情報】
スウィート・シング
2021年10月29日(金)より、ヒューマントラスト渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開
配給:ムヴィオラ

  • 作品

スウィート・シング

公開年 2020年
製作国 アメリカ
監督  アレクサンダー・ロックウェル
出演  ラナ・ロックウェル、ニコ・ロックウェル、カリン・パーソンズ、ウィル・パットン
作品一覧