衝撃の事件の“その後” 当事者の視点で描く 伊藤詩織監督「Black Box Diaries」公開決定

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衝撃の事件の“その後” 当事者の視点で描く 伊藤詩織監督「Black Box Diaries」公開決定

 映像ジャーナリストの伊藤詩織による初長編映画「Black Box Diaries」が、2025年12月12日より劇場公開されることが決まった。当事者から指摘を受けたところなど、一部表現を修正・配慮をした上で、「日本公開版」として公開される。

 2015年4月3日、ジャーナリストを目指す25歳の伊藤詩織は、ある日突然、思いもよらない被害を受ける。それは、同意のない性被害だった。実名を公表してこの事件と立ち向かうことを決意した伊藤の世界は、そこから一変する。「Black Box Diaries」は、伊藤自身が経験した衝撃的な事件を出発点に、沈黙を強いられてきた“ブラックボックス”を自らカメラを回しながら記録した、事件の“その後”を描いた作品。個人の体験から、ジャーナリストであり映像作家の伊藤詩織が、自身の体験を元に、社会の沈黙や偏見、そして自身へおしかかってきた圧力と向き合い続けた姿を、本人の視点で描いている。

 製作には、「新聞記者」「月」など社会派作品で知られるスターサンズが参加。2017年の記者会見以降、8年にわたる製作を経て完成した。イギリス・アメリカとの国際共同製作として制作され、第97回アカデミー賞では、日本人監督として初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

 伊藤詩織監督は、「本作は、私が被害直後から日本で直面した現実を追い、記録した作品です。逮捕は直前で止められ、証拠や証言は黒塗りでした。それでも集めた真実の「かけら」をつないだのが本作です。どうか私の名をいったん忘れ、身近な人の出来事として観てください。もし同じことがあなたや大切な人に起きたなら、何を信じ、どう動くのか。観終えたあとに交わされる小さな一言が、沈黙をほどき、次の誰かを守り、社会を少しずつ動かす力になると信じています」と、コメントしている。

【作品情報】
Black Box Diaries
2025年12月12日(金)からT・ジョイPRINCE品川で公開
配給:スターサンズ、東映エージエンシー
(C)Star Sands , Cineric Creative , Hanashi Films 

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