天下の胸糞映画は若者に受け入れられるのか? 「アレックス STRAIGHT CUT」スニークプレビューレポ

映画スクエア

 以前に映画スクエアでご案内したスニークプレビュー試写会が、10月19日に実施されました。ご応募、ご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございました!

 結局何の作品だったかと言うとこちら!!

天下の胸糞映画は若者に受け入れられるのか? 「アレックス STRAIGHT CUT」スニークプレビューレポ

 「アレックス STRAIGHT CUT」でした!!

 どんな作品かと言うと、2002年の第55回カンヌ国際映画祭で上映され、強烈な暴力描写などで途中退出者が続出。賛否両論を巻き起こしたギャスパー・ノエ監督作「アレックス」を、時間軸に沿って再編集した作品です。

 「R18+」「カンヌ映画祭で話題となった超問題作」と事前にお伝えしていたこともあり、予想されていた方もいらっしゃいましたね。

 「若い人に見て欲しい」という配給会社様の意向から18歳から29歳限定で、さらには試写会後には「ギャル映画評論家(仮)」の3名による参加者インタビューもあるという内容。そして上映される作品は、”胸糞映画”として名高い作品の再編集版。しかも作品名を事前に明かさないスニークプレビュー。事前に上映作を知っていた筆者は、”普通じゃない”感じに興味を抱いてしまい、試写会にお邪魔させていただきました。
 

さすがの衝撃 途中退出者も

 試写会に参加されたのは21名。ほどよくソーシャルディスタンスが取れる感じでした。上映前には配給会社の方から、「我慢ができなくなった方は途中退出を」と注意事項が述べられ(1名様が途中退出されました)、いざ上映がスタート。最初にタイトルが出ると、本作の内容を知っていると思われる方からの、うめき声ともため息とも取れる音が聞こえてきました。

 そして、映画本編。みなさん身じろぎもせずに画面に食い入り、初見(オリジナル版も未見)の私も90分の胸糞ツアーに目を離せず、終わったときにはどっと疲れが押し寄せる感覚に襲われました。そして、どうしてもオリジナル版も見たくなった私は、加入している動画配信サイトで見つけられなかったため、1,400円でブルーレイを購入したのでした。

 少し脱線しますが、オリジナル版も見た上での感想を少し書くと、「STRAIGHT CUT」の名の通り、ストレートに暴力の連鎖が伝わってくるように感じました。オリジナル版は、時間が逆行していくというギミックがあるため、「この人が実はこうだった」といった答え合わせ的要素に脳を働かせられ、「あれさえなければ回避できたのに・・・」という悲しさに感情が揺さぶられます。対して「STRAIGHT CUT」では、3名の過ごす数時間の出来事がストレートに進んでいく分、脳であれこれ考える必要はなく、それゆえに脳を映像が直撃するような作品になっていました。
 

上映後には「ギャル映画評論家(仮)」のインタビューも

 映画上映後には、本作を見終えたばかりの若き観客への、「ギャル映画評論家(仮)」3名によるインタビューが実施されました。インタビュー映像はYouTubeにアップされています。

 「めちゃくちゃ胸糞悪い映画だったけど、結末が気になってしまった」、「監督は人の嫌がることをする天才だなと思った」、「地獄を見せられた感じ」など、ギャル映画評論家(仮)の3人が、ざっくばらんな感想を引き出していました。また、インタビュアーを務めたギャルのみなさんは、「スクリーンでの鑑賞は大画面で音も大きいから、くらい方も違うんだろうな」「途中退場してしまう気持ちもわかる」と同情しながらも、「彼女の尊さがわかる映画!」と本作の魅力をアピールしています。

天下の胸糞映画は若者に受け入れられるのか? 「アレックス STRAIGHT CUT」スニークプレビューレポ

 この「ギャル映画評論家(仮)」のみなさん。なんと、本作の監督であるギャスパー・ノエ監督にインタビューをした映像もYouTubeにアップされています。ノエ監督が撮影のエピソードなどが語る一方で、ギャルたちの長い爪を見て「危ない」と感想を述べるなど、ためになりながらもホンワカとした、ギャルならではの動画となっていますので、本作に興味のある方はぜひご覧ください。


こうした試みの積み重ねによって、映画ファンが1人で増えますように

 再び脱線してしまいました。

 まとめますと、20年前の作品の再編集版を、当時を知る映画ファンだけではなく、若い世代に見てもらいたいという試み。ギャルを通したフィルターで、映画に新たな視点や楽しみ方を見い出そうという試み。そんな試みの積み重ねが、映画ファンを1人でも増やすことにつながることを願わずにはいられない。そう思わせられる試写会でした。

 「アレックス STRAIGHT CUT」は、新宿武蔵野館ほかで、10月29日より全国順次公開されます。決して万人にオススメできる映画ではありませんが、”本作を見て胸糞が悪くなることが人間である証明かもしれない”と思わせるほどの、強烈な映像体験を味わってみたい方は必見です。

(取材・文 冬崎隆司)

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