そのブランドは不愛想?ニッコリ? インフルエンサーが違いを解説 「逆転のトライアングル」本編映像

映画スクエア

 2023年2月23日より劇場公開される、第75回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画「逆転のトライアングル」から、主人公カールのモデルオーディションに参加するシーンの、本編映像が公開された。

 高級ブランド「フォン・オーベン」のランウェイモデルオーディション会場で、インフルエンサーの突撃インタビューを受けるカール。インフルエンサーに「(これから受けるオーディションの)ショーのブランドは不愛想?ニッコリ?」と問われるが、カールにはなんのことか分からない。そこでインフルエンサーは、優しく「ニッコリは゛お安い“ブランド。高級なブランドは顧客たちを見下さなきゃ。『フォン・オーベン』を着る人は大金を見せびらかす感じ」と説明し、カールは不愛想とニッコリの使い分けを学んでいくのだった。

 ここで登場する「フォン・オーベン」は架空のブランドで、スウェーデン語で「上から」の意味を持つ。皮肉と遊び心を詰め込んだオストルンド監督による、脚本の小さなこだわりが込められている。また映像に登場するインフルエンサー役のトビアス・ソーウィドは、身長2メートルを誇るスウェーデンのプロチアリーダー。チアリーダーとして活躍するかたわら、ラジオパーソナリティ、モデル、俳優と多彩な顔を持ち、明るいキャラクターで広く愛されている注目のインフルエンサーである。

 今回オストルンド監督が映画でファッション業界を描こうと考えたきっかけは、ファッション・フォトグラファーであるパートナーの影響だという。「ファッション業界においては男性よりも女性が優位で、男性モデルの置かれている状況は、男性優位な社会において女性たちが強いられていることと変わらないと知ったんだ。独特な世界で面白いと思ったよ。また以前から“ルックスの美しさが持つ経済的価値”に興味があった。大抵の人間は生きていく上でルックスと向き合わねばならないからね。どんな見た目をしているかというのは、社会経験に影響すると思うんだ。ファッション業界を舞台にすることでルックスについても描けると考えたんだ」と、制作の成り立ちを明かしている。

 俳優業で成功する前にモデルをしていた経験を持つハリス・ディキンソンは、「今でもモデルをしている友人がいたり、この業界には少し縁があるんだ。何人かファッション・フォトグラファーとも話をしたよ。ファッション業界にはいくつもの階層があるから、カールはどのレベルなのか、どういった立ち位置なのかを見極めることが大事だった」と、役作りについてコメントしている。

 「逆転のトライアングル」は、ファッション業界とルッキズム、現代階級社会について描いた作品。監督は、「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で第70回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞し、本作でカンヌ史上3人目の2作品連続パルムドール受賞を果たしたリューベン・オストルンド。「キングスマン:ファースト・エージェント」のハリス・ディキンソンが主演を務め、本作が遺作となったモデル出身のチャールビ・ディーンのほか、ドリー・デ・レオンやウディ・ハレルソンらが出演する。3月に発表されるアカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされている。

そのブランドは不愛想?ニッコリ? インフルエンサーが違いを解説 「逆転のトライアングル」本編映像

【作品情報】
逆転のトライアングル
2023年2月23日(木・祝)TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
配給:ギャガ
Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

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