体を寄せ合う父と自閉症スペクトラムの息子 チャップリンのイラストも 「旅立つ息子へ」場面写真

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体を寄せ合う父と自閉症スペクトラムの息子 チャップリンのイラストも 「旅立つ息子へ」場面写真

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 自閉症スペクトラムの息子と、子育てに人生のすべてをささげた父の逃避行を描く映画「旅立つ息子へ」から、新たな場面写真が公開となった。

 新たに公開された場面写真では、父アハロンと息子のウリが体を寄せ合う姿や、2人で一緒に釣りやひげそりをする姿が映し出され、父アハロンと息子のウリの強い愛と絆が描き出されている。また、ウリがこよなく愛しているチャールズ・チャップリンのイラストのショットも切り取られている。

 本作は脚本家ダナ・イディシスの自閉症の弟と父親をモデルに描かれており、ダナの弟はチャップリンの映画がお気に入りで、特に主人公が孤児の男の子を育てる親子の絆を描いた「キッド」を繰り返し観ているという。そのエピソードから着想を得たベルグマン監督は、キーとなる要素に「キッド」を取り入れた。ベルグマン監督は、「本作との共通点がありますし、あの名作が描く人間性や、思いやり、愛情はインスピレーションを与えてくれたと思っています。世界的に愛されている名画が、自分の監督作に登場していることは、純粋に幸せだと思っています」と語っている。

 そんな本作に影響を与えたチャップリン。チャップリンの研究や上映会を行っている日本チャップリン協会の大野裕之会長は、「障がいを持つ子供と、献身的に尽くす父親。いくら愛があっても残酷な現実には勝てない。そんな二人のそばにはいつもチャップリンがいた。人生には、ユーモアがどうしても必要なのだと教えてくれる素敵な作品です」と、本作にコメントを寄せている。

旅立つ息子へ
2021年3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
配給:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

  • 作品

旅立つ息子へ

公開年 2020年
製作国 イスラエル、イタリア
監督  ニル・ベルグマン
出演  シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
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