映画「旅立つ息子へ」&「スーパーダディ協会」コラボ座談会 武田双雲らが父親ならではの育児の悩みを語る

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映画「旅立つ息子へ」&「スーパーダディ協会」コラボ座談会 武田双雲らが父親ならではの育児の悩みを語る

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 子育てに人生のすべてをささげた父と自閉症スペクトラムの息子の逃避行を描く映画「旅立つ息子へ」と、男性が前向きに育児や家事を楽しむためのワークショップなどを提案するパパのための集まり「NPO法人スーパーダディ協会」がコラボしたオンライン座談会が、15日に実施された。座談会には、2018年のスーパーダディアワードを受賞した書道家の武田双雲氏、ニューヨークや東京で20年に渡りシェフとして活躍する米澤文雄氏、NPO法人スーパーダディ協会代表理事の高橋一晃氏がリモートで参加した。

 「旅立つ息子へ」の感想について、3人の子を持つ武田氏は「中3の息子と二人旅をした。その息子が今年カリフォルニアの学校に旅立つから、別れの寂しさがわかるなーと思った。僕が物忘れが激しいADHDで、映画とは逆で息子が僕の面倒をみてくれる感じだけど、グッとくるシーンがたくさんあった」と述べた。2人の娘を持ちダウン症の弟がいる米澤氏は、「障がいがあるというのは、個性の一つ。運動ができないなど、どの状況も個性ととるのか、長所短所ととるのかで方向がわかってくる。子供を最終的に信じるということ、成長するということを考えていくことが大事だと感じた」と、自身の家族と重ねてコメント。高橋氏は「子育て目線で終始グッと引き込まれた」と語った。

 劇中では父親が息子を施設に入れることを思いとどまり、二人で逃げ出して旅をするが、そこで気づかなった息子の成長を知る。「子供に教えられたこと」のテーマに、武田氏は「娘が幼稚園に入った時に、行くのを嫌がった。僕は行かせなくてもよいと思ったけど、妻が悩んで行かせようと。娘がそういう行動をしたことで妻と真剣に子育てについて話し合いプラスになった」と自身の体験を振り返った。

 ほかにも、父親ならではの子育てトーク、夫婦間の価値観の違い、子供の自立などさまざま様々なテーマで意見が交わされた。座談会の様子は、「旅立つ息子へ」を配給するロングライドの公式YouTubeチャンネルで視聴できる。

 「旅立つ息子へ」は、深い絆で結ばれた自閉症スペクトラムを抱える息子と父の2人が、引き離されないため逃避行に出る物語。親としての葛藤、子供への深い愛、やがて訪れる巣立ちの時を描いている。監督を務めるのは、東京国際映画祭で2度のグランプリ受賞を果たした唯一の監督である、イスラエルのニル・ベルグマン。息子ウリ役を演じた新人ノアム・インベルは、オーディションでこの役を勝ち取り、自然な姿で複雑なキャラクターを体現している。

【作品情報】
旅立つ息子へ
2021年3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
配給:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

  • 作品

旅立つ息子へ

公開年 2020年
製作国 イスラエル、イタリア
監督  ニル・ベルグマン
出演  シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
作品一覧