いしいしんじによる同名小説のミュージカルアニメーション映画化作「トリツカレ男」が、2025年秋に劇場公開されることが決まった。
本作の主人公のジュゼッペは、何かに夢中になると他のことは一切見えなくなるほど没頭することから、街の人たちから“トリツカレ男”と呼ばれている青年。ある日、そんな彼が風船売りの少女・ペチカに恋をし、夢中になる=“トリツカレる”。心に悲しみを抱えるペチカのため、必死に奮闘するジュゼッペ。彼のいちずな姿から、何かに夢中になる素晴らしさを教えてくれる作品になっているという。
原作小説「トリツカレ男」は2001年に刊行され、2006年に新潮社より文庫化。これまでに4度も舞台化されるなど、長年に渡って愛されている。監督は、大人も泣けると言われる「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボと一ちゃん」の髙橋渉、「サマーフィルムにのって」などの三浦直之が脚本を務めている。キャラクターデザインは荒川眞嗣、アニメーション制作はシンエイ動画が担当している。
原作者のいしいしんじ、髙橋監督によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■原作:いしいしんじ
浅草のせまい一室で、誰にも知られず書き連ねたことばのかたまりが、色を、かたちを、音を、動きを与えられ、こうして世に出てゆく。絵コンテ、アフレコなどの制作過程を途中で覗かせてもらい、スタッフの方々のトリツカレぶりに深く感銘をうけた。動かないはずのものに、みな一心に、あらたな命を吹きこんでいた。アニメ愛をつづった手塚治虫の漫画「フィルムは生きている」のタイトルを借りるなら、まさしく「ものがたりは生きている」と思った。
■監督:髙橋渉
エンターテイメントをやりましょう!とプロデューサーから原作小説を渡されてはや4年が過ぎました。
その間、世の中は悲しく、つらい出来事がたくさん起こり、今も続いています。
この映画は奇妙な男ジュゼッペと風船売りのペチカの愛の物語です。
誰かが誰かを想い、助けることは素晴らしいことだと大きくうたう映画です。
個性あふれるスタッフ、キャストの力で作り上げることができました。
こんなにもまっすぐなお話を皆様にお届けできることを嬉しくおもいます。
【作品情報】
トリツカレ男
2025年秋公開
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2001 いしいしんじ/新潮社 ©2025映画「トリツカレ男」製作委員会