名優が出演、多い高評価作品 チャールズ・ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド」映像化作品紹介

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名優が出演、多い高評価作品 チャールズ・ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド」映像化作品紹介

 チャールズ・ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」を原作とした映画「どん底作家の人生に幸あれ!」が本日劇場公開されたのを機に、原作「デイヴィッド・コパーフィールド」と、これまでに映像化された作品を振り返ってみる。

■そもそも「デイヴィッド・コパフィールド」とは?
 「デイヴィッド・コパフィールド」は、19世紀に活躍したイギリスの国民的作家であるチャールズ・ディケンズの代表作の1つ。「オリバー・ツイスト」「クリスマス・キャロル」「二都物語」「大いなる遺産」といったディケンズの作品は、これまでに多くの映像作品を生み出してきた。「デイヴィッド・コパフィールド」は、多くの著作の中でもディケンズが「一番好きだ」と公言している作品。ディケンズの自伝的要素も盛り込まれている。

■1935年作「孤児ダビド物語」
 サイレント映画時代から映画化された「デイヴィッド・コパフィールド」が、初めてトーキーとして作られた作品。数年後に「風と共に去りぬ」(1939)を手がけるデヴィッド・O・セルズニックが製作し、のちに「マイ・フェア・レディ」(1964)でアカデミー監督賞を受賞するジョージ・キューカーが監督を担当している。アカデミー賞では「作品賞」「編集賞」「助監督賞」の3部門にノミネートされた。動画配信サービスやDVDで見られる。

■1969年作「さすらいの旅路」
 「マーティ」でアカデミー監督賞を受賞したデルバート・マン監督作。「ジュラシック・パーク」(1993)のハモンド役などで知られるリチャード・アッテンボローや、「ハムレット」(1948)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したローレンス・オリヴィエが出演している。アメリカではテレビ放映され、他の国では劇場公開された。日本でも1971年に公開された。

■1999年BBCドラマ「デイヴィッド・コパフィールド」
 BBCテレビで2夜に渡って放送されたミニ・シリーズ。放送時間は185分と長尺。少年時代のデイヴィッド役は、「ハリー・ポッター」シリーズに出演する前のダニエル・ラドクリフが務めている。また、「ハリー・ポッター」シリーズでラドクリフと共演することになるマギー・スミス、ゾーイ・ワナメーカー、イメルダ・スタウントンも出演している。優れたテレビ・ラジオなどに贈られるアメリカのピーボディ賞を受賞した。日本でもDVDが発売されている。

■「どん底作家の人生に幸あれ!」
 「スターリンの葬送狂騒曲」で高い評価を得たアーマンド・イアヌッチが監督を務め、原作の持つユーモラスな魅力に光を当てた。アーマンド・イアヌッチ監督は、「なるべく多彩なキャストにしたかったんだ」と、あらゆる人種を混ぜ合わせたキャスティングにこだわった。その結果、デイヴィッド役には、「スラムドッグ$ミリオネア」「LION/ライオン~25年目のただいま~」などに出演してきた、インド系の両親のもとロンドンに生まれたデヴ・パテルが演じることになった。他の個性的なキャラクターを、ティルダ・スウィントン、ヒュー・ローリー、ベン・ウィショーらが演じているほか、香港系のベネディクト・ウォンも出演している。アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では高評価が92%とされている(1月17日現在)。

 イギリスが誇る古典の映像化とあってか、名優が多く出演し、評価の高い作品も多い「デイヴィッド・コパフィールド」。「どん底作家の人生に幸あれ!」は、そんな「デイヴィッド・コパフィールド」を、新たな視点から映画化した作品である。

どん底作家の人生に幸あれ!
2021年1月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテ 他、全国順次ロードショー
配給:ギャガ
(c)2019 Dickensian Pictures, LLC and Channel Four Television Corporation

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