揺さぶられっ子症候群 多くの冤罪を生んだ“虐待”事件 ドキュメンタリー「揺さぶられる正義」公開決定

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揺さぶられっ子症候群 多くの冤罪を生んだ“虐待”事件 ドキュメンタリー「揺さぶられる正義」公開決定

 弁護士記者が長年の調査報道の末に作り上げた、関西テレビ放送製作のドキュメンタリー映画「揺さぶられる正義」が、2025年9月20日より劇場公開されることが決まった。

 「揺さぶられる正義」は、文化庁芸術祭賞で優秀賞、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで大賞、ギャラクシー賞報道活動部門で優秀賞、日本民間放送連盟賞で最優秀など多数の賞を受賞した、一連の“揺さぶられっ子症候群(SBS)”事件を追った作品を元に、新たな取材と視点を軸にしてまとめあげた作品。弁護士として関西テレビに入社し、のちに記者となった異例の経歴を持つ上田大輔が、「虐待をなくす正義」と「冤罪をなくす正義」とのぶつかり合いを描くなかで浮かび上がる、実名報道やメディアスクラムといったメディア=自らの暴力性にも向き合っていく。

揺さぶられっ子症候群 多くの冤罪を生んだ“虐待”事件 ドキュメンタリー「揺さぶられる正義」公開決定

 上田大輔監督らのメッセージも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■上田大輔監督 メッセージ
記者に転身した 1 年目に「揺さぶられっ子症候群(SBS)」事件の取材を始め、虐待をなくす正義と冤罪をなくす正義の衝突を8年にわたり追い続けてきました。
「“犯人”と疑われている人をどこまで信用していいのか?」
「“冤罪”を前提にした発言は、記者としての一線を越えていないか?」私の中で記者の正義と弁護士の正義がぶつかることもありました。
この映画は、記者として、弁護士として、そして一人の弱い人間として悩み続けた私の8年間の記録です。

■宮田輝美プロデューサー
想定を超えてしまった。
8年間の取材をまとめ、冤罪で家族が引き裂かれることの理不尽さと、再び結ばれた家族の愛を描くのだと思っていた。有罪率 99.8%の刑事裁判で異例尽くしの無罪の山を総括する必要もあった。
しかし振り返るだけでは気が済まなかったのか…上田は無謀にも飛び込んだ。懲役12年の独房から無実を叫ぶ最難関事件の只中へ。
どこに向かうつもりなのか?
迷宮を掻き分け辿り着いた先は、出口ではなく、入口だった。

【作品情報】
揺さぶられる正義
2025年9月20日(土)より[東京]ポレポレ東中野、[大阪]第七藝術劇場にて公開、ほか全国順次公開
配給:東風
(C)2025 カンテレ

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