カタツムリを踏まないように歩く父子 自閉症スペクトラムの息子と父の絆 「旅立つ息子へ」特別映像公開

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カタツムリを踏まないように歩く父子 自閉症スペクトラムの息子と父の絆 「旅立つ息子へ」特別映像公開

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 自閉症スペクトラムの息子と、子育てに人生のすべてをささげた父の逃避行を描く映画「旅立つ息子へ」から、特別映像が公開となった。

 公開された特別映像は、父アハロンと息子ウリが自転車に乗っているシーンから始まる。「おいでウリ。夏だから、カタツムリはいない」と声をかける父に、「いるよ」と答える息子。そして親子が、カタツムリを踏まないように、足をしっかり上げてゆっくりと自転車を押して歩くユーモラス姿が描かれる。続いて、ウリを施設に連れて行こうと家にやって来た妻に対し、アハロンは料理の手を止めることもなく、「行くとは言ってない」と妻の提案を拒否するシーンが。「話はついだはずだ」と言う妻に、「家なら幸せだ」と答えるアハロン。息子を自分の手で守ろうとする父の姿が映し出されている。

 ウリを演じているのは、新人俳優のノアム・インベル。ベルグマン監督は、「(ウリは)あらゆる点で脚本家ダナ・イディシスの弟をモデルにしていますが、私たちは映画として見られるように、キャラクターと俳優が一体になるように演出しました。映画は俳優が決まった瞬間から、新しい何かが起きなければいけませんし、俳優自身は与えられた役と一体化する必要があります。この相乗作用が完成したときに魔法は起きるのです。 撮影中に脚本にはなかったニュアンスが生まれたのは、ノアムの演技がダナの書いた素晴らしいキャラクターと結びついたからでしょう」と、ノアム・インベルを称賛している。

 「旅立つ息子へ」は、深い絆で結ばれた自閉症スペクトラムを抱える息子と父の2人が、引き離されないため逃避行に出る物語。親としての葛藤、子供への深い愛、やがて訪れる巣立ちの時を描いている。監督を務めるのは、東京国際映画祭で2度のグランプリ受賞を果たした唯一の監督である、イスラエルのニル・ベルグマン。息子ウリ役を演じた新人ノアム・インベルは、オーディションでこの役を勝ち取り、自然な姿で複雑なキャラクターを体現している。

【作品情報】
旅立つ息子へ
2021年3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
配給:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

  • 作品

旅立つ息子へ

公開年 2020年
製作国 イスラエル、イタリア
監督  ニル・ベルグマン
出演  シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
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