消えた2人の少女 探す2人の姉 園子温に師事した松尾大輔初長編監督作「偽りのないhappy end」公開決定

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消えた2人の少女 探す2人の姉 園子温に師事した松尾大輔初長編監督作「偽りのないhappy end」公開決定

 園子温監督に師事してきた松尾大輔の長編映画監督デビュー作「偽りのないhappy end」が、12月17日より劇場公開されることが決まった。

 「偽りのないhappy end」は、田舎で一人で暮らしていた妹が、東京で自分と一緒に住み始めた途端に行方不明になってしまったエイミと、同じく妹が行方不明のヒヨリが、一緒に犯人を捜すミステリーをベースに、姉二人の心の揺れを描いた作品。大都会・東京と、美しい琵琶湖のある滋賀を舞台に、いなくなって初めて妹のことを何も知らなかったと気づき、必死に真実を暴こうとする姉二人がたどり着く先を描く。

 監督を務めるのは、2011年の「ヒミズ」から10年間、ほとんどの園子温監督作の助監督を務めてきた松尾大輔。主演は、NHK連続テレビ小説 「なつぞら」でドラマデビューした鳴海唯と、マドンナのバックダンサーとしてワールドツアーに同行した仲万美。エイミの妹・ユウ役を「由宇子の天秤」の河合優実がミステリアスに演じるほか、エイミが滋賀の湖で出会う少女・アカリ役を「青のSP~学校内警察・嶋田隆平~」の田畑志真が演じる。「横須賀綺譚」の小林竜樹がエイミの婚約者・タカシを演じるほか、奥野瑛太、川島潤哉、三島あよな、見上愛、馬渕英里何、カトウシンスケらが顔をそろえる。

 松尾大輔監督、園子温監督、および「新宿スワン」「勇者ヨシヒコ」シリーズなどで松尾監督と仕事をともにしてきた俳優の山田孝之のコメントが公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■松尾大輔(監督・脚本)
誰しも生きる上で何かしら、人や過去との繋がりを断ったり、薄れさせて今があると思います。けれども、その断たれたモノは消えずに残っている。現代では絆よりも断たれてしまったモノの方が圧倒的に多いと感じます。それを今、この作品で描きたいと思いました。
ただ、それをはっきりと問題として取り上げる事なく、人々が交わり、絡まり、解け、切れ、結ばれる事で感じて貰いたい。
なので、それを表現する役者、特に主演の2人を始め、何かを抱えている役どころには、芝居の技術で表現して欲しくなかったので、経験の少ない人でも、役と自分を重ねられるであろう人たちを選んだのですが、みんなそれを見せてくれました。それがこの作品の一番の見どころだと思います。観て下さった方々が、少しでも自分の中にある登場人物と似たモノを思い出すきっかけになれば幸いです。
この作品には、映画館という環境でしか伝わらない表現が確実にたくさんあります。是非、映画館で観て頂きたいです。

■園子温(映画監督) 推薦コメント
執念で作りあげたデビュー作。よくやった!松尾君。女の子たちの傷つきやすいガラスの心をよくぞ描き切った。まるで女子が作った映画かと思うほどに、傷ついた女の子のガラスの心を描いた。まさにデビュー作らしいデビュー作だ。ガラス細工の少女たちがガラスの世界を壊しながら突き進む。何て悲しくて、そして何て切ないハッピーエンドなんだ。

■山田孝之(俳優) 推薦コメント
残酷なんだけど人の優しさを感じた。凄く寂しくて、とても温かい。なぜならそれらは表裏一体で、愛情は裏切りを伴う。自分の気持ちが変化するたび見たいと思える作品です。

【作品情報】
偽りのないhappy end
2021年12月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給:アルミ―ド
© 2020 daisuke matsuo

  • 作品

偽りのないhappy end

公開年 2020年
製作国 日本
監督  松尾大輔
出演  鳴海唯、仲万美、河合優実、田畑志真、小林竜樹、奥野瑛太、川島潤哉、三島あよな、見上愛
作品一覧