豊川悦司が孤独なロボット工学者に アンドロイド開発に没頭 阪本順治監督「弟とアンドロイドと僕」公開

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豊川悦司が孤独なロボット工学者に アンドロイド開発に没頭 阪本順治監督「弟とアンドロイドと僕」公開

 阪本順治監督、豊川悦司主演の映画「弟とアンドロイドと僕」が、2022年1月7日より劇場公開されることが決まった。

 「弟とアンドロイドと僕」は、「もう一人の“僕”」として、自分そっくりのアンドロイド開発に没頭する孤独なロボット工学者を描いた作品。阪本順治監督が、自身による人生観を色濃く反映させた、「究極の孤独」を描く。監督として円熟期を迎えた阪本順治が、「これを撮らなければ自分は先に進めない」という覚悟で取り組んだという。

 主役の桐生薫を演じるのは、多くの阪本順治作品に出演してきた豊川悦司。阪本監督は脚本執筆前から主演に豊川をイメージしていたといい、ルックスや空気感も含めた役者としての豊川の持ち味を生かしつつ、特異なキャラクターを創造した。阪本監督の想いを受けた豊川は、自身の解釈を織りまぜながら、阪本監督の分身とも言うべき、この世に身の置きどころのない男の悲哀を全身で体現している。豊川は「作り手の確固たる意思を伴った冒険作」とコメントを寄せている。

 桐生の義理の弟を演じるのは安藤政信。いつも何かにいら立っている厄介者の危うさを、色気たっぷりに表現する。父親役をベテランの吉澤健が務めるほか、風祭ゆき、本田博太郎らが脇を固めている。

 公開されたポスタービジュアルは、こちらをじっと見つめる主人公の桐生の顔に、ひっかき傷のような模様がかぶさっている。桐生の抱える絶望的な孤独感が、漆黒の抽象空間にたたずんでいることで表現されている。そこに、「僕は、ずっと、フィクションだった。」というキャッチコピーが添えられ、自分が存在している実感を抱けていない心の内の葛藤が示されている。

【コメント】

■豊川悦司
撮影は2年前になりますが、この時代にこの物語が受け入れてもらえるかどうか、正直不安がありました。映画である以上、それなりの時代性を伴ってこそ、観客の共感を得ることができると思っていたからです。来年公開されるこの阪本監督の新作は、ある意味、かつてはあり得なかった世界の中でこそ、体験する価値のある作品のような気がしています。もちろん撮影当時は誰もが、今起こっている、このコロナ禍の現実を想像できてはいませんでしたが、あまりに突飛なこのストーリーは、懐古趣味な部分もありますが、作り手の確固たる意思を伴った冒険作だと思います。 偶然と言えばそれまでですが、映画だからこそできる世界観を、ウィズコロナという、不安定な世界観の中で、観ていただいた方の中に、たくさんの想いを残せるのではないかと考えています。

【作品情報】
弟とアンドロイドと僕
2022年1月7日(金)より kino cinéma横浜みなとみらい・立川髙島屋S.C.館・天神 ほか全国順次公開
配給:キノシネマ
© 2020「弟とアンドロイドと僕」FILM PARTNERS

  • 作品

弟とアンドロイドと僕

公開年 2020年
製作国 日本
監督  阪本順治
出演  豊川悦司、安藤政信、風祭ゆき、本田博太郎、吉澤健
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