陽性を示す妊娠検査薬 受け入れられない17歳の少女 「17歳の瞳に映る世界」本編映像

映画スクエア

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 7月16日より劇場公開される、第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した映画「17歳の瞳に映る世界」から、本編映像が公開された。

 ペンシルベニアに住む17歳の学生オータム(シドニー・フラニガン)は、吐き気を感じる日々に、勇気を出して妊娠センターを訪れる。公開された本編映像は、センターで妊娠検査薬の結果を見ながら、オータムと職員が静かにやりとりをするシーン。職員から「陽性みたいね」と語りかけられたオータムは、「陽性だけど、陰性の可能性はある?」と、妊娠の事実を受け入れられずにわずかな望みをかけて質問をする。職員から「ないわ。陽性はあくまでも陽性よ」と聞かされ、瞬く間に希望を打ち砕かれたオータムは、険しい表情でうつむいて複雑な表情を浮かべる。

 監督のエリザ・ヒットマンは、本編映像で映し出された、小さな町によくある妊娠センターについて、「医療施設に見えるけれど、免許を持った医師は居なくてあてにはならない」と語っている。「実際に話に行くと温かく迎えてくれた。彼女たちは良い人たちだったけれど、情報は限られていてその意図は、(中絶はできず)つながりのある支援先や養子縁組の情報を提供するのみ」だという。当時妊娠中だったエリザ監督は自らそのセンターに行き、妊娠検査を受け、そこにいる女性たちと会話をして「セリフのいくつかは、彼女たちとの会話をそのまま使った」と、撮影の裏側を語っている。

 「17歳の瞳に映る世界」は、ペンシルベニア州に住む、友達も少なくて目立たない17歳の高校生・オータムを描いた作品。ある日、予期せず妊娠していたことを知るオータムが、いとこのスカイラーとともに、中絶に両親の同意が必要ないニューヨークに向かう。監督を務めるのは、性的アイデンティティに悩む青年を描いた「ブルックリンの片隅で」などのエリザ・ヒットマン。主役のオータムを演じたシドニー・フラニガンは、本作が長編映画デビューでありながら、等身大の演技によって、第86回ニューヨーク映画批評家協会の主演女優賞などの俳優賞を獲得している。

陽性を示す妊娠検査薬 受け入れられない17歳の少女 「17歳の瞳に映る世界」本編映像

【作品情報】 
17歳の瞳に映る世界
2021年7月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド、パルコ
予告編・本編映像クレジット
ⓒ2020 FRIENDS IN TROUBLE LLC / FOCUS FEATURES LLC
場面写真クレジット
ⓒ2020 FOCUS FEATURES LLC

  • 作品

17歳の瞳に映る世界

公開年 2020年
製作国 アメリカ
監督  エリザ・ヒットマン
出演  シドニー・フラニガン、タリア・ライダー、セオドア・ペレリン、 ライアン・エッゴールド
作品一覧