辺境の地の教師 慕われていた女子生徒から告発 自然と人間の対比で描く 「二つの季節しかない村」予告

映画スクエア

 2024年10月11日より劇場公開される、第76回カンヌ国際映画祭でトルコ人初の最優秀女優賞を受賞した、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督最新作「二つの季節しかない村」の、予告編が公開された。

 予告編は、見渡す限りの銀世界の中、1人の少女が物憂げに遠くを見つめているシーンから始まる。辺境の地で美術教師をしているサメットは、都会への転任を待ち望んでいる。義足の美しい英語教師ヌライと出会うが、ヌライは同僚のケナンに心を寄せているようだ。何もない土地を忌み嫌いながらも単調な日々を送っていたサメットだったが、自分を慕っていた女子生徒セヴィムらに虚偽の“不適切な接触”を告発され、日常が一変する。

 一目置いていたセヴィムに裏切られ、怒りを隠しきれないサメット、不敵な目でこちらを見つめてくるセヴィム。冬は辺り一面に雪景色が広がり、夏は緑が揺れ爽やかな風がそよぐという2つの表情を見せるトルコ東部の小さな村を舞台に、思わぬ窮地に立たされたサメットの姿が描き出され、終わりには「春は来ない」のコピーが映し出される。

 「二つの季節しかない村」は、トルコのアナトリア東部を舞台とした作品。美術教師のサメットは、冬が長く雪深いトルコ東部の村を嫌っているが、村人たちからは尊敬され、女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、同僚のケナンとともに、セヴィムらに虚偽の“不適切な接触”を告発される。同じころ、美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。

 監督は、「雪の轍」でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した経歴を持つヌリ・ビルゲ・ジェイラン。雪深い景色の美しさと、標高2150メートルにある世界遺産ネムルトダーの夏の雄大さといった荘厳な自然の大きさと、自我に縛られた人間の小ささを対比させ、息もつかせぬ言い合いや目線に現れる感情の揺らぎなどによって、心の機微を描き出す。 

辺境の地の教師 慕われていた女子生徒から告発 自然と人間の対比で描く 「二つの季節しかない村」予告

【作品情報】
二つの季節しかない村
2024年10月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
配給:ビターズ・エンド
© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME

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