ある介護施設の人間模様を通じて生と死の関係を描く 「また逢いましょう」公開決定

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ある介護施設の人間模様を通じて生と死の関係を描く 「また逢いましょう」公開決定

 「嵐電」「初級演技レッスン」の大西礼芳が主人公を演じる映画「また逢いましょう」が、2025年7月18日より劇場公開されることが決まった。

 「また逢いましょう」は、ある介護施設の人間模様を通じて生と死の関係を描いた作品。東京でアルバイトをしながら漫画を描いている夏川優希は、父・宏司が転落事故で入院した知らせを聞いて京都の実家に戻ってくる。出版社に持ち込んでいた漫画の原稿も不採用となり、先が見えないまま京都で暮らすことになる優希。父は退院後、介護施設「ハレルヤ」に通所を始める。優希も付き添いで行ってみると、そこは利用者と職員が和気あいあいと談笑しながらリハビリテーションに励む、居心地の良さそうな空間だった。明るいベテラン職員・向田洋子や、ケアマネージャー・野村隼人、利用者の人々と「ハレルヤ」で交流しながら、いつしか温和な笑顔で利用者や職員を見守る武藤所長の考え方の深さに魅かれていく。

 原案は、京都市右京区でデイケア施設「ナイスデイ」を運営する伊藤芳宏の著書「生の希望 死の輝き 人間の在り方をひも解く」。監督は、京都と東京を拠点に映画のプロデュースを続ける西田宣善が務めている。初の劇場映画監督作となる。脚本は、「夜明けまでバス停で」でキネマ旬報脚本賞などを受賞した梶原阿貴。伊藤の著書に現代社会に生きる女性の視点を加えてフィクション化した。

 主人公の漫画家・夏川優希を演じるのは大西礼芳。何事にも受け身だった優希が、自分の意志で走り出すようになる過程を繊細に表現する。映画内のマンガとピアノ演奏も、大西自身で手がけている。頸髄損傷で生活の自由を奪われた絶望と闘う優希の父・宏司を伊藤洋三郎が、施設で明るく奮闘するベテラン職員・洋子を中島ひろ子が、利用者と職員どちらも仲間として信頼の目で見つめる所長を田山涼成が演じる。そのほか、カトウシンスケ、筒井真理子、田中要次、梅沢昌代らが顔をそろえる。

ある介護施設の人間模様を通じて生と死の関係を描く 「また逢いましょう」公開決定

 大西礼芳、西田宣善監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■大西礼芳
本作の抱えるテーマについて学んだり考えたりした時間、撮影に向けてスタッフ・キャストの皆さんと準備した時間、その時間の豊さが撮影中の私の足取りを軽くしてくれました。
「介護」「哲学者ハイデガー」「漫画」「死」。ズシリときそうなテーマが並んでいますがご安心ください。軽やかで活気に満ちた映画になっていると思います。ぜひ劇場でご覧いただけたら嬉しいです。

■西田宣善(監督)
映画の原案を書かれた伊藤芳宏さんと初めてお会いしたのは、2年前のことです。先生が経営されている介護施設のお話を聞き、とてもユニークで素晴らしいと思いました。映画はフィクションで、かなり誇張した表現になっていますが、本質的なことは変わりません。介護や医療を描いた映画はたくさんありますが、どうしても真面目で暗くなりがちです。私は、重いテーマを扱いながらも、なるべく明るく楽しい映画にしようと試みました。

【作品情報】
また逢いましょう
2025年7月18日(金)よりアップリンク京都、7月19日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
配給:渋谷プロダクション
©Julia /Omuro

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