カンヌ国際映画祭の監督週間において最高賞となる観客賞を受賞し、アカデミー国際長編映画賞のカナダ代表にも選出された映画「ユニバーサル・ランゲージ」が、2025年8月29日より劇場公開されることが決まった。
「ユニバーサル・ランゲージ」は、架空のカナダ・ウィニペグを舞台に、ちょっとズレた人々が織りなす、すれ違いのファンタジー。舞台は、ペルシャ語とフランス語が公用語になった、“もしもの世界”のカナダ・ウィニペグ。暴れまわる七面鳥に新調したメガネを奪われたと語る少年・オミッドは、学校の先生に黒板の字が読めるようになるまで授業を受けさせないと、理不尽な待遇を受けてしまう。同情した同級生のネギンと姉のナズゴルは、凍った湖の中に眠る大金を取り出して、新しいメガネを買ってあげようと思いつく。
姉妹は、大人にお金を取り出すためのアドバイスを求めるも、街の住民たちは、みんなちょっとヘンテコな人たちばかりで、なかなか良い助言がもらえない。思うようにいかない中、そこに廃虚を観光スポットとして紹介する奇妙なツアーガイド・マスードや、仕事に嫌気が差して自暴自棄になったマシューも登場すると展開が一転していく。
監督を務めるのは、カナダ首相の座を巡る権力争いを皮肉と遊び心たっぷりに描いたブラック・コメディ「The 20th Century」がベルリン、トロントなど主要な国際映画祭を始め、全世界で絶賛された実験映画監督と知られるマシュー・ランキン。「この映画の主要なテーマの一つは“人に優しくすること”」と語り、言語や文化、さらには自分と他人との境界も曖昧になって混沌とする町で起きる日常の風景が切り取られている。切れ味のあるユーモアセンスと、アッバス・キアロスタミやジャック・タチなどの巨匠たちに強く影響を受けたテイストを感じ取れる作品となっているという。
【作品情報】
ユニバーサル・ランゲージ
2025年8月29日(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開
配給:クロックワークス
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