分離手術から35年 健康問題を抱えながら、平和のアンバサダーとして生きるドクさん ドキュメンタリー公開

映画スクエア

分離手術から35年 健康問題を抱えながら、平和のアンバサダーとして生きるドクさん ドキュメンタリー公開

 ベトナム戦争で枯葉剤の散布された地域で結合双生児として生まれた運命から、35年前の分離手術をへて、今も深刻な健康問題を抱えながら、平和のアンバサダーとして生きるドクちゃんの姿を捉えたドキュメンタリー映画「ドクちゃん ―フジとサクラにつなぐ愛―」が、2024年5月3日より劇場公開されることが決まった。

 43歳となったドクちゃん(グエン・ドクさん)は、結婚18年目の妻(トゥエンさん)と、双子の子供である息子(フジくん)、娘(サクラちゃん)とともに、夫・父親として暮らしている。自身も入退院を繰り返す中、闘病中の義母を自宅で介護し、一家の唯一の稼ぎ手でもある。本作では、そんなグエン・ドクさんの姿が収められている。監督を務めたのは川畑耕平。2023年の日本撮影監督協会「JSC賞」を受賞した池田俊己が撮影を、2023年のキーウ国際映画祭で受賞した経歴を持つウクライナ人のレシア・コルドーネッツが編集を担当している。

 日越外交関係樹立50周年記念事業として認定された作品で、4月にはドクちゃんの来日も予定されている。

 グエン・ドクさん、川畑耕平のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■グエン・ドクさん
僕の人生には2つの大きなチャレンジがあります。
1つは『生きること』。2つ目は『生き続けること』。
43年前、結合双生児として生まれた僕と兄ベトは、7歳の時にベトナムや日本のたくさんの人々の支援のもと分離手術を受けました。この映画で少しでも恩返しができればと思い、全てを見せる覚悟をしました。僕のありのままの姿から、家族の大切さ、命の尊さを感じ、皆さんが人生を前向きに生きる原動力となること、そしてこの映画が”記憶”となり未来へ繋がることを願っています。僕自身の使命として、この映画が世界を平和へ導くきっかけとなりますように。

■川畑耕平監督
枯葉剤の被害者や障害者でありながら、ドクさんは他の人と同じように一人の父親であり夫でした。気負いもてらいもなく、日常生活に悩みながらも、平和の大切さを自然体で語る姿に凄みを感じます。そんなドクさんを少しでも感じていただければうれしいです。

分離手術から35年 健康問題を抱えながら、平和のアンバサダーとして生きるドクさん ドキュメンタリー公開

【作品情報】
ドクちゃん ―フジとサクラにつなぐ愛―
2024年5月3日(金・祝)GWより、新宿ピカデリー他にて全国公開
配給:ギグリーボックス
©2024 Kingyo Films Pte. Ltd.

作品一覧