長塚京三、黒崎煌代が出演 濱口竜介監督最新作「急に具合が悪くなる」

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長塚京三、黒崎煌代が出演 濱口竜介監督最新作「急に具合が悪くなる」

 2026年に劇場公開される、「ドライブ・マイ・カー」「悪は存在しない」の濱口竜介監督最新作「急に具合が悪くなる」に、長塚京三、黒崎煌代が出演することが明らかになった。

 長塚は真理(岡本多緒)が演出する舞台に出演する俳優・清宮吾朗を、黒崎は吾朗の孫である窪寺智樹を演じる。

 「急に具合が悪くなる」の舞台はフランス。パリ郊外の介護施設「自由の庭」では、施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌが入居者を人間らしくケアすることを理想としながら、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、2人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。

 原作は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡「急に具合が悪くなる」。主演は、セザール賞の主演女優賞の受賞歴があり、コメディからシリアスドラマまで幅広い役柄をこなすヴィルジニー・エフィラと、トップモデルのTAOとして世界で活躍し、以降ハリウッド作品を中心に国内外の話題作に出演しながら、現在は映画監督としても活動の幅を広げている岡本多緒が務め、2人の女性による心の交流と世界に対峙する姿を描く。

長塚京三、黒崎煌代が出演 濱口竜介監督最新作「急に具合が悪くなる」

 長塚京三らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■長塚京三

▼本作の脚本を読んで
あの原作がこのホン? あまりに自由な想像力の奔流に圧倒され、しまいには感動していました。吾朗役には、早くから私を想定して下さったようで、演技者としてこんな嬉しいことはありません、喜んでお受けしました。大量のフランス語パートが気懸りでしたが、日常のやり取りというより、もっぱら舞台上で俳優の口から発せられるセリフが主でしたので、初心に還って勉強し直しました。真面目だけが取り柄の学生で、ガリ勉は得意でしたから。孫ほどの齢の助監督さん相手に、とても楽しい稽古でした。

▼濱口監督の演出について
ユニークな演出法として、ことさらミステリアスに取り沙汰されることも多いようですが、僕は濱口監督の演出は、古典的なまでにオーソドックスだと思っています。「原点回帰」というか、テクストに還るという大原則ですね。答えは既にテクストの中にある。役者は書かれたそのままを伝えればいい。ひたすらシンプルに、清澄に。(私の場合は)「熾火に薪をくべるように」と、イメージはひと夫々でしょうが。

▼撮影を終えて(完成への期待)
いろいろ楽しみが満載です。自分事で恐縮ですが、早く地のセリフと舞台上のセリフの機微を、聞き比べてみたい、とか。なんだか濱口組の「短期留学」から帰ったような気分です。

■黒崎煌代

▼本作の脚本を読んで
圧倒されました。素晴らしすぎる脚本で、文字だけで既にとても心にくるものがありました。この脚本の世界に関わることができる幸せを感じると同時に、現時点での自分史上最高で臨まなければ通用しないことも読んだ瞬間に感じました。責任を持って智樹を演じるぞと改めて気合いを入れ直した瞬間でもありました。

▼濱口監督の演出について
魔法のような体験でした。リハーサルが特に印象に残っています。監督が緻密に設計したリハーサルの流れに身を委ねていると、気づけばゴールの目前に立っているような。一見すると断片的に思えるリハーサル同士も、最終的には結びついていく。そんな不思議な体験に何度も静かな驚きを覚えました。濱口監督のリハーサルには、演出の精密さだけでなく、私たち役者への信頼が織り込まれていました。リハーサルの内容は詳しくは言えませんが、言える事があるとするならば、濱口監督からすべてを指示されたわけではない。かといって、すべてを委ねられていたわけでもない。ただ、監督と結んだ約束のようなものがありました。私はその約束を守り続けることで、智樹を演じきる事ができました。

▼撮影を終えて(完成への期待)
初めての海外スタッフとの海外での撮影で、フランスの映画撮影文化と、日本の映画撮影文化の違いに驚く事もありましたが、根幹にある良い作品を作るという最も大事な部分が共通している事がとても嬉しく、感動しながら撮影に臨みました。ヴィルジニー・エフィラさん、岡本多緒さん、長塚京三さんに支えられ、濱口竜介監督に引っ張ってもらいながら撮影に臨みました。この面々にお世話になって、駄目になる方が難しいです。正直言って、自信満々です。間違いなく面白い映画になっていると思います。公開をお楽しみに。

■濱口竜介監督
長塚京三さんは いつかお仕事をしたいと願っていた方であり、その機会を得られて心より嬉しく思いました。これほどのキャリアがありながら、リハーサル時点から信じられないぐらい謙虚で、熱心で、感動してしまいました。
黒崎煌代さんとも一緒にたくさんリハーサルもしましたが、単純に人間として、とても好きになってしまいました。どの声も、動きも、名前の通りにきらめいているような、そんな印象を受けます。
お二人には祖父と孫を演じていただいたのですが、現場ではそれぞれの知性と誠実さがそのまま現れていて、どの瞬間も胸が震える思いで見ていました。撮らせていただいて、とても幸せでした。早く多くの方にご覧いただきたいと気がはやります。

【作品情報】
急に具合が悪くなる
2026年、全国ロードショー

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