2020年7月に起こった熊本豪雨により、球磨川が氾濫し壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域を舞台とした映画「囁きの河」の特報映像が公開された。
「囁きの河」は、変わり果てた故郷に戻った男の物語。熊本を襲った豪雨から3カ月、母の訃報を受けた孝之(中原丈雄)は22年ぶりに帰郷するが、仮設住宅で暮らす息子の文則(渡辺裕太)は、かつて自分を捨てた父に心を開こうとしない。幼なじみの宏一(三浦浩一)が営む旅館もまた半壊の痛手を負っていた。女将(おかみ)の雪子(清水美砂)が再建を願う一方、父を土砂で亡くした宏一は前を向けず、災害は夫婦の間にも亀裂を生んでいた。その頃、球磨川くだりの再開を信じて船頭を志す文則は、かつての同級生・樹里(篠崎彩奈)と再会。隣人の直彦(不破万作)と妻のさとみ(宮崎美子)は仮設から自宅に戻ることを決め、孝之も水害で荒れた田畑の開墾に希望を見いだしていく。
2004年から熊本県のグリーン・ツーリズムに尽力してきた青木辰司(東洋大学名誉教授)がエグゼクティブ・プロデューサーを、連続テレビ小説「おしん」の大木一史が監督をつ務めている。いまだ災害の爪あとが残る現地での取材を重ねながら復興の歩みを見つめ、その土地で生きる人々の希望と再生を自然の力とあわせて描いた。 主人公の孝之を演じたのは、熊本県人吉市出身のた中原丈雄。地元の老舗旅館の営業再開を目指す女将に清水美砂、その夫に三浦浩一、孝之の息子に渡辺裕太、文則の元同級生に元AKB48の篠崎彩奈、孝之の隣人である夫婦を不破万作と宮崎美子が演じている。
清水美砂、渡辺裕太のコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■雪子役:清水美砂
山科雪子を演じさせて頂きました清水美砂です。
今西孝之を演じられた中原丈雄さん、雪子の夫 山科宏一を演じられた三浦浩一さんは お二人共昔から分け隔てなく暖かく接してくださるお人柄で 再びこの映画でご一緒でき幸せでした。
ロケ現場は実際に被害にあった建物で撮影いたしました。痛々しく静寂が支配し心痛が襲ってきました。
それでも、希望を捨てず覚悟を持って前進する“人吉の方たちの想い”が街中を包み、生きとし生けるものの力強さを感じました。
そしてその想いがこの映画なのです。
照明をほとんど使わず自然光の中で綺麗さだけではない心の表れを其々の役者が表現しております。
どうぞ劇場でご覧になって下さい。
■今西文則役:渡辺裕太
文則にとって父・孝之は、大切な時期に一緒にいてくれなかった人であり、一番求めていた人だと思います。
だから突然現れた父親に対して、怒り、悲しみ、憧れ、悔しさ、色んな感情が渦巻いていて、父と時間を共にする事で、ここに生まれた運命やこの場所で生きていくとはどういう事なのか考えていく。
そんな心の動きを丁寧に演じたいと思いました。
同級生の樹里は、文則にない視点から地元を見たことで刺激を与えてくれますし、彼女との触れ合いがまた、文則の人生を方向づけていきます。
彼女に対してかつて抱いた想いや、現在の葛藤も、とても重要な部分と考えて演じさせていただきました。
ぜひ、劇場でご覧ください。
【作品情報】
囁きの河
2025年6月27日(金)~熊本県・熊本ピカデリーにて先行公開
7月11日(金)池袋シネマ・ロサほかにて全国順次公開
配給:渋谷プロダクション
©Misty Film