ハサミで切り裂かれる下着 禁断の世界描く 永瀬正敏主演「ホテル・アイリス」予告

映画スクエア

 2月18日より劇場公開される、芥川賞作家・小川洋子の同名小説の映画化作「ホテル・アイリス」の、予告編が公開された。

 公開された予告編は、主人公マリの下着がハサミで切り裂かれるシーンから始まる。そして、ポーランド出身の音楽家スワペック・コバレフスキによるチェロの旋律をBGMに、主人公マリが、支配的な母親の干渉、ホテルアイリスの従業員の密告、死んだ愛する父親の幻像などに翻弄されながらも、永瀬正敏演じるロシア文学の翻訳家に出会い、惹かれていく様子が描かれる。その後、売春婦の死、警察からの尋問など、二人の愛の行く手をはばむ疑惑が次々と明らかになりながらも、「私たちに構わないで。私は彼を愛してる」ときっぱりと言い放つマリの姿が映し出される。

 映像作家・遠山慎二のディレクションによる予告には、肉体的だけでなく精神的にも2人をつなぐ拘束具や、あの世とこの世をつなぐ役割を持つ渡し舟の幻想的なシーンなども映し出されている。

 「ホテル・アイリス」は、さびれた海沿いのリゾート地で、日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝うマリとロシア文学の翻訳家の、禁断の世界を描いた作品。大人の男の色気をまとうミステリアスなロシア文学の翻訳家を演じるのは永瀬正敏。マリ役は、映画初出演となる、台湾でモデルやテレビCM出演で活躍している陸夏(ルシア)が 演じる。他に、リー・カンション、菜葉菜、寛一郎、マー・ジーシャンらが出演している。監督・脚本は、「波」「黒四角」の奥原浩志。原作の持つ残酷で甘美な世界感を忠実に再現しながら、大胆な解釈を加味して作り上げた。

ハサミで切り裂かれる下着 禁断の世界描く 永瀬正敏主演「ホテル・アイリス」予告

 スタッフ・キャストのコメントも公開された。コメント全文は以下の通り。

【コメント】

■小川洋子(原作・作家)
「すべては生と死の間を漂う波にさらわれ、引き返せない 彼方へと消え去ってゆく。
そのはかなさが、残酷なほど深く胸に刻まれる。」

■永瀬正敏(主演・翻訳家役)
様々な想いが芽生えた撮影でした。
またご一緒出来た、台湾の優れた映画人とのコラボレーションは、あらためて様々な“情”を感じる素晴らしいものでした。小川洋子さんの深い原作の下、台湾・日本の共演者、スタッフの皆さんと過ごした金門島での日々は、今思えば原作に漂う夢の様な、現実の様な、幻想の様な、得難い日々だっ たと思います。
ご覧いただいた皆さんに、作品に込められた沢山の“情”が、
どうか届きますように。

■陸夏(ルシア)(主演・マリ役)
日本の皆さん、こんにちは。私は陸夏(ルシア)です。
私がヒロインを演じた『ホテルアイリス』が、まもなく全
国の劇場で公開されます。
ぜひ劇場にお越しいただき、スクリーンでご覧ください。待ってます!

■菜葉菜(マリの母親役)
異国の孤島での撮影はとても刺激的だった。台湾の名優との触れ合いも、海外スタッフと初めて組む現場にも心が躍り、毎日がサプライズの連続だった。無国籍な世界観で繰り広げられる崇高なラブファンタジー。ハロウィン仮装のような菜葉菜もほんの少し楽しんでください。

■寛一郎(甥役)
この映画は3年前に台湾の金門島と言う素晴らしい、日本とはまた違った空気感が漂うロケーションで撮影しました。小川洋子さん原作の『ホテルアイリス』は、登場する一つ一つが良く表現されており一瞬で小説の中に入り込める力を持っていました。そして奥原浩志監督、台湾スタッフと素晴らしい時間を共有しながらこの映画に挑んだことを覚えています。主演のルシアさんは日本語のセリフも多く苦しい中、いつもスタッフさんや僕達を笑顔にしてくれました。彼女が萌芽していく瞬間がこの映画を通して観れると思います。

■リー・カンション(李康生)
皆さん、こんにちは。リー・カンションです。
『ホテルアイリス』の日本公開をとても嬉しく思っています。
この映画は台湾の金門島で撮影しました。参加できてとても光栄でした。この映画の中で私はあの世からの使者を演じました。
あの世とこの世を往き来する船頭の役です。
コロナの影響で日本に行けず、プロモーションにご協力することが出来ません。この映画の成功を祈っています。
どうか映画館に足をお運びください。映画館では感染予防をお忘れなく。このコロナ禍が早く収束しますように。ありがとうございます。

■奥原浩志(監督・脚本)
2018年12月に撮影をしました。今思えば夢の中にいるような日々でした。それからいろいろありました。ようやく完成し、皆様に観ていただけることを心から嬉しく思うと同時に、誇りにも思います。ここまで私を支えていただいたすべての方々に感謝します。この作品が皆様の心に残るものであることを願ってやみません。

■金勝浩一(美術)
『ホテルアイリス』公開おめでとうございます。撮影は台湾の金門縣で撮影しました。
土地の空気感が映画に奥行きを与えていただきました。

■スワペック ・コバレフスキ(音楽)
今回の公開はおめでとうございます。
様々なことを考えさせられる深いテーマで、素晴らしい作品だと思います。
たくさんのお客さんにご覧いただけたら良いですね。

【作品情報】
ホテルアイリス
2022年2月18日(金)よりロードショー 新宿ピカデリー / ヒューマントラストシネマ渋谷 / シネ・リーブル池袋 他にて
配給:リアリーライクフィルムズ+長谷工作室
©️長谷工作室

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