東出昌大、函館の街を走り続ける 「狂わないように走ってるんだよ」 「草の響き」予告編

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 10月8日より劇場公開される、北海道函館市出身の作家・佐藤泰志の小説を映画化した「草の響き」の、予告編とメインビジュアルが公開された。

 公開された予告編は、うずくまる和雄(東出昌大)のシーンから幕を開ける。どこにも行くことができずに悲痛な表情を浮かべる和雄だが、室井滋演じる精神科の医師の勧めで、治療のために街を走り始める。朝も夜もとにかく走り続けるカットが続くなか、「狂ったように走ってるんだから」という純子(奈緒)に対して、「狂わないように走ってるんだよ」と告げる和雄。和雄と純子、そして大東駿介演じる友人の研二が、ベランダで空を見上げる場面では、産まれてくる子どもの為の洋服が干されているのが分かる。

 さらには、「自分の子どもには、僕みたいになって欲しくない」という和雄のつらい独白や、和雄をじっと見つめる純子と、それを苦しそうに見つめ返す和雄のクローズアップが続く。そして、上着を脱ぎ捨てた和雄がフェンスを軽々と超え、裸足で草に上に降り立つ足のアップで予告編は終わる。「良くなりたい」と願いひたすらに走り続ける和雄、子どもを宿し和雄の回復を待つ純子の姿が切り取られた予告編となっている。

 あわせて公開されたメインビジュアルでは、和雄が両腕を抱えてしゃがみ込んでいる姿をメインに、下段には純子が北海道の海をバックに愛犬ニコと車を走らせているカットが配置されている。左上には「心の震えを感じながら、僕たちは、駆けだそうとしている」というキャッチコピーが配置され、不安を抱えながらも前に進む夫婦を描いたビジュアルになっている。

東出昌大、函館の街を走り続ける 「狂わないように走ってるんだよ」 「草の響き」予告編

 「草の響き」は、「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」と、佐藤泰志の原作を映画化してきた、函館の映画館シネマアイリス代表・菅原和博プロデュース作。佐藤泰志の没後30年作として製作された。精神に失調をきたし、治療のため函館の町を走り続ける男・工藤和雄を描く。和雄を3年ぶりの主演となる東出昌大が演じ、和雄の妻・純子役に奈緒、和雄の友人・佐久間研二役に大東駿介が顔をそろえる。監督は、「空の瞳とカタツムリ」などの斎藤久志が務めている。

【作品情報】
草の響き
2021年10月8日(金)より新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ有楽町/渋谷ほか全国順次公開
配給:コピアポア・フィルム、函館シネマアイリス
©HAKODATE CINEMA IRIS

  • 作品

草の響き

公開年 2021年
製作国 日本
監督  斎藤久志
出演  東出昌大、奈緒、大東駿介、Kaya、林裕太、三根有葵、利重剛、クノ真季子、室井滋
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