脚本のきっかけはホームレスとなった友人 「サンドラの小さな家」脚本・主演クレア・ダン インタビュー

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 住む場所を失ったシングルマザーが2人の娘たちのために再起する姿を描いた映画「サンドラの小さな家」から、脚本・主演を務めたクレア・ダンのインタビュー映像が公開された。

 「サンドラの小さな家」は、「マンマ・ミーア!」「マーガレット・サッチャー  鉄の女の涙」のフィリダ・ロイドが監督し、長編初主演となるクレア・ダンが脚本と主演を務めた作品。舞台を中心に活躍していたダンが、本作の脚本を執筆。脚本を読んだロイド監督がほれ込み、ダンが主演することを条件に監督を引き受けた。Variety誌が選ぶ 2020 年ベスト映画第4位に選出されるなど、高い評価を受けている。

 執筆したきっかけを聞かれたダンは、「ニューヨークにいた時女友達から電話があり、『ホームレスになった』と告げられたんです。彼女は幸い実家に戻れましたが3人の子供と1部屋で10ヵ月間も暮らしました。その時 強く思ったんです。3人の子持ちの友達が家を見つけられずにいるなんて社会のシステムが崩壊している。一方 私はニューヨークでチャンスを得ようとしている。彼女の状況をよくするために何かしたいと思いました」と、親友からの1本の電話がきっかけだったことを明かしている。

 制作段階でのリサーチと社会的意識についての質問には、「ホームレスなどの社会問題のリサーチについては、本やネットでもたくさん調べましたが、最も参考になったのは出会った人々です。経済学者のピーダー・カービーに会いにエコビレッジにも行きました。そこでは住民が一丸となり、気候変動や住宅危機の解決に取り組んでいたんです。彼らは太陽光発電や天然資源、地元産の食べ物を活用していました。ピーダーからは多くを学びました。社会問題の解決のためにどんな意識を持つべきかをね。本作を思いついた時の話をしたんです。『あの時から 私は正気を失ったのかも』と言うと、彼は『君は正気を取り戻したんだ』」と、本作のサンドラと同様に、ダンがリサーチの段階で出会った人々に影響を受け、意識が大きく変わったことを告白している。

 見どころについては、「本作の主人公は人生を変えるために自分自身のヒーローになろうとします。そこが見どころです。希望が欲しい人や人は立ち直れると信じたい人は、本作を見るべきです」と語っている。他にもインタビュー映像では、サンドラと子どもたちとの関係について、脚本と主演の兼任について、フィルダ・ロイド監督との仕事について語っている。

 あわせて、日本向けのメッセージ映像も公開された。メッセージ映像では、「彼女の姿から物事の新しい見方を、決断すれば人生は変わることを感じて欲しいと思います」と訴えかけている。

脚本のきっかけはホームレスとなった友人 「サンドラの小さな家」脚本・主演クレア・ダン インタビュー

【作品情報】
サンドラの小さな家
2021年4月2日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
配給:ロングライド
©Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020

  • 作品

サンドラの小さな家

公開年 2020年
製作国 アイルランド、イギリス
監督  フィリダ・ロイド
出演  クレア・ダン、ハリエット・ウォルター、コンリース・ヒル
作品一覧